市長
こんにちは。よろしくお願いします。
記者
よろしくお願いいたします。
では、市長のほうから発表案件の説明をお願いいたします。
市長
はい、分かりました。よろしくお願いします。12月になりました。
まずは、今月のアートからご紹介しましょう。今月のアートはこちらになります。もう見るからに、ちょっと「もう冬が」っていうようなイメージですね。何となく、今年の12月の状況を見ると、福岡市でこれというのは、ちょっと冬すぎるかなというイメージですが、これ実は福岡市の12月に撮った写真なんですね。これは2016年ですから、8年前の12月に福岡市で、大濠公園で撮った写真でございます。
加藤玄彰(かとう げんしょう)さんの作品でございます。1954年生まれ、福岡市在住のフォトグラファーということでございますね。Fukuoka Wall Art Project 2024で優秀賞を受賞されている方の作品でございます。「鵜の叫び」ということで、上を向いてね、鵜が何と言っているのか、知りませんけども、叫ぶということで。
私は、これからこれを見て、何となく、これから寒くなるなというようなものを感じさせるんですけれども、見方によってはですね、冬が来るから春が来るというようなことにも見える人もいるかもしれませんけども、12月はこのような加藤さんの作品です。「鵜の叫び」。一応、公式的に美術館的なコメントを言うとですね、しんしんと雪が降る中、池に打たれた杭の上にカワウの群れが留まって身を丸くしている。そのうちの一羽が天を仰ぎ、嘴(くちばし)を大きく開けている。まるで「春よ来い!」と叫んでいるかのような瞬間です、というようなものですけどもね。
これ、雪の一つ一つが点描のように画面全体を覆っていて、一瞬の情景をドラマチックに写していて、厳しい冬の到来を感じさせる作品となっております。今月の作品ということで、この会見室の、それから、この加藤さんの作品をですね、特別応接室等にも飾っておきたいと思っております。
市長
では、今日の発表案件にいきたいと思います。
福岡城の天守閣が存在をする、そんな後押しになるようなですね、新しい資料が発見されました。ちょっともう一回、言っていいですか。ちょっと…
行きます。福岡城の天守の存在は後押しする…、ちょっと待って、いかんな、ちょっとごめんなさい。ちょっともう一回ね、もとい。
福岡城の天守の存在を後押しするような新しい資料が発見されました。【フリップ】それがですね、こちら映っているものなんですけれども、福岡城の天守についてはですね、商工会議所の懇談会におきます議論、それから議会での質問、それからライトアップのイベントなどを通して、大変、今、関心が高まっている状況にございますけれども、これまでも福岡城に関する資料の収集ですとか、調査を行ってきたんですが、この度、福岡教育大学にある資料の中から、天守が存在したという学説を補強する新たな資料が発見をされたということで、今日は博物館の総館長に同席をしてもらって、専門的な見地から説明をしていただきたいと思っております。
では、よろしくお願いします。
福岡市博物館総館長
失礼いたします。博物館総館長の中野でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料に沿ってご説明いたします。その前にですね、この間の福岡城天守に関わる議論の状況について簡単に整理というか、おさらいをさせていただきたいと思います。
福岡城の天守については、黒田家、福岡藩の公式の記録にも残っておりませんので、これまで長い間、存在しなかったものと考えられてきました。ところがですね、三十数年前になりますか、昭和50年代の後半頃から、福岡城天守の解体について述べた、お隣の熊本の細川家の資料なんかが発見されまして、こういったことを受けて、活発な議論が行われているところでございます。
その中で、これまでなかったとされてきた福岡城の天守閣があったんだ、というような意見も多く述べられてきているようになりました。近年では、福岡城の天守の欄干(らんかん)ですね、あの欄干、そこが腐ったという黒田長政の書状なんかも発見されておりまして、天守存在の学説が補強されているというのが現状だと認識しております。
そうした状況を踏まえまして、お手元の資料に沿って、ご説明をさせていただきます。
まず、1枚目をご覧ください。福岡市博物館では、これまでも福岡城に関する資料の調査とか、収集とかを行ってきているところですけれども、これまでですね、既に行ってきた調査資料をですね、今、市長からお話がありましたように、市民の関心も高いことですので、天守というのをキーワードにして、これまで集めてきた資料から、館にある資料なんかの再精査を今、行っているところです。その過程で、以前、調査を行っていた宗像市の福岡教育大学にある資料の中から、天守の建設及び福岡城の石垣に関する記述のある資料が新たにというか、再発見されました。
この書状はですね、この分が抜き出しになりますけれども、1640年から50年、手紙を書いた人と、もらった人の状況から、その辺に絞り込むことができるんですけれども、1640年から50年頃に、黒田家の家臣である梶原正兵衛という人物が毛利甚兵衛という人物に宛てた書状になります。手紙をもらったというか、返事をもらった毛利甚兵衛というのは、黒田節で有名な母里太兵衛(ぼりたへえ)の子孫、孫にあたる人物であります。ということで、ちょっと世代は少し下がるんですけれども、黒田家が筑前に入国して、そんなに時間の経っていない頃の事柄が書かれているものだと考えております。
手紙のやり取りをした両名は、梶原と毛利はともにですね、本人じゃないんですけども、父親か、ないしはおじいさん、祖父の世代が、黒田藩の初代藩主である黒田長政と同時代を生きた人物で、何度も言いますけど、世代はちょっと下がるんですけれども、そこに記された内容は、福岡城の築城を直接体験した父親とか、祖父の世代から伝えられた情報であろうと考えることができます。そういった意味で、記述の内容というのも第三者が書いたわけではないので、かなり近しい人物による手紙ですので、非常に信憑性も高いのではないかと考えているところです。
また、そこに記されている石垣の状況についても、現在、残っている石垣の外見の状況とですね、あまり矛盾がございませんので、齟齬もございませんので、そういった意味でも正確な内容ではないかと考えているところです。
