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更新日: 2011年3月9日

福岡市環境影響評価審査会 議事の要旨
平成15年6月24日



日時 平成15年6月24日午後1時30分から午後3時30分
開催場所 アクロス福岡 608会議室
議題 周船寺川都市基盤河川改修事業環境影響評価準備書
出席者 浅野会長、鵜野委員、楠田委員、近藤委員、重松委員、薛委員、
田中委員、田村委員、中園委員、久留委員、藤本委員、柳委員(50音順)
会議資料 審査会運営要領改正案、周船寺川都市基盤河川改修事業環境影響評価準備書、欠席委員からの意見


【議事概要】


議題1 会長・会長代理の選出

会長として浅野委員が選出され、会長により藤本委員が会長代理に指名された。


議題2 環境影響評価審査会運営要領改正について


発言者 発言内容
会長運営要領の根拠となる福岡市の規定が変更されたので併せて修正する点と、「5日前」という規定を「休日を除いて5日前」に変更したいという2点について改正とのことだが、休日を外すというのは一般的な原則と了解して、本改正案を了承してよいか。
全員異議なし。


議題3 周船寺川都市基盤河川改修事業環境影響評価準備書について


発言者 発言内容
会長それではただいま事前に配布されておりました準備書の概要と欠席委員から出されたご意見について、ご紹介がありました。それではご意見を伺いたいわけですが、ご意見という前に説明の中でなお不明な点というのがあるかもしれませんので、もし意見があるようでしたら、ご意見としてお伺いしますが、単純に質問という枠の中で何か聞きたいことがあれば、お出しいただけますか。
委員正誤表が送られてきましたが、それ以外にも、例えばフクロウの場合ですが、資料編の方に記録が無くて、準備書の方で出てきているような場合がありましたが、それ以外にも正誤があるかどうかを確認させてください。
会長たいへん厳しくかつ適切な質問でありましたが、この点については事業者の方から説明しますか。それとも、もう一旦、環境調整課が受け取った以上、環境調整課の責任で答えますか。
事務局正誤表につきましては、審査していただく上で間違いがあるのは、たいへん失礼だということで出していただきました。間違いがある分については、全て評価書の段階で修正していただきたいと思っております。
会長要するに、なおまた今後も誤りが出てくる可能性があるということですか。
事務局誤りにつきましては、私たちの方で見た範囲で誤りがある分については誤りではないかと質問を投げまして、事業者もしくはコンサルタントの方で、それをふまえて正誤を見つけていただいて、出していただいたものであり、それ以外にもある可能性はあると思います。
会長わかりました。大きく考え方そのものに影響がない単なる誤記とか誤計算というものはいちいち意見の中では書かないで別途修正するという扱いですが、本質的なところに響くような誤りがもし出てきた場合は、再度また委員会を開かざるを得ません。本来ならば、学生の答案と同じで、後でリポートを出して単位を下さいというようなものは認められない仕組みでありますから、今までのものを前提にして意見をまとめるということにしたいと思います。それでは、どこからでも、というやり方はあまり効率的ではありませんので、ご専門もあろうかと思いますので、先ほど事務局から説明がありました項目に沿って、それぞれご専門の先生からご意見を伺い、最後に総括的に少し全体を通じてご意見があればそれを伺うという形で進めていきたいと思います。そこで、大気質と騒音と振動という、要するに在来型の環境の問題に関しての予測評価という部分でありますが、この点に関して、ご専門の先生からもし何かあればお伺いし、さらに専門外の先生方からも、わかりにくいというものがあれば、おおいに質問する価値があると思いますので、ご意見をお出しください。大気環境と書いてある部分について、まず取り扱いたいと思います。
委員まず、騒音関連について、幾つか質問というか、よくわからない点も含めてよろしいでしょうか。90頁ですが、予測内容で、直接内容に関わる問題ではないですが、「物理的な指標である等価騒音レベルを求めた」と建設作業騒音の予測で記載されていますが、この「物理的な・・・」などは外した方がよろしいと思います。
会長たしかに、どうして物理的なのかよくわかりません。
委員もう一点は、建設作業工事の予測は等価騒音レベルで予測しているのでしょうか。
事務局事務局から言いますと、ここの表現は間違っております。建設工事の作業騒音の予測は、合成することが可能な等価騒音レベルと書いてありますけど、合成もされておりませんし、等価騒音レベルも求められておりません。
