平成17年 藤原賞
平成18年 日本学士院賞
平成19年 日本植物学会学術賞
平成21年 朝日賞
平成24年 京都賞
平成25年 トムソン・ロイター引用栄誉賞
平成27年 ガードナー国際賞
平成27年 国際生物学賞
平成27年 慶應医学賞
平成27年 文化功労者 顕彰
平成28年 ローゼンスティール賞
平成28年 ワイリー賞
平成28年 国際ポール・ヤンセン生物医学研究賞
平成28年 文化勲章
平成28年 ノーベル生理学・医学賞
大隅良典氏は,昭和20年2月に福岡市で生まれ,幼少期から福岡県立福岡高等学校卒業までを市内で過ごし,特にお兄様から送られた「空気の発見」などの科学に関する本に親しみながら,科学への興味を広げていき,高校では化学部に所属して,実験を楽しむなど,故郷福岡において科学者としての素地を養われました。
同氏は,東京大学教養学部を卒業後,大学院に進学し大腸菌を用いた分子生物学分野で博士号を修得され,その後,米国ロックフェラー大学の研究員となり,そこで酵母を研究対象とされました。帰国後,東京大学理学部植物学教室の助手となり,酵母の液胞機能の解析を行い,さらに東京大学教養学部の助教授として独立した研究室を立ち上げ,それまで解析が進んでいなかったオートファジーの現象を酵母で見いだし,遺伝学的ならびに生化学的解析をすすめられました。その後,岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所に教授として招かれ,オートファジーに関わる遺伝子群を精力的に解析し,動物や植物に至るまでオートファジーの機構が普遍的であることを示されました。これを契機にオートファジー研究は大きな潮流となりました。
今後,この研究の進展によって,神経変性疾患,がん,加齢に伴う病気などの予防法や治療法の開発など,医療への応用が期待されています。
同氏の研究成果は,国内外から高く評価され,これまで,京都賞,ガードナー国際賞,国際生物学賞をはじめ,数々の賞を受賞され,さらに今年度,文化勲章を受章するとともに,このたび,福岡市出身者として初めて,科学分野において世界最高の栄誉であるノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
同氏のこれらの功績は,誠に顕著であり,学術の発展向上等に大きく寄与するものです。