冒頭申しましたように、黒田節で有名な母里太兵衛の子孫というですね、大名黒田家にかなり近い立場の家臣の家に残されたという、伝承と言いますけども、一応、疑いが低いというですね、そういう伝承の確かさもありますし、同時代ではないにしろ、かなり存在した、築城された、ないしは天守が存在したと考える時代から、あまり時代が下っていない時期の黒田家の家臣たちが、少なくとも天守は建てられた、ないしは天守が存在したということを認識していた。その段階では既にないので、あえて認識という言葉を使わせていただきますけども、認識していたことが分かります。
新たな資料の発見という点で、非常に学術的な価値も高いものだと考えておりますし、福岡城に天守が存在したという学説を、さらに補強する貴重な資料の発見ではないかと思います。
具体的に何が書いてあるかということなんですが、ちょっとこれ専門性になりますので、少し難しいかもしれませんけど、2枚目をご覧ください。実際の書状はですね、四、五十センチの長さで、箇条書きで七つ箇条書きがあるんですけども、その最後の箇条書きがこの部分になります。ここにある写真があって、資料をこのまま読んでくれとなると、古文書講座になりますから、右側に読み下し、それから、その下に解説を入れておりますので、一般の方にも分かるような内容に仕上げているつもりです。
現代語訳ありますけれども、ここに書いてありますことは、まず福岡城の石垣がですね、名島城、黒田が入ってくる前に筑前の大名であった小早川隆景、秀秋、この両名が(居城とした)名島城の石材を利用しているということがまず書かれてあります。ただしですね、当時、穴生(あのう)と言いますけども、これは石積みの専門家ですね、職工集団というか、プロフェッショナルですけども、当時ですね、福岡城を建てた当初、黒田家にはどうも、この石積みのプロフェッショナルがいなかったようでして、素人築きとありますけども、その通りですね、プロがいなかったので、あまり上手に積んでいなかったようです、どうも石垣を。それで、「天守御立被成候故」と、もう明確に、そういう石垣が不十分なところに天守を建ててしまったので、石垣がぬるくなってしまったということが書いてあります。
ぬるいというのは、いろいろな考え方あるんですけど、今のところ、勾配が緩やかですね、熊本城みたいなシュっとした感じじゃなくて、もっとどよんとした感じ。角度で言うと60度。
事務局(経済観光文化局)
50度から60度。
福岡市博物館総館長
50度から60度だと言われています。ほかのところは、どうも70度から80度。もっと屹立(きつりつ)した感じがあるんですけども、天守台はそんな感じで、確かにぬるいというイメージが残っています。
その後、そこに名前は出ていますけども、小河(おごう)という二人の、おそらくこれが、穴生だと思いますけども、プロフェッショナル集団を黒田家で抱えまして、そのほかのところの石垣は、栗石(ぐりいし)と言いますけども、石垣の外から見えない、中に入っているやつで、ちっちゃい石ですけど、あれを能古島から調達し、それから石垣の隙間に入れていく割石というのは、博多湾岸の唐泊から採ったのを用いましたというのが、この資料の中に出てくる内容でございます。
以上が、今回、新発見というか、再発見というか、された資料の説明でございます。
福岡市博物館では、今後とも福岡城に関する調査を進めながら、より多くの情報を収集して、このような形で公開していきたいと考えているところでございます。
説明は以上となります。すみません。あがっておりますので。
市長
いえいえ。総館長がせっかく来ていただきましたので、皆さんから質問をお受けしたいと思いますので、どうぞ。
記者
すみません。この文書の意味がちょっとよく分からないんですけど、石垣がぬるくなったの、あとのところなんですが、小河長右衛門をお抱えになり、これは石垣を築き直したっていう記載?
福岡市博物館総館長
いや、そうじゃないと思います。本丸以外の二の丸とか、三の丸、今、残っているところは、このプロフェッショナルの小河らが指導して建てたんだということになっています。
記者
本丸に関しては素人築き?
福岡市博物館総館長
現状が現状のまま、その当時のままだとすると…
事務局(経済観光文化局)
天守台ですね。天守台が、そういう評価をされていたということになっております。
福岡市博物館総館長
ちょっと分かりにくくなりますけど。
記者
ありがとうございます。
市長
ほかにどうでしょう。はい、どうぞ。
記者
FBSの鬼丸と申します。
福岡市博物館総館長
よろしくお願いします。
記者
資料の評価をされたのは、一応、確認なんですけど、福岡教育大学でよろしいでしょうか。
福岡市博物館総館長
評価ですか。
記者
どちらが、はい。ここの評価をしているのは…
福岡市博物館総館長
評価は博物館。
記者
博物館がされたという認識で。
福岡市博物館総館長
はい、そうです。はい。
記者
分かりました。この新たな資料が発見されたのは、具体的にいつかって分かりますか。今年なんですか。
福岡市博物館総館長
調査自体は、いつでしたっけ。2018年か。ごめんなさい。
事務局(経済観光文化局)
平成30年、2018年にいったん行いまして、その後、天守という言葉をキーワードに再精査をしたのが、今年度ということになります。
福岡市博物館総館長
すみません。
記者
先ほど欄干のお話もあったんですけれども、あらためて、この存在を示すような資料が、これまでどんなものがあったか、教えていただけますか。
福岡市博物館総館長
冒頭申しましたけど、細川家資料の中に、天守をほどいて、黒田家がですね、大坂城の手伝普請(てつだいぶしん)といって、幕府の命令で大坂城をつくる命令を受けるんですけども、どうもなかなか能率的に上がらなかったようで、締め切りまでに間に合わない状況があって、そのときに福岡にある石材とか建物を解体して、大坂に運んで期限に間に合わせようという資料が出てくるんですね。それが今回というか、今に至る天守閣問題の引き金になった資料なんですけども、そんな形で、あるから壊すんだと思いますけど、壊すという資料とか、あとは柱を建てるという資料は出てきていたんですけども、実際に今回ご紹介しておりますように、天守をお建てになると、天守を建てるというふうな表現をしている資料は、これまで存在しなかった資料になります。
石垣だったら、動詞は「築く(つく)」っていうんですね、「築く(きずく)」という字を書いて「築く(つく)」。天守閣は建物ですので、「築く」とは言わないので、建てると言っているから、天守といって、それは天守台のことだろうという学説も存在するので、それだったら天守を「築く(つく)」という言い方になるんですけども、これは「建てる」と言っていますので、石垣ではなくて、建造物だと理解というか、認識している次第です。そういう意味では、非常に貴重だと思います。