委員求められていませんね。私の意見としては、建設作業工事の機械の種類によって、定常音のような音に関しては、等価騒音レベルのようなもので予測し、非常に間欠的な騒音については、L5で替えるなどして予測評価することとなると思うので、そういう論理に合うような表現に代えないといけないと思います。道路交通騒音については、等価騒音レベルで予測しますが、これもまた途中で、余計な「間欠的に発生する」とか「単発暴露騒音レベルによる」などの文言が入っているが、単純に「音響学会のASJMODEL1998によって等価騒音レベルを求めた」それだけの表記でよろしいかと思います。同じ頁で予測地点ですが、[2]のところで予測地点「N-6」について、何故「N-6」を選ぶのかという説明があるが、これ読んでも何が言いたいかよくわかりません。「走行ルートではないが代表している」ということは、どういう意味でしょうか。
事務局これも非常に不適切でございまして、想定される工事車両の進入ルートが記載されていないのは、おかしいと思いますが、この「N-6」の地点がある横方向の道路が202号線になっており、工事車両の進入ルートが202号線を一部走行することとなっていて、その走行する部分を予測するかわりに、「N-6」という遠いところを選んで予測評価を行っております。本来は走行するところで予測すべきだと思います。
委員そういうところは問題点だと思いますので、そういう意見が反映されるように意見をしなければいけないと思います。151頁の建設作業騒音に関しての予測方法についてですが、各機械のパワーレベルがあって、そこから単純に距離減衰したらどうなるかというデータだけが提示されています。道路交通騒音の予測については日本音響学会のモデルを使われておりますので、同様に建設作業騒音も、音響学会の「建設工事騒音の予測モデル」に従う方がよろしいと思います。そちらの方がオーソライズされた予測法だと思います。「建設工事騒音の予測モデル」に従うと、どこが変わるのかということですが、現場の工事の状況というのがなかなか予想し難いので、大きく、工種と機械と2つに分けて予測しようという考え方で、工種というのは、例えば、何台かの機械が同時に動いて、この地域ではそういう工事が行われるというようなものを想定し、そこで2台の機械が同時に動いているかどうかというのが、それなりにモデル化されます。少なくとも、今ここでは1台は稼働していて他は全然稼働しないという予測方法になっているので、これはまずいのではないかという気がします。すでにそういう考え方が出され、オーソライズされていますので、やはりそういう予測方法に基づいて行うのが妥当でないかという気がいたします。ここで書いていることが本質的にまったく間違っているというわけではないですが、そもそもどういう予測方法をとるかという段階で考えを改めなければいけないのではないかという気がします。
会長問題は、工事期間が全年間でなく限られた期間であることと、15年かけて徐々に下流から上流に上げていくということです。2年3年で全部完結していくような工事と違って長期に渡る工期で、しかも工事場所が次々に移動していく工事である。しかも工事期間は年間通じて365日あるというわけではなくて、冬場のある時期だけ工事を行うというようなことまで織り込んでとなると、精緻な説得力のある予測を行い評価する手法というのがあれば、さきほどの委員が言われたような意味で言えば、もっと高めに出る可能性があるけれども、今言った別のファクターを入れると、一カ所に集中的に工事がおこなわれる場合と違って、同じ騒音でも、次々にポイントが動いていくわけですから、全体としての評価としては、仕方がないということになる可能性もあるわけです。しかし、そういう配慮がこの予測の中では全くないです。
委員例えば結果のひとつの例として、154頁に分布図まで書かれているが、工事から等距離ごとに帯状になっているだけである。
会長非現実的な予測をしているように見受けられる。
委員どのポイントで、どういう工事が行われるので、そこではこんな機械が何台くらい稼働するであろうという、そういう風なことをもう少し詰めた上で、記述してほしい。
会長つまり、ピーク時に最大稼働時期はどのくらいで、そのぐらいの時にどのぐらいになるというようなことをもっと明らかにして、この数字はそれを示すものであって対応はどう行うという記述はなく、前提抜きで、低騒音型で対応しますと言っている。今の委員のご指摘は、なかなか解が出しにくい問いではあると思うが、発想法としては、定量的に書こうと思いすぎているからこうなるのであって、定性的な記述の中で、今の実情はこうであるから、こういう対応で、これでいいのではないかというような論理をとることもありうる。
委員ただし、河川の工事というのは、あちこちバラバラするのでなく、工期を決めて、ここにも書いてあるように下流部からずっと進めていくということですから、やはり、ある時期に集中して重機が動くことになります。こういう常にというのではなく、集中するから、それは重ねて予測する必要があると思います。
会長要するにこのままの予測であれば、15年間ずっとこの状態でこれを行うのか、どこで何を予測しているのかがわからない。
委員ただし、その工事のところでは,重機が同時に重なって動くので騒音が出るわけですから、やはり鳥などの生物にすごく影響を及ぼすと私は思います。