記者
ありがとうございます。
福岡市博物館総館長
ありがとうございます。
市長
ほかに。はい、どうぞ。
記者
すみません、読売新聞の原です。よろしくお願いいたします。
福岡市博物館総館長
よろしくお願いします。
記者
この書状のですね、梶原正兵衛さんと毛利甚兵衛さん、この二人って、このやり取りしていた当時はどういう立場にある人というか。
福岡市博物館総館長
憶測を交えることになりますけれども、母里太兵衛の家というのは、かなり早く、島原の乱が終わったあとに福岡を出て行くんですね。それがいろいろあって、もう一回、福岡に戻ってこいよということで、戻ってくるんですけども、どうも戻ってきたのですが、自分の父親、おじいさんが黒田家とちょっと仲悪くて出て行っているもんですから、どうも、毛利家の伝承というか、いろんな言い伝えとかが毛利家にどうもなかったみたいなんですね。でも、おそらく、梶原の身分はちょっとよく分かんないんですけど、さほど高い家臣ではないんですけども、どうも昔のことを知っているであろう人たちに手紙を書いて、自分のじいさんとか、お父さんが福岡藩でどういう仕事をしたのかというのを、どうもそういう事績をですね、まとめているんじゃないかなと思います。そういう意味で、あれはどうだった、これはどうだったということを毛利家の子孫が聞いて、それを知っている人が答えているという、そんな感じじゃないかと思っています。
まだ、ちょっとバックグラウンドまで精査するところに至っていませんので、憶測になりますけど、今のところそんな形で考えているところです。
記者
あとですね、すみません、先ほど途中だったんですけど、今年度、再評価していく中で、大体何月頃、この記述を見つけて、再発見されたって言ったらいいんでしょう。
事務局(経済観光文化局)
今年度9月になります。
記者
分かりました。それから、これ、福岡教育大の収集資料になるんですか。
福岡市博物館総館長
福岡教育大にいらした、波多野先生という方がお集めになった資料で、ただ、まだ未整理資料なんですよね。私どもも、ちょっと整理に関わったので、事前にというか、一般公開に先立ってこのような形で紹介させていただいておりますけども、古文書資料というのは、ほかの歴史でもそうなんですけど、全体が分からないと、なかなか公開というのはできませんので、今回はちょっと福岡市民の関心も高いということで、特に教育大学のほうのご理解を得て、こんな形で報告させていただいていますけども、ちょっと、あとは事務局のほうからかな。今後いろいろあった場合ですね。
事務局(経済観光文化局)
そうですね。まず、この資料につきましては、先ほど総館長申しましたようにですね、今、整理がまだ終わっていないということで、公開はしていない状況になります。ですので、お問い合わせ等はですね、我々、当館のほうにお寄せいただければと思いますし、写真等の提供は当館からさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
記者
確認なんですけど、今、所有権というか、持っていらっしゃるのは福岡教育大学さんということなんでしょうか。
事務局(経済観光文化局)
福岡教育大学にある資料ですね。
記者
この波多野先生というのは、そこの先生だった。
事務局(経済観光文化局)
先生だった。もうお亡くなりになられて、はい、先生です。
記者
ありがとうございました。
福岡市博物館総館長
よろしいですか。
記者
すみません。西日本新聞の前田です。よろしくお願いします。
福岡市博物館 中野総館長
よろしくお願いします。
記者
ちょっと不勉強で申し訳ないんですけれども、「天守をお建てになったので」という、この天守は、いわゆる大天守、中天守、小天守、あると思うんですけれど、どれに当たると思いますか。
福岡市博物館総館長
それは書いていないから分かりませんけども、こういう書き方をするときは大天守だというふうに、ほかのことはあまり想定していませんね。大がなければ中も小もないわけなので、大天守、小天守、中天守というか、ちょっとなんかロジカル的におかしい感じがするので、こういう言い方しているときは天守だと思います。
ただ、この間のいろんな調査で分かったんですけども、当時の資料ではですね、普通の櫓(やぐら)も天守って言っているんですね、どうも。というところもあって、なかなか一発で、これでっていうところにはいかないんですけども、ただ、この場合は、資料として特出しされているので、普通の櫓とかじゃなくて、やっぱり天守台にある、普通の皆さんがイメージをされる天守だろうと思っているところです。
ただ、いろいろ含みがあるというか、当時の資料を読むのは結構大変なんですけどね、櫓のことを天守と言っている記述もあるので、なかなか難しいところではあります。ちょっとお答えになるかどうか分かりませんけども。
記者
分かりました。ありがとうございます。
記者
読売新聞の林と申します。よろしくお願いします。
基本的には、無かったっていう説もあって、あったけど壊されたという説もあって、今回はあったけれども、存在していたけど、そのあと壊されたというのを補強する説という認識でいいんですか。
福岡市博物館総館長
そうでしょうね。現実として、このあと幕府に提出した1646年に描かれた「正保城絵図(しょうほうしろえず)」という、幕府が全国のお城を調査して絵図を出させるやつがあるんですけども、その「正保城絵図」というのには載っていませんので、天守閣の存在はありませんので、少なくとも1646年の段階では無いわけですね。ここではあったと、建てたと書いてあるので、一度建てたものを壊したという考え方が、一番蓋然性は高いのかなというのが今のところです。
記者
福岡教育大の収集資料というのは、ほかにも、この二人のやり取りとかが残っていたりするんでしょうか。
事務局(経済観光文化局)
今のところこれだけですけども、今後、今、館のほうからも説明ありましたように、まだ完全な調査が終わっている調査ではございませんので、これに限らず、この資料も実はそうなんですけども、天守という気持ちで資料を見ないと、資料って向こうから来ないんですね。要するに、ぼーっと見ていても見逃すわけで、今度こんな形で天守というキーワードをかなり頭に叩き込んで、いろんな資料見ておりますから、これに限らず、新たな資料がこんな形で発見というか、再発見というか、再発というか、ちょっと表現はあれですけども、そんな形で見つかっていくであろう可能性は高いと思っております。
記者
ありがとうございます。
市長
天守が無かったという資料は?
福岡市博物館総館長
えーとですね、300年ぐらい無かったことになっている資料ですので、やっぱり無かったことの証明というのは、悪魔の証明といいますから、無いですね。今、申し上げましたように、幕府に提出したようなオフィシャルな地図の中には天守台の部分しかないので、無かっただろうということは確かですし、ある段階から無かったのは、これは事実であります。
市長
無かった資料はあるんですか。
福岡市博物館総館長
無かった資料は、だから無いですね。無かった資料が無い。書いていないから、無いだろうという判断が働くわけですね。
記者
毎日新聞の竹林です。
事務局(経済観光文化局)
はい、よろしくお願いします。
記者
これまでの細川家資料とかも、全て伝聞で書かれていたっていうところが一つあったと思うんです。本人が見たんじゃなくて、「という噂を聞いた」みたいなくだり。
福岡市博物館 中野総館長
おっしゃる通りですね。
記者
今回も自分のお父さん、おじいちゃんから聞いたという点では伝聞というのは同じだと思うんですけど、これまでの資料と違って、今回の資料が、なんでしょう、あったことを補強する有力な資料というのは、やっぱり親族から聞いているというところが。
福岡市博物館総館長
そうですね。大名の黒田家にかなり近しいところから情報が発信されているというところですね。
ご承知かどうかあれですけども、江戸時代頭にはですね、黒田家と細川家って、とても仲が悪いんですね。こういうところで表現するのも憚(はばか)られるような、口汚い罵り合いをしていて、細川家の資料というのは、結構黒田家に対する悪意がありまして、先ほど紹介したやつもそうなんですけど、要するに自分たちの手間が悪くてバタバタしてしまった結果、天守閣まで潰して、幕府の覚えをめでたくしようとしているんだぞみたいな、ちょっとやや嘲笑するような感じの資料もありますので、そういう悪意とか、そういったものが入り込む余地が、今回の、おっしゃるように伝聞は伝聞なんですけども、そういったいろんな価値観が入り込む余地がないと考えていますので、おっしゃるように、世代間の伝聞資料ではあるんですけども、悪意は感じられないので、その点で書いてあるものは大丈夫かなと思っています。
ちなみに、この資料は実物で、後年の写しとかではありませんので、それは古文書の封式の仕方、封の仕方なんかから確認されるやつで、ちょっとなんか頼りない字ではあるんですけども、正文というか、当時のものであることは確実なので、そういった意味でも信憑性は高いのかなと思っています。
記者
今後なんですけれども、再精査が始まって、今後もまた再精査する資料は残っている状況なのか。どういうスケジュール感で今、進んでいるんでしょうでしょうか。
福岡市博物館総館長
資料は無尽蔵にありますので、今は手元にとか、博物館に現物の形、あるいはこんな形で写真のような形で残っているのもございますけども、今後はですね、黒田家の家老を中心とした上級家臣の日記、それから、全国各地に残っております黒田如水から長政、その子の忠政(のちの忠之)、おそらく福岡城の天守閣が仮にあったとすると、それを実際に見たような世代の黒田の如水、長政、忠之、そこらあたりがいろいろ各地の大名とか、幕府の老中とかに手紙を出したりしていますので、そういったところがまだ検討が不十分ですので、そういったものをやっていきたいと思っていますし。
あとは、絵図ですね。福岡城の絵図、かなり古い絵図とか、設計図みたいなやつですね、指図とか、そういったものが見つからないかなということで、博物館としても、今後、一生懸命調査を進めていこうと思っているところでございます。
記者
福岡市博物館が行う調査は、今年度ということではなく、ずっとこれからも…。
福岡市博物館総館長
それは私が答える…。
事務局(経済観光文化局)
今年度から引き続きですね、しっかり調査をしていきたいと思っております。
福岡市博物館総館長
今年度で終わりじゃないということですね。
事務局(経済観光文化局)
はい。
福岡市博物館総館長
あとは、いろんな方のご理解が要りますので。
事務局(市長室)
ちょっとお時間のほうが少し長くなっておりますので、あとで事務方のほうでも、お話のほうは聞かせていただけますので。
記者
一点だけいいですか。時事通信の舟木と申しますが、今回の発見で、この議論は決着に向けて、どのぐらい進んだと思われますか。
福岡市博物館総館長
どのぐらい。
市長
いや、私は知りません。(笑)どうなのか、教えてください。
事務局(経済観光文化局)
さっき言いましたように、300年間無かったというものを、ここ30年ぐらいで、ある資料が出てきてはいるんですけども、無かったという資料は、潰したという資料は、さっきの伝聞の資料で少しあるんですけども、なかなか難しいというところが本当です。さっき言いましたように、天守といって、本当にそれが天守閣、いわゆる皆さんの頭の中にある天守閣かどうか分かりませんけども。ただし、今回のは天守を建てたと言っていますので、あったであろう可能性の蓋然性みたいなものは高くなったのかなとは考えているところです。
記者
ありがとうございます。
事務局(市長室)
後ほど、また事務方のほうでも詳しい話、させていただきますので、よろしくお願いします。
福岡市博物館総館長
ありがとうございました。
市長
では、話はガラッと変わりますね。よろしゅうございますでしょうか、準備できたら。
では、いきます。唐泊恵比須かきが、新たにサステナブルな食材として国際認証されました。【フリップ】こちらの認証なんですけれども、カキはご承知、こちらです。唐泊恵比須かきということで、ちょっと見てね、手前側のカキの形と後ろ側のカキの形が違うと思います。どちらも唐泊の恵比須かきなんですけれども、この秘密も、また後ほどお話をしたいと思います。育て方が、実はちょっと違うんですよね。
見た目も美しい、この唐泊恵比須かきなんですけれども、去年からはザ・リッツ・カールトン福岡で提供されるというように、もう本当に高い評価をいただいているわけですけれども、これ香港やシンガポールなどの有名なレストランなど、海外への輸出にも、今、力を入れているところでございます。
ご承知の通り、海外は特に先行してですね、やっぱりただおいしいものができればいいではなくて、サステナブルな取り組みということに、すごくやっぱり価値、大事に重きを置いているわけですね。これは例えばiPhoneの原料にしても、サステナブルなものじゃないととか、そういうものってどこでもあると思うんですが、海産物の分野でもそういった考え方が広がっています。
そうした中で、今回、福岡市漁協の唐泊支所においてですね、市の補助金もこれ活用しながらですね、今回、国際水準の水産エコラベルであります、MEL(メル)認証というものを、これは認証されたということでございます。