委員もう一点付け加えますと、152頁にリストアップされているものの中で、いわゆる騒音規制法の対象にあるような機械がもしあるとすると、それは先ほど言った工種ではなく、個別に予測することになります。その場合、おそらくピークで、環境規制値でいうと規制基準85dBというような値でひっかけることになるでしょう。ですから、その2種類を区別してきちんと予測評価してくださいというのが、今の建設作業騒音に対する予測の手法だと思います。今度は道路交通騒音ですが、前から面的評価をやってくださいということでたびたび申し上げていましたが、ようやくやっていただいて、一歩前進であると評価したいが、結果を見ますと、どうやってこれ予測したのかわかりません。例えば415頁の図を見ますと、道路のまわりに等間隔に帯が書いてあって、何を予測したのかが理解に苦しみます。要するに、うっすらと形が見えているのが建物だと思いますが、建物の影響は考慮していないのでしょうか、それとも、どれをひとつの区域と考えて予測しているのでしょうか。せっかくやろうとしているので、やはり的確な、間違っていないやり方でやってほしい。また、本文見ますと、当初はASJモデルで予測しますと書いてあるのですが、途中から環境省マニュアルでやりますと書いてある。環境省マニュアルで行ったのであれば、建物ごとに色が出てくるわけであって、こんな地図は出てきません。ASJでやるとしたら地域ごとの平均値が出てくるので、全部一緒というのは納得しがたい。せっかくこういう一歩前進のことをやろうとしているので、是非きちんとやっていただきたい。
会長はい、わかりました。どこまできちんと回答できるか、問題点を明らかにするようにお願いします。大気はよろしいですか。
委員一箇所、語句がよくわからない点がありますが、140頁の上から3行目ですが、風速が「遅い」というのは、「弱い」でしょうか。何カ所かそういう標記が見られます。
会長道路の沿道周辺を予測しているのですか。一体どこの環境を予測したのかというのが、項目ごとにバラバラなので、書いてあるけども、よくわからないというところがある。面的に汚染を生じる事業ではないので、そもそも大気を予測すべきかどうかという問題もある。他には大気汚染の原因になるようなファクターはなかったですか。
委員大気汚染のファクターで、たぶんトラックのNOxなどもありますが、さほど影響はないと思われます。
会長台数がたいしたことないから、特にとりたてて論ずることは無いという考え方なんでしょう。それでは、騒音関係のところでは、いろいろと予測式の使い方、仕組みについても整理が悪いというご指摘がありますから、次で対応していただくことで、委員会としてはこれでいいと思います。では次に水環境に行きたいと思います。
委員水質のところです。現地観測の結果に基づき推定すると4%強しか、影響がない、つまり、工事による影響はその程度にしかならない、そういう理解でよろしいのですか。
河道の改修があると、河川が直線化することにより出水時に流速が速くなる。そのときに、輸送される粒子の粒度分布は粗い方に寄る。それによる今津湾への影響が、経年的にどの程度になるかということについて、影響が無いということの表現はどこにあるのでしょうか。
工事時に雨が降るという影響をある条件下で算定すると4%しか増えない。それは工事の期間中ということですね。
また、219頁の評価結果に「今津干潟への影響が小さい」と書いてありますが、もう少し科学的な表現であってもいいのではないかと思います。例えば、「工事によって供給された土砂が全て堆積するものではなく潮汐の作用で外海へ流出することも考えられることから影響が小さい」とあるが、定性的にはそうかもしれないが、もし考えられなかったら影響が大きいのか、どの程度堆積するのか、さらにそれでどうなるのかという点に答えた表現にはなっていない。工事は短期間で終わってしまいますから、瞬間値としては、そうかなというようにも思えないでもないですが、工事が終わって、存在そのものの影響がでてくるようにになってきた時に、河道が曲線でゆっくりとしか流れなかったものが、速く流れるようになると、新たな土砂輸送量に今津湾へ負荷が入ってくるようになり、そうすると例えばカブトガニがいる時に細粒、細かい砂のレベルのものが少し多くなってきますと、カブトガニが産卵できなくなってしまいます。これと同じ理由で、大分湾のカブトガニの産卵場が河道を改修した故に無くなり、カブトガニがいなくなってしまった。そういう前例が同じ九州内にありながら、それについての考察あるいは検討はどこに表現されているのか。上流からの土砂輸送量が、最高流速が速くなることにより、どれだけ負荷が変わってくるのか。例えば10年とか15年20年とか経った場合でも大丈夫であるかどうか。改修河道の存在そのものの評価というのが、この中にない。河道の直線化というのは、常にその課題を抱えており、また浸水被害と拡幅というのは、人間側のリスクと生態系への負荷との絡みで全部それが決まっていく。