MEL認証というのは、例えば魚を獲りすぎないでありますとか、それから、例えば海を汚さないですとか、こういういろんな基準があるんですけれども、そうした水産資源の持続可能性ですとか、それから環境への配慮などの国際基準を満たしている、そういう漁業や養殖業を認証する制度でございまして、この制度を取ることによってですね、これから海外展開しやすいとか、そういうものであれば、うちのレストラン、ホテルでも使おうという流れになってくるということでございます。
唐泊支所はですね、二(ふた)種類、このカキを大きく分けてある。この奥側の、これたぶん、これまでも皆さん、よく見た形のカキだと思うんですね。このカキの形っていうのが垂下式というものでございまして、そしてこちら、この形、よりこう、ここの角が取れて丸くなって、しかもこう、厚みがあるんで、要するにカキを焼くときをイメージしてもらったら分かるんですけど、下にスープがしっかり溜まる、この形ですね。これがバスケット式っていう、今、唐泊のほうですごい力を入れているつくり方でございますけども、この二つのつくり方があるんですけど、このバスケット式カキの様式での、このMEL認証というのも、これは日本初ということになります。
今日はですね、福岡市漁業協同組合の唐泊支所から、岩城和久(いわぎ かずひさ)会長にお越しをいただいておりますので、唐泊恵比須かきの魅力、それから今後の思い、展開についてお話をいただこうと思います。
では、岩城会長、よろしくお願いします。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
よろしくお願いいたします。皆さん、こんにちは。ただいま、ご紹介いただきました福岡市漁協の唐泊支所運営委員会会長をしております、岩城です。
唐泊の恵比須かきは、福岡市で唯一、生食用のカキの養殖をできる海域になっております。また、西区宮浦の唐泊漁港沖合で、垂下式とバスケット式のカキを養殖しております。波が荒いためにですね、身が固く、身が締まって濃厚な味と、貝柱が大きいやつが獲れます。それと、あとバスケット式はですね、これは今、三倍体。今、説明があったように三倍体のシングルシード、一個一個つくるやつですね、これをバスケットの中に入れて、海の中で波に揉ませます。そうすると、カキが転がって、こういう丸みのあるカップが深いカキができます。
こういうところ、結局、今、産卵しにくいカキですので、年間通して、これ販売ができます。それで、結局、今、国内それから外国から高い評価を受けております。また、星を持ったレストランなどに出荷しております。
そうした中、海外からですね、国際認証を取ってくれんかっていうことで、すると付加価値が上がるということで、市の支援を受けながらちょっと申請をしておりました。この度ですね、MEL認証を取得することができまして、福岡市はじめ、関係部署の方々にお礼申し上げます。
せっかくMEL認証を取ったので、今からですね、国内外にさらに販路を広げていきたいと思っております。また、今からカキの身入りが、春先にかけて身入りが良くなりますので、ぜひ皆様、西区の海づり公園横にある唐泊恵比須かき小屋に食べに来られるほか、あとオフィシャルサイトでも販売しておりますので、ぜひ自慢の恵比須かきを、ぜひ味わっていただくとうれしく思います。
今日はどうもありがとうございます。
市長
はい、以上、30秒PRでした。(笑)
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
どうもありがとうございます。
市長
いえいえ、せっかくお越しいただいているので、どうぞ皆様から、ご質問があればどうぞ。
記者
すみません。
市長
はい、どうぞ。
記者
MEL認証って、どれぐらい珍しい認証なのか、教えてください。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
どれぐらいか、ちょっと事務局のほう、よろしくお願いします。
事務局(農林水産局)
はい、MEL認証につきましては、例えば福岡県におけるMEL認証の取得状況ということでありますと、今回のものが初めてとなっております。ただ、養殖認証は初めて、漁業認証のほうはですね、日本遠洋旋網漁業協同組合というところが令和4年に取得しているところでございます。
また、過去にはですね、糸島市漁業協同組合のハマグリ漁業であったり、宗像漁業協同組合のふぐはえ縄漁業、こちらのほうで取得しておりましたが、これは現在、継続をされていないとお聞きしております。
以上でございます。
記者
実際、このMEL認証を取ったことでの海外での評価が高まるっていうのは、どういうふうな評価の高まりみたいなことでしょうか。
市長
これはですね、さっき言った通り、やっぱりどういう由来の食べ物であるかっていうことは、すごく今、厳しく評価をされるようになっていて、例えばG20のときに私たち、財務大臣中央銀行総裁たちをお招きしたときにも、寿司を出そうとしたんですけども、その魚もですね、これ持続可能な形で獲れている魚じゃないと提供できないとかですね。こういういろんな基準が厳しくなっていて、その流れというのは、間違いなく、今後より厳しくなってくることがもう見えています。
という中で、いかに早くこのMEL認証を取って、そして、もう今、言ってみれば、ちょっと分かりやすく、あえて雑に言いますけど、意識の高いホテルだとか、そういったところは、もしくはレストランというものは、そういったそのストーリーっていうのが売りになるわけですよね。これは環境に配慮されたものですよっていうものを出していますっていうところが、一つの売りになって強みになる中で、福岡市としては、うちの恵比須かきというのは、唐泊の恵比須かきというのは、本当に生で食べられて、しかもリッツのような、ああいう相当なハードルが高い基準を乗り越えて出せる一級品ですから、こういったものにさらに、こういうストーリーをしっかりつけて、これは海を汚さないだとかいうこともそうですけれども、働く環境も含めて、非常にチェックされる項目が多いものですので、こういうものをつくることによって、今現在、シンガポールと香港には既に一流ホテルに入れていただいているんで、それ以外のホテルにも展開をしていくというような形で販路を広げていき、特にいいところに使ってもらうことによってですね、これはスペシャル品としてのやっぱり価値をより高めていければと、行政としても思っています。
記者
国内、世界でMEL認証を取っているカキっていうのが何種類あるのかっていうのが、お分かりだったら教えてください。
市長
事務的に聞いてくれよって(笑)。種類分かる?
事務局(農林水産局)
はい、事務局で把握している限りなんですけど、垂下式のカキ養殖では、既に3例ほどございまして、今回こちら国内で4番目。バスケットカキだと日本で初めてという形になります。
市長
世界では分かります?