会長この点についてはどう扱ったらいいでしょうか。方法書の段階でそういうようなことを予測することにはなっていなかったので、難しいことではあるのですが。
委員市の計画であるだけに、やはり個別でなくて一体として扱うべきで、手本を示すべきものだと思います。
委員濁りですが、工事中に掘削工事とか裸地が出来ることにより濁りが出ます。そのことが指摘されており、それに対し沈殿槽のようなものを設けてそこで濁りを取って流すから大丈夫というようなことになっているのですが、粒子の大きいものは比較的簡単に沈殿するものと思いますが、非常に沈殿しにくい粘土分とかシルト分とかいうものは、そんなに簡単に沈殿するのかという点があります。それが付着藻類に薄くでも被ると太陽光線が当たらなくなり、光合成できず死滅するわけですが、付着藻類がオイカワの餌になっているということが生物のところで指摘されており、そのためオイカワがいなくなればそれを餌にしているサギ等の水鳥たちが影響受けることに当然なっていきます。その点、付着藻類も大丈夫、オイカワも餌があるから大丈夫、オイカワがいるから水鳥も大丈夫、となっており、非常にそこに矛盾があります。ですから、濁りを沈殿させる装置というのが、どの程度の能力なのか、ただ溜めるだけのタンクなのか、そこに濾過装置のようなものかあるいは、枝葉がいっぱいつまっているとか砂があってそこを通して濁りがほとんどとれた状態で流されるのか、そのあたりの説明が全然無い。濁りがとれるから大丈夫ということになっているのが、非常に気になります。それともう一点は、通常の小規模の降雨時は、その沈殿槽に全ての水が流し込まれていたとしても、それ以上の大雨の場合は、能力を超えてやはり濁った水がそのまま流れていくということが、当然考えられると思います。その点についてはどうなのか。やはり付着藻類は、一回でもそういう濁った水によって表面を覆われてしまうと、致命的な影響を受けるということがありますので、非常に大事な点だと思います。
会長最後の方でもう一回、そのことに関連して事後調査を取り扱い、事業者がどう考えているのか、準備書の記載事項から必ずしも明瞭でない部分があるので、今の指摘については、指摘として一応事務局にきちんと記録にとどめておいていただいて、いずれにせよここで不確実性があるということは明言しておられるから、その不確実性に関しては、今指摘されたような点も含めた不確実性というのが当然あるはずでしょうから、それを事後調査でどう明白にされるかということと、それとその供用後の存在というところでの流速変化という今の委員からのご指摘の点については、やはり何らかの形で、それに対する見解を示しておいてもらわないといけないでしょう。当然、流速が速くなるから、そこの粒子の大きさについても変化が生ずるだろうということですが、現実にこの河川の流量を、30年に1度の降雨量に対応すると言っていますが、どこまでそういう影響が顕著に現れるか、大きな河川の場合とこういう中小河川の場合には違いがあるかもしれないから、そこはよくきちんと検討して、答えることができるなら答えてください。もしそういうのをまったく考えていません、というのでは話になりませんから、考えた上で、これは問題ないということでしたというのであれば、それはそれで一応答えになりますし、よく考えてみると、それは大きな変化が生じそうですということであれば、追加をして、評価書できちんと評価していただくということになります。水のところまでは、一応それで終わったということにします。次は生物でありますが、動物の話と植物の話とありますので、まず動物の方から先にお願いをしたいと思います。水生動物は、できれば水生動物とそれ以外のものとを区別する方がいいのですが、ご専門の関係もあるでしょうし、全部連動することではありますでしょうから、どこからでも結構ですから、指摘がありましたらお願いします。
委員238頁でメダカ等について載っているわけですが、その生息環境が縮小するおそれがあるという評価になっている。それに対する措置というのは、何も書いてないが、最低何らかの保全対策をやるのが常識という気がします。
会長シロウオに関しては、そちらへ及ぼす影響はないという結論になっている。
委員河川の工事区間が下流の方から順番に上流の方へ向かって進んでいきます。そうしたら、その工事のところで影響が出てくるが、下流は河口までの距離が近いのでそれだけで済むが、下の方が終わって上の方に行くと、例えば濁りが出た場合、一番上流のところの工事が終わるまで、その流域全体の濁りの影響は起こる。だからそのことも考えて、対策をとらないといけない。例えば、周辺の農地を、工事期間中は借地し、川と水田との生物の行き来できるよう確保する。今は、水がパイプラインによる用排水になっていたり、用水工事によって高低差がつき生物が行き来できないという状況があるが、それをきちんと回復して、工事期間中は少なくともそういう生き物たちがそっちの方へ避難し、そこで生き続けて、工事が終わったら、また戻ってくるそういう生態的な配慮をしないと、やはり無理ではないかと思います。それから、堰があるから生物の行き来が無いから、工事による問題は無いということになっているが、新しい河川法が改正されて、従来の治水・利水だけでなく、アメニティとか自然体験とかふれあいとかいうことが重要であることが言われている。新しいアセスもそういうことに配慮しなさいということで、ふれあいとかいろいろあるわけです。ということは、堰があるから行き来が無いから工事による影響がないということでなく、だから、工事を機会に生物が行き来できるような堰にして、そしてそういう生物が行き来できて、それを見て、今は魅力が無くなってしまったから、利用が無いが、散歩とか子供の遊び場が無いとか、後で出てくるわけですが、もう少し回復するようなことにしないと、新しい河川法もアセス法も生きないような気がします。
会長動物の話にもどって進めていきます。
委員方法書では、鳥類は定点調査をするということになっていたが,実際の調査はルートセンサス調査で行われているが、なぜ調査方法を変えたのか。それと、任意観察調査は、夜間も含めて行われているのか。
会長方法書から調査方法が変わったということですが、その理由は何ですか。
受託者方法書と実際行った調査方法が異なるということですが、104頁に調査の方法を記載しております。行った調査は、ルートセンサス調査と任意観察調査を行っており、定点調査は記載しておりません。
委員その理由を聞いているのです。実際方法書記載された内容を行っていないということは、方法書が間違っているのですか。
会長受託者の説明は説明になっていません。方法書で認め、方法書に基づき調査を行うもので、方法書以外のやり方でなぜやるのかの説明がないかぎりは準備書として意味をもちません。方法書は、このようにして調査してと認めて、それで調査を行うもので、その結果、準備書ができるものです。その準備書において、方法書が記載された内容と異なる内容にいたったとなれば、違う方法で行ったという理由が明白ではるかに合理的であるということがわかれば納得できます。なぜ定点調査でないのか合理的な理由を述べてください。そういういいかげんなものでは困る。定点が多くの支持を集めたのが,渡り鳥が多いという現地の状況をふまえてのことであるからだと理解している。しかし、じっとしているよりは歩く方がより多く見つかるのでいいというのはあるだろうが,そんな単純な話しではない。
委員他にも、評価書にフクロウが記載されているが、資料編にはない。資料編にないものが、評価書に記載されています。
委員全体的にみて、瞬間的にその工事場所でのでてくる工事騒音などの問題と全体的な移動ででてくる問題が整理されていないように思われます。特に,15年かかる工事なので、事後の調査の時系列そういうものが、当然表なり年表なりであった方がいいと思います。
会長その点は同じ感想です。15年かかる工事なので、事後調査がきわめて重要である。事業者も覚悟しなければならない。15年かかる工事を、2002年に調査して、2003年にアセスの準備書を審査して、それで15年間は何もしないで最初の予測どおりということはありえない。およそこの事業は、福岡市では自然が豊かに残された川で、福岡市の事業として15年間かけて行うわけであるから、まじめにアセスメントをやらないと意味がないし、アセスメントをやる以上、いわゆる事後調査は、単なるモニタリングでなく、その調査結果によっては、事業の一部の修正をするとか、方法を変えるとか、そういうことを含むかなりダイナミックな事業計画の見直しにつながるような事後調査でなければいけないものである。
それでは、動物については、欠席委員から水生動物について主に書かれておりますが、陸生の動物についても意見がでておりまして、イシガメについてのご指摘が出ていますから、この点は十分に意見書の中で書かれており、自分もそうであると感じますが、委員の方々はどう思われますか。いまのままであれば、先生の意見はごもっともな意見となりますが、パーツはいいが、パーツをつなぎ合わせていくと、おかしくなる、生態系の議論というのは、パーツを寄せ集めて、全体総合でながめる議論で、現実に生態系と言うところででてくる話は、パーツの議論の寄せ集めの上の総合評価というのだが、どうも少しわからないところがある。生態系は、専門家が多くいらっしゃいますので、お話をお聞きしたいのですが、358頁まで一気にご意見を伺いますので、どこからでもいいですから、不明点等あれば、委員のみなさんご意見ください。
委員イシガメと同時に、ヘビなどの冬眠するは虫類で、10月から3月に工事をするとなれば、冬眠中のイシガメやヘビはどうなるんだろうという心配があります。この準備書では、問題ないとなっているが、冬眠中なので逃げようがない。