事務局(農林水産局)
世界では分からないです、はい。
市長
ただ、たぶん、こういうものを取ってないと、今後、入れられない。
事務局(農林水産局)
追加で、MEL認証自体はですね、国内のものに限っています。海外でも通用する国際水準の認証なんですけど、マリン・エコラベル・ジャパンという協議会のほうで、スキームオーナーされてあるんですが、そちらのほうが、国内の漁業者を対象に審査しているということになっておりますので、ほかの国際的な認証って、ほかにもあるんですけど、そちらのほうでどれぐらい取っているかは、ちょっと把握しておりません。
以上でございます。
市長
ほかにいかがでしょう。はい、どうぞ。
記者
読売新聞です。よろしくお願いします。
今回、認証を取得するにあたってですね、手段として何か努力されたりとか、工夫された点というのはあるんでしょうか。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
それはちょっと事務方のほうに聞いてください。私はちょっと…。
市長
今、せっかく前に、せっかくあなた出る機会がなかなか、せっかくだったら、マイクの前でお話されてはどうでしょう。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 山﨑氏
はい、すいません。唐泊支所の山﨑です。
市長
彼が実際にもう、カキをつくっている、現場の方です。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 山﨑氏
はい、そうです。現場としての苦労といいますか、でいうと、MELのほうで審査項目として、ものすごくたくさんの種類の審査項目がありまして、それを一つずつ整理していくっていうのを、もう福岡市さんと一緒に手伝っていただいて。その一つずつ整理する、漁師さんでいうと、長年の勘とか、そういうのはデータにはあんまり自分の経験というか、そういうのが蓄積されていますけど、そういうのを一つずつ丁寧に文章に起こしたり、エクセル等々でまとめたりという作業が一番苦労したところです。
でも、その逆に、その苦労はですね、逆に自分たちが何をやっているのかというのがクリアになって、漁業者さんたちに対しても有効な、認証のエコラベルでした。
記者
すいません、続けて、一番ハードルが高かった項目というか、難しかったなっていう項目なんか、思い当たりますか。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 山﨑氏
そうですね、うちのほうとしては、もうえっと。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
海水、海水やな。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 山﨑氏
そうですね、海域、もう自然由来のところですね。自分たちの手ではどうにもならないところの基準といいますか、そこはもう、福岡県さん、福岡市さん等々が調べていただいてなったんで、そこは手の届かないところが入っちゃうと…。
記者
分かりました。
市長
じゃあ、どうぞ。
記者
朝日新聞の大下と申します。ありがとうございます。
今回の一連の取り組みというのは、先ほどちょっとお話にもあったように、やっぱり付加価値を上げていく取り組みなのかなと理解したんですけれども、何かその付加価値を上げていかなきゃいけないような、今、実際、生産されてらっしゃる中でのご苦労、例えば昔ほどいっぱい自由に獲れなくなってしまっているのか、あるいは、そもそも担い手が足りないですとか、少し何か、そういったご苦労であったり、高付加価値化を目指さなきゃいけないような背景みたいなのがあれば、教えていただければと思います。よろしくお願いします。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 山﨑氏
私たちとしてはですね、カキの生産量等々では、広島とか宮城とかっていうところと比べると、だいぶ小さい小規模なところなんですけど、その中でも生き残っていくためには、やはり一つの質を高めて付加価値をつけていくっていうのが、私たちの狙いで、海外の有名なところに出すとか、そういうので付加価値を狙ってつくっています。
このMELを取ることによって、付加価値も上がったんですが、そういう海外の有名なレストランには、いろんな国際認証を持った海外のカキが何個も入っている状態なんですね。なんで、ここはMEL認証を取ったんですけども、ある意味スタートラインということで、これからももっと価値を高めていきたいなと思っています。
記者
ありがとうございます。
確認なんですが、先ほどシンガポールと香港のホテルに既に、とおっしゃったと思うんですけど、今、何カ国、あるいは地域ぐらいに輸出をされていらっしゃって、今後の認証を取ったことも合わせて、例えばどういう地域にどのぐらい輸出を増やしていきたいみたいな、なんというか、目標みたいなものがございましたら教えていただけないでしょうか。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 山﨑氏
はい。現在、シンガポール、香港、2カ国のみなんですが、今後はですね、基準といたしましては、福岡空港の国際便が飛んでいるところには持っていきたいなと思っています。
記者
分かりました。ありがとうございます。
市長
どうぞ。
記者
西日本新聞の長と申します。
先ほどの質問にも少し関連するんですが、今回の認証を取るにあたって、生産・出荷体制で何か見直したり、厳格化したりしたようなことはあるんでしょうか。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 山﨑氏
はい。私どもで厳格化したのものはですね、今まで通りの生食に対して行う検査は、その通りやっているんですが、出荷する私たちも検便等々の検査、出荷する人に対しても検査をするように、はい、追加しました。
市長
よろしいでしょうか。言い残したことは、大丈夫ですかね。
記者
すいません。
市長
はいはい、はい。
記者
すいません。肝心なこと、大変申し訳ないんですけど、食べたことないもので、このバスケット式で、こう深くなることによって、味としてはどういう…。
市長
今、食べ比べてみる、これ?開けて、食レポしてくれたら。
記者
ちょっと教えていただけたら、すいません。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
あのですね、バスケットの中で常にこう、波で揺られて、転がっているから、カキが成長したくても成長しないんですよ。成長線を全部削ってしまうんです、波で。だから、結局カラも厚くなるし、栄養分を体の中に溜め込んでしまうんです。だから、味が濃いんです。普通のこの二倍体とその三倍体というのは。だから、食べたらすぐ分かります。全然、味違います。
記者
味が濃ゆくて、栄養価もすごくある。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
そうですね、はい。海の精力剤ですので。
記者
ありがとうございます。
市長
よろしゅうございますかね。
記者
いいですか。すいません、国内で4例がMEL認証を受けていて、そのうちバスケット方式がこちらだけ。バスケット方式が、今おっしゃったように、すごく味が濃くて、栄養があっておいしいということなんですが、日本中にいろいろカキありますけれども、品質に対する自信というのをあらためてお願いできますか。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
品質はもう、絶対自信持っております。もう何ていうかな、結局、海の海水検査から細菌検査、全部していますし、また、これのノロとか、いろいろ衛生検査、これも全部出してますので、この分については絶対よそから負けないと思っています。
記者
ほかの3例が垂下式ということなんですね。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
はい。
記者
だから、この、なんていうかな。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
バスケット。
記者
バスケットで磨かれて、味の濃くなったものは、日本でこれしか食べれないっていう。認証されたものとしては、これしかないっていう。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
そうですね、今のところそうです。ただ、ほかにもバスケットの養殖をしてあるところはたくさんあります。今からどんどん増えてくると思います。
記者
その中で、まず第1号になれたということですね。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
はい、そうです。
記者
はい、ありがとうございます。
市長
よろしいですかね。はい、どうもありがとうございました。
福岡市漁業協同組合唐泊支所 岩城会長
どうもありがとうございました。
市長
ぜひ、彼にあげてください。食べてもらって、いい記事を書いてもらって。
記者
ありがとうございます。
それでは、発表案件以外について、質問がありましたらお願いいたします。
市長
はい、どうぞ。
記者
西日本新聞の前田です。
高島市長、今月6日ですかね、4期目の折り返しを迎えられていると思います。通算14年にわたって市長を続けられているわけですけれども、ちょっとこのタイミングでですね、より市民目線の疑問をちょっと市長にぶつけようと思って、読者の方、市民の方にアンケートをしまして。
市長
ほお。
記者
市長にぶつけたい質問というのを募りました。その中から三つ、質問させてください。
一つ、これまでの、振り返ってですね、ご自身の政策で、もっとうまくやれたんじゃないか、こうすればもっと良かったんじゃないかというような施策があれば教えてください。
市長
三つ、三つ言って。
記者
全部、言いましょうか。
市長
はい。
記者
二つ目がですね、大博通りのロープウェイ計画、これは白紙に戻ったのでしょうか。博多駅とベイエリアを結ぶ交通機関がバスしかないのは、観光都市として弱いと思うが、どうしますかと。
一番多かった質問が、髙島市長、いつ国政に行きますかと。
市長
なるほど。
記者
市政の次は、県政や国政を目指しますか。はたまた全く別の分野に進みますか、といった質問が非常に多かったんですけれども。
市長
なるほど。
記者
あえてこのタイミングで、将来のビジョンについて聞かせてください。
市長
はい、承知いたしました。そうですね、時はたつのは早いもので、もう4期目も、もう折り返しの2年たったということでした。あまり普段から、なんていうか、自分の任期はもう、これは機械的にやって来るもので、市民の生活はずっと続いているものですから、そんなに自分も意識は全くしていないんですけれども。
最初の質問は、あれはもっとうまくやれたんじゃないかっていうものについて、うーん、うまくやれたねえ、うーん、うまくやれた。何があるかな。そうね、うまくやれた。何があるかな。ちょっとパーンと言われて、事前にそういうのこそ教えてくれてたら、ちょっと自分の中でいろいろと思い出したんですけど、じゃあ、先に2番目から、2、3にいきますね。
2番目でいくと、そうです、ロープウェイ、はい。あれは、あのときにもう「しない」と言いましたので、私のときは白紙に戻しています。ただ、今、交通マスタープランの、民間の皆さんからの意見募集ですとか、民間の提案っていうものを募集している中で、ロープウェイに似たもの、ロープウェイ的なものについては、今、民間から提案があっていたり、それから議会質問も出たりしていますので、こうしたものについては精査をこれからしていくということになろうかと思います。
ただ、いずれにしても、私はその質問者と同じ、全く同じ課題認識を持っていて、ウォーターフロントと博多駅の間が、バスやタクシーしかないっていう、そして、あのコンベンションゾーンに毎日ものすごい数の人が毎日必ず行ったり来たりしているっていう中でですね、そこの交通が非常に弱いということに課題感を持っている、課題認識は私も同じです。
それの解決方法として、私は、地下鉄なのか、それともLRTなのか、それとも立体的に使うものなのかっていうことを想定、考えた上で、地下はですね、地下鉄というようなところでいくと、やっぱりコストがものすごくかかってしまう。建設コストとアセットっていうことを考えると、なかなかやっぱり採算性というところでいくと、かなり厳しいものがあった。地上になると、LRTだとか、そういったものが通ると、すごくね、下に芝生がひいてあったりして、海外の事例を見て、いいなと思うんですが、ただ、あれは条件があってですね、まず、交通量、車線を減らすわけですから、交通量自体を減らさないと、今これだけ自動車で渋滞をしているものが車線をさらに減らしたら、大大大渋滞になってしまうと。
ですから、例えばそこに通勤圏内の人がそれに乗り換えるんだったらいいけど、今、行っている人たちというのは、そこを利用者ではない人たちなので、LRTにしたから、今、車で走っている人がみんなLRTに乗るかっていうと、そういうわけではないので、地上はどうしても、今の渋滞をさらに激しくしてしまうというデメリットもあるって考えたときに、今、海外、シンガポールもニューヨークもポートランドも、どこもここもやっぱり立体的な利用で、空間的に使ってロープウェイというのが一番コストが安く、地下鉄の40分の1(正しくは、7分の1)、輸送力が2分の1って暗記するぐらい、当時は相当検討したんですけど、それが調査費というところが、市議会から「NO」という形になったので、あの段階で、私はもう検討をこれ以上しないということで、ストップをしているという現状がございます。
それで、三つ目がなんか湿っぽい話なので、本当は1の話を先にしておきたいんですけど、もっとうまくいった、例えば何がありますかね。例えば出し方の工夫とかでいくと、なんかこう、例えばほら、カワイイ区とかあったじゃないですか。ああいうのも、これからバーチャルの世界という中で、これまでの情報発信をするときに、観光大使をつくって情報発信するって、結局、就任したときにちょっと話題になるだけで、あとってもう、ほぼ有名無実化しているような状況がある中で、情報を一方的に発信するだけではなくて、バーチャルの世界の中で、相互に住民同士がやり取りをするというバーチャルの区をつくって、そこで中でやり取りをする。現在でいえば、それって、バーチャルのSNS的な世界の中で、みんなやり取りしたりとか、もしくはサロン的な中でやり取りするというイメージって湧くと思うんですけど、当時って早すぎて、カワイイ区って言ったとき、区をもう一個つくるというところの理解が得られなかったっていうふうなことがありましたよね。
なんで、やっぱり今は出し方として、どういう出し方が良かったのかっていうときに、やっぱり自分はもっともっと先を考えるけども、やっぱり出すタイミングというのは半歩先を出していかないと、やっぱり一歩先、二歩先をいったときに、より多くの市民の皆さんが、みんながこう、理解できるっていう状況にまでならないので、やっぱり情報の出し方っていうところは、すごく意識をするようにしていたりだとか。交通だとか、いろんな大きな問題もあるんですけれども、うん、まあ、進め方だとかも含めてですね、いろいろと工夫はアップデートされてきたところはあるのかなと思いますけどね。どれって言われたら、一つ一つコメント言えるんですけど、ちょっとパッと今言われて、振り返ってもって感じですかね。