委員河川の横断のところでいえば、324頁にあって、326、327頁と断面図がありますが、表中名と断面図の右岸左岸の対応が悪いと思います。324頁の表5-2-40の項目の並びも左岸・河道・右岸となっている方がわかりやすいと思いますし、表の項目の並びに対応して断面図も右岸左岸としている方がわかりやすい。断面5でいえば、表中には右岸にセイダカアワダチソウ群落があるが、断面5の右岸にはセイダカアワダチソウがみられず、左岸にみられる。11も同様であるが、注意して書かれた方がいいと思います。植生の群落名ですので、かならず書かれるはずである。断面も模式図なので、そこにかならずはいってくるべきである。343頁の生態系の構造ですが、食物連鎖をそのまま書かれたのではないようですが、その次ページの食物連鎖模式図では、デトリタスを動物プランクトンが食べているので、矢印が横向きにでるはずで、前頁の図5-2-15で、一番下にデトリタスがあることは、印象が悪いです。藻類が食物連鎖の最下位にあるべきで、生態系構造というタイトルである以上、落ち着きがわるいです。一番最初の注意するところは、方法書で福岡市の注意すべき種があり、フクドははいっていなかったけれども、実際は、県の絶滅危惧2類になっており、ここにあげられているが、下流のところや瑞梅寺川の河口の砂質のところにフクドがあるが、当初から水質のことが話題になっていたが、細粒の多い土砂が流れた時に、その生息環境がどうなるのかがよくわからない。直接なくなる植物は移植しますと言っているが、どこに移すのかが心配である。生物のことはいろいろと問題になっているが、供給される土砂の質がかわるということについては、少し触れるべきである。この河口にある塩湿地植物のところについても触れるべきである。生物の貝類のところで、書き方を改善した方がいいというのは、「両種の個体数減少は水質汚濁、特に生活排水に起因するものであり、上流域の下水道整備が望まれる。以上のことから、本事業が及ぼす影響がないものと考えられる」とある。ここは少し書き方を考えないと嫌な感じがします。他のところで減っているのだから、この工事はいいという感じがする。なおさら配慮しないといけないということだと思いますが、表現がよくない。
会長供給される土砂の性質の変化によっては、もっと考慮しなければならない。
委員生態系構造の捉え方の表現は、全体をながめてほしい。
会長動物との関係でも、代表種とか上位種とかあるが、生態系全体をとらえるのにこが一番いいからということから代表種、上位種をあげているが、その上位種が大丈夫生きているからそれで生態系は大丈夫であると言っているが、上位種をあげることへの意味が分かってなく、その種を守ることが生態系を守ることであると誤解している。生態系の下の方の根っこの構造のところで、底生生物は死滅しますとある。死滅すれば当然影響があるはずなのに、上位種の一番上のところは、いや大丈夫生きていますでは、ストーリーが奇異な感じである。
委員上位の種を守るということであれば、どんな手段だってとれば守れますが、そういう意味ではないです。
委員351頁の断面図で、現況の植生があり、外来種のセイダカアワダチソウもあるが、カラムシなどの在来植物群落があり、コオロギなどの生物が棲み、景観的には大変すばらしいところであるが、工事によってなくなるわけです。盛り土の部分の土地は、市が農地を買って、市有地と確保されて、この盛り土部分に消えていく在来の群落が復元されて、ここに、食物ピラミッドの上位種にいたるものが復元されるものか確かめたい。
委員これに関連して349頁で、すべてが改変され失われていくとありますが、河口の方は植裁工となっておりますが、普通はほっとけば生えてくると思うんですけど、壊滅して自然にはまったく期待できないものなのでしょうか。植裁工なら、またとんでもないものを植えるイメージがありますが、それではないですね。
事務局消滅するということは、今あるものがなくなってしまうということで、あたらしく作る法面には、今あるものを全種類ということではないですが、在来種を植裁する計画となっております。
委員373頁の上の現況は、現在非常に多様性に富んだところでいろんな生物、動植物が棲んでいると思いますが、景観的も都市化がすすんでいるなかで、本当にほっとするような原風景です。それが将来的には、こんな無生物的なものになる。なんでこんなことになるのか。そっとしてほしい。川幅もそんなにかわらないし。こんなことしたら、子供達は、ますます切れやすくなるのではないかと思う。種の多様性は壊されていく。人間の心も壊されていく。372頁では、現況は同じ幅で単調ですけれども、いろんな在来種も生えていて、いろんな生物が行き来し、生きていると思うが、将来はたしかに川幅は広がってはいるが、澪筋の幅は単調で生えている植物も単調で牧草みたい、非常に心配になってくる。352頁353頁の断面のような今生えている在来種が消えるわけです。ミティデーションとして、この盛り土のところに復元されるのかと、片岸ずつ施工して、一方側ではかならず生きていてもう一方側では完成して生態が復元したらもう片岸に工事を移す。血の通った配慮されるのか、それからストックヤードに埋土種子が含まれた表土が、ストックされて工事が終わって戻されるということであるが、盛る高さがどの位であるか、これが3~4メートルとなると、そこに有機物が分解されメタンガスが発生され、いろんなことで、微生物や埋土種子が死滅するわけで、できれば50センチメートル程度の高さ、最大でも1メートルの高さでストックヤードで保存しなければいけない。その点のことがまったく触れられていないということが非常に気になる。
委員373頁のところでは、その意見に賛成ですが、これは工法的にこういうものしか取れないかなと思うのですが、別の工法がありうるのかなと気がします。
会長触れ合い活動はどうですか。
委員現在、触れ合い活動がないからと言って、一度コンクリート護岸にして直線化して魅力のないものにしてしまった経緯があるわけですから、新しい河川法の理念にそった、より豊かな、親しみ深いものに、触れ合いがあるものに、この工事を機会に改善するという理念を入れてほしいと思う。

廃棄物の土砂の量とか利用する量とか算出されているが、この根拠となるデータのどう持ってこられたか、表記がないので、これを信用するしかないところがあります。すべて環境への影響は事業者が認定した適正な再利用施設あるいは再利用施設へ搬出するので、環境への影響は少ないとの文言がありますが、事業者が認定したところなので非常にあいまいでこれでいいのかという気になりました。たとえば残土はどれくらい出るとか、見積もるときの調査するときの実質的データ、過去の情報解析など提示してほしい。
会長今の疑問はもっともな疑問で、残土の算定根拠について、事業者なりアセスを担当した事務局なりお答えいただきたい。この原単位とは、当然書いているので、根拠はあるのでしょう。
事業者発生原単位は、標準断面図からの切り土面積と盛り土面積から算出しており、残土量は切土量と盛土量の差し引きを行うことにより算出しています。
委員計算はわかりますが、発生土にも当然使えるものと使えないものがあり、そのあたりで、十分使えるものを確保しての数字であるか。
事業者現在の発生量では、ご指摘どおり、すべての発生土が盛り土に使用できるかということはあります。しかし、実際の工事においては、掘削により発生した良質の土を使用するようにしています。
会長アセスは、ある程度わからない状態で行うので、やむを得ないとしても、基準にしたがって行うという回答は、愛想がないというのはご指摘どおりです。最大の問題は、当初から質問があった井堰をどうするのかという話です。その井堰は、基本的に残すということを前提にすべて予測評価しているという理解でいいですか。一箇所だけ撤去する前提でいいですか。
事業者原則としては、井堰の統廃合は、農業用水として利水関係者との調整となります。
会長井堰は、保全措置を考えるときに重要な要素でないか。井堰をなくすことによって、土砂の流入が促進される可能性があるから、その点は多少河口部にたいする影響という危惧の念がないわけでもない。しかし、今は井堰があるので、流出がおさえられているかもしれない。周船寺川そのものだけでいうと、それがどのくらいの寄与度があるのか見た上で、井堰をなくしたその点が問題を起こすという要素があるが、少なくとも生き物の生息の場と考えると、ある種の生き物にとっては、このままの方がいいというのもあれば、かなりの種によっては、生息場が広がってよくなるということがあるかもしれない。今後の事後調査のなりゆきによっては、井堰を統廃合したり改善したりすることが、保全措置として有効となる可能性があるかもしれない。そういうことをきちんと考えて、それをきっちり視野の中に入れること、それを考えなければいけない。政策の方向としては、どういう効用があるのかよく見て、それが十分に環境保全上の効用があると考えらるのであれば、十分に考えるべきではないか。そもそも川幅を広げるわけですから、いまのままの井堰をそのまま残すわけではなく、井堰も広がる。事後調査をやることは書いてあるし、あちこち不確実性があることは率直に書かれている。不確実性があることを書いていることは、評価できる。いままでにない書きぶりですから。しかし工事を15年もかけるのですから、事後調査を行うというのは当たり前のことです。そして15年もかけて事業を行うのであれば、事後調査をどう活かすかについて、もう一歩踏み出して、環境影響評価書をつくらなければ、通用しません。15年かけて事業をやることからくる不確実性をもっと正面に出す。だから、事後調査のもっている意味は単なるモニタリング以上の意味がある。その事後調査の結果、不確実だからと書いている部分については、事後調査の結果こうしますと書かなければ、アセス法が言っている事後調査をしていることにならない。
委員景観ですが、今回、標準項目にはない日常景観が行われており評価しています。
委員それから日常景観について関連することですが、自然景観資源にあげられている部分が海岸線だけです。この瑞梅寺川の沿線は、隣接するすばらしい田園景観、自然景観と思う。田園地域、干潟の景観、山は目にはいってくるが重要な自然景観、日常景観になっている。これがなぜ、はいっていないのか理解に苦しむ。長浜海岸は、かえって見えない。福岡市にとって、山と田園の景観をぜひいれていただきたいと思います。