もう3問目に行っていいですかね。はい、このあと、私はどうするのか問題ですね。はい、全く現時点で、その先を考えているわけではなくて、常に続けて生きていること、そして、その延長線上で今日があって、その先の未来まで、特に今また10年間の福岡市のマスタープランというものを市民の皆さんと一緒につくって、ようやく形になる段階ですので、当然もっと先まで含めてですね、全てをこの2年間で終わらせるような計画ではなくて、もっと先まで想定した上での計画をしていますし、これから進めていきたい、花の多いまちをどうつくるか、そして、都市緑化をどうやって進めていくかとかですね、アートとかですね、こういうようなものについては2年間だけやっておしまいというものではなくて、先まで続くことですので、4期目が終わった段階でどうするのかなというところについては、現時点では、特に考えて全くいないと、どうなるのかはお楽しみということで、はい。そんな感じです。
記者
ありがとうございます。
すいません、交通について、ちょっとお伺いしたいんですけれども、さっきの地下か、LRTか、立体かっていう話になったときに、お伺いする限り、やっぱり立体しかないのかなというふうな話をしていたんですけれども、そうなったときに、例えば今、提案があっているZippar(ジッパー)であるとか、そういったものは有力な選択肢になり得るという認識でしょうか。
市長
そうですね、これは、議会からのそういった質問があっただけではなくて、民間事業者からも実際に提案もあったので、果たして、まず、これは現実的なのかどうか。ロープウェイと違って自走式なので、ロープウェイだったら一本のまっすぐした道しか進めないけど、曲がれるっていうことなんで、こういった中で、これがどれぐらい実現可能性があることなのか。それから、B/C(ビーバイシー)がどれぐらいなのか。それから、事業主体が民間になるのか。もしくは行政の負担とかを求めるんだったら、どれぐらい求めることがあるのか、ないのかとかですね。そういったことは現実的に精査が必要だと思いますが、ただ、やっぱりこの博多駅、ウォーターフロントだけの話ではなくて、今やっぱりこう、福祉に関わる人、それからタクシーやバスの運転手さん、本当に今、採用するのが非常に大変だっていう話を聞いています。いわゆる人手不足ですよね。ただ、じゃあ、値上げして給料を上げれば、もちろん、人は来るかもしれないけども、値上げをすると、それがそのまま利用料にはね返るっていうものについては、やっぱり上げればいいっていう問題ではないことを考えると、やっぱり新しい技術、新しいサービス方法だとか、こういったものをうまく取り入れていくっていうことを、チャレンジをしていくっていうことが、やっぱりその解く鍵になり得るんじゃないかなとも思っていますので、そうしたところはしっかり進めていくし。
また、このエリアのことだけではなくて、例えば生活圏においてのバスだとか、生活の足ですよね、こういったものについては、今「のるーと」のような、ああいう、いわゆるAIバスというか、AIタクシーというか、ああいう乗合タクシーをAIでうまく管理するようなものを入れたりというような形で、新しいやり方というのをどんどん模索をしていくということが、すごく大事になろうかなと思っております。
記者
ありがとうございます。
市長
はい。
記者
RKBの植高でございます。
発表案件のことなんですけど、福岡城のこの天守に関して、市長としての率直なお気持ちというか、そういう資料が出てきての、ちょっと聞いてなかったので、あらためて、この資料についてどう感じてらっしゃるか教えてください。
市長
そうですね。天守閣を商工会議所のご提言などもですね、ぜひつくってほしいというような、そういうようなご要望を持っている、そういった経済団体並びに市民の皆さんもたくさんいると思うし、一方で、もうこのまま触らないほうがいいっていうようなご意見もあるし、いろんな意見があると思うんですが、まずはそれを置いておいて、まず、そもそもあったのか、なかったのかっていうことについては、これは学術的にしっかり調査を進めることによって、これについては結論を出すことはできることだと思うんですよね。
ですから、あらためてしっかりと博物館等を中心にですね、ああいった、なんていうか、全く上手を言うことがないような、ああいう本当に学術的な目でどうだったのかっていうことの資料の発掘調査をしっかり進めつつ、同時に今、文化庁と現地の実地調査というところも初めて行うことに向けてですね、現在、事務的な調整をしているところですので、まずは、あったか、無かったかっていうようなことについては、一定の方向性というところが出てくればいいなと思っていますし、今回のように、やっぱり資料を発見することによって、これまでとまた違う、これまでの「無かった」しか議論は無かったっていうものが、しっかり調べていけば「あった」という議論になったり、まさにこれは今、福岡城に関する市民の関心の高まりと合わせて、こういったタイミングでああいう資料もまた出てきたというのは、また、さらにロマンをかきたててくれるのかなって思っております。
記者
ありがとうございます。
市長
ごめんなさいね、使いにくいような話し方で。
記者
そのほか、ありますでしょうか。
記者
せっかくなんで、すいません。度々すいません。交通に関することで、もう一つ、交通マス(福岡市都市交通基本計画)の参考資料の中にも「動く歩道」をソフトバンクホークスで提案していると思いますけれども、あれに関しての見解といいますか、実現可能性等々含めて教えてください。
市長
すごく、やっぱり面白い案だと思いますよ。ドームまでって、あれだけの数が移動するニーズがある、ホークスの試合があり続ける、そして、コンサートがあり続ける限り、やっぱりあそこにはニーズがあると思っていますし、ひいては、その奥には百道っていうエリアも控えているわけですよね。
今、多くの人が地下鉄を降りてから、唐人町からずっと歩くという状況を何とかしなければいけないよなっていう、この課題認識は私も同じように思っています。そのソリューションとして、一体何が一番適切なのかっていうときに、いろんなアイディアがあると思いますけれども、これは民間提案という形で、今回「動く歩道」が出てきました。「動く歩道」という形になれば、現実的には想像ですけどもね、想像ですけども、ちょうど唐人町からドーム方向に行くときに川が流れているので、あの川の上あたりをつくるのかなと思いますが、これが現実的に、そういったものを建築していくということが可能なのか。それから、料金はどこで取るのか、チケット代に含めるのか、それともその場で買うのか。
それから、ああいう「動く歩道」の課題点というのは、着いた地点が広い踊り場がないとですね、これ、そこで人が滞留してしまうと、続々、次から次に人がもう流れてくるので、そこで混乱が起きてしまうので、これはやっぱり、そこだけの単体の話ではなくて、例えば唐人町方面の地下鉄との接続でスムーズに、そういった次々に来る人を全部を溜められるような状況がつくれるのかとか、そういったことも含めて、非常に課題はあるものの、これが実現できたら、非常に多くの人がドームに用事があるときに便利になるだろうなと思っていますので、しっかり民間提案者とともにですね、その実現可能性について精査はしていきたいと思っています。
記者
ありがとうございます。
記者
そのほか、質問はありますでしょうか。
では、以上です。ありがとうございました。
市長
はい、どうもありがとうございました。
※発言・質疑内容について、できるだけ忠実に作成しております。