会長評価軸の問題であるから、どういう評価軸をもってやるかである。今新たに、里地環境保全を強く言われている状況の中では、在来の自然公園法にもとづく保護地域という感覚だけでものを考える必要はかならずしもなく、もっと自由にかんがえていいという指摘は事実ありうると思います。それから、他の法令による地域指定の影響といった点も検討されてよいのではないか。農振地域として指定されているといった事情は考慮されるべきではないか。
委員最近の新聞にも出ていましたが、農業委員会のチェック機能が効いていなくて、どんどん市街化が進んで、土地の転用が進んでいるということが日本の実態である。それは農振に指定されているからといって安心できない現実があります。だからこそ、この方法書にこの意味をいれていただきたい。
委員生態系の予測結果で、「河口部の左岸には、生物の生息環境として重要なワンド状になった約0.2ヘクタールのヨシ原群落があり、工事計画によると事業実施後もヨシ原群落の一部が残存する。」つまり、大半がなくなっている。それで、296頁を見ると、なくなるワンドとは、この緑の部分だと思うが、どの程度なくなるかわからないので、その前の5頁を見ると、平面計画図では、何となく削られるところが見えて、川の水の流れでいくと、ストレートの部分だけがきいてくるので、この緑の部分のところは実は削る必要はないのではないかと見えてくる。しかも工事して、前のところを出して、生態系を守るためには、もう少しやわらかな土木的発想でやってもいいのではないか。そういう意味で、ミティゲーションのイメージがあって、回復できるのであれば、そういうものを積極的に売りにすればいい。マイナスが少ない少ないという表現ばかりして、そのためここでプラスに転じるというそういう表現がほしい。プラスに転じるというのは、河口の断面のところは、今直立で切ってしまっているのを今度ゆるやかなカーブでやる、そうするとそういうところに、汽水域の生物が帰ってくる可能性があるとか、もう少し夢を書いてほしい。残念である。この設計をもっと工夫すれば、もっともっと高得点となるのに。
会長どうもこれは、50点台だな。50点に至ってないか。
委員新西部水処理センターができれば、規模とかによるが、淡水がかなりでてきますね。
委員鳥の方ですが、鳥の干渉距離がでています。こういう調査はあまりされていないので、一般的であるかどうかは、これだけではわからないので、これはいいことなので、きちんと、どういう結果から干渉距離がでているのか、くわしく書いてこの情報をもっとほかでも使えるように、ここに詳しく載せた方がよい。ほかのところでも、使えると思うし、こういう情報があれば、いろいろ検討できるので、この辺の情報をもっと詳しい形で載せたほうがよい。これは、こういう載せた点はいいことだと思う。
会長今日はひとあたりご意見いただいた。さきほどの定点観測をルートセンサスに変えたということは、その理由の説明をいただきたいということでありますので、少なくとも説明をいただいて、その結果、私が見まして、十分に了解できる説明であれば、みなさんのご意見をもとに、審査会としての意見書をまとめるということにします。もし、どうも納得できないということであれば、事務局を通じて、再度、もっとそれについて、専門の先生のご意見を伺いながら、意見書にさせていただきます。さらにどうしても必要であれば、もう一度審査会を開きます。いまのところ、だいたいはみなさんのご意見をいただけたと思いますので、準備書のもっている問題点とか、準備書に対して審査会としてどこまで意見を言うのかだいたい会長として腹づもりはできました。そこで、いかがでしょうか、私にこのあとについては、ご一任いただけないでしょうか。必要ならばもう一回審査会を開きますが、おそらくさっきの方法書との違いについては、ちゃんとした説明をいただけると思いますので、結果はそれだけでも切り離しても委員にはお知らせするようにします。どういう形にして審査会の意見を言うかは、若干時間をとらせていただいたうえで、まとめて、みなさんにのちほど、会長としてのとりまとめの案をお送りいたしますから、ご意見をいただいてさらに検討する。それについての特にもう一度会議を開く必要性がないということであれば、最終的に、もちまわりでみなさんの意見をとりまとめたものを、審査会の意見として取りまとめたいし、どうしても意見がいろいろあってもう一度集まって議論した方がよいということであれば、再度ご希望を出してください。準備書に対する意見とは、それをもとに最後の評価書をつくっていただくということになっていくわけですから。審査会の意見について、行政判断として市長が意見書とする。審査会としてどうだと言うことをまとめて市長に報告します。それに基づいてもう一回評価書の手続きがありますので、そこでどこまで対応できるかを考えていただくということとなるかと思います。いずれにしろ、今日の審査会の発言の中から、かなり足りない点があるというご意見が多いようですし、市の直営事業でありますから、十分に留意していただきたい。それでは、今後の取り扱いは、会長にご一任することでよろしければ、本日はこれで会を閉じたいと思います。