インターネットやゲームが「好き」でやり過ぎてしまうことと「依存」は違います。
「依存」は病気であり、治療が必要な状態です。健康や家庭、仕事(学業)など、生活に明らかな問題が起きているにも関わらず、インターネットやゲームをやめたくてもやめられない、自分でコントロールができなくなる精神疾患の一つです。
ゲーム障害(依存)は2019年5月に、世界保健機構(WHO)が発表した国際疾病分類第11版(ICD11)で、新たな精神衛生疾患と認定されています。
インターネット依存・ゲーム障害は、大人だけでなく子どももかかる依存症です。子どもは、脳も成長発達の途中であるため、大人よりもネットやゲームの刺激物に夢中になりやすく、自分でコントロールするのがとても難しいです。
1 | インターネットに夢中になっていると感じていますか (例えば、前回ネットでしたことを考えたり、次回ネットをすることを待ち望んでいたりなど) |
2 | 満足を得るために、ネットを使う時間をだんだん長くしていかねばならないと感じていますか |
3 | ネット使用を制限したり、時間を減らしたり、完全にやめようとしたが、うまくいかなかったことがたびたびありましたか |
4 | ネット使用時間を短くしたり、完全にやめようとした時、落ち着かなかったり、不機嫌や落ち込み、またはイライラなどを感じますか |
5 | 使い初めに意図したよりも、長い時間オンラインの状態でいますか |
6 | ネットのために、大切な人間関係、学校のことや部活のことを台無しにしたり、危うくするようなことがありましたか |
7 | ネットへの熱中のし過ぎをかくすために、家族、学校の先生やその他の人たちに嘘をついたことがありますか |
8 | 問題から逃げるために、または絶望的な気持ち、罪悪感、不安、落ち込みなどといった、いやな気持から逃げるためにネットを使いますか |
上記設問で当てはまるものが、
原典:Young K.S.CyberPshychology and Behavio.1998/翻訳:久里浜医療センター
過去12か月のオフライン・オンラインなど含めた全てのビデオゲームについて、お答えください。
1 | ゲームをしていないとき、頻繁にゲームのことを考える |
2 | ゲームができないときに、頻繁にソワソワしたり、イライラしたりする |
3 | 過去1年間で、より頻繁に長い時間ゲームをしなければと思ったことがある |
4 | 過去1年間で、ゲームの時間を減らそうとしたがうまくいかなかったことがある |
5 | 過去1年間で、友人に会ったり、趣味や遊びをするよりもゲームを選んだことがある |
6 | 睡眠不足や仕事・家族への影響など、問題が生じているのに、長時間ゲームをしたことがある |
7 | 自分がどれくらいゲームしたのかを、家族や友人などに隠したり、嘘をついたことがある |
8 | 無力感や罪の意識、不安感を晴らすためにゲームをしたことがある |
9 | ゲームのために人間関係を危うくしたり、失ったことがある |
10 | 過去1年間で、ゲームのために勉強ができなかったことがある(成績が落ちた、集中できない) |
上記設問で当てはまるものが、5項目以上だった場合は、依存の可能性が高い。
※9と10の設問は、どちらか一方が当てはまれば1と数えます。
(例えば、9と10の両方が当てはまっても1とします。)
原典:Kiraiy O et al.Addictive Behaviors.2017/翻訳:久里浜医療センター
※横須賀市にある独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターでは、全国に先駆けてネット依存治療研究部門を開設し治療を開始しています。スクリーニングテストも青少年用と成人用が掲載されています。
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
こんなことが起きていたら、その人は依存症かもしれません。
以上のことをしがちですが、これらはほとんど意味がないと言われています。
また、このような対応を繰り返すことで、本人の状況を悪くしてしまうこともあります。
インターネット依存やゲーム障害(依存)に気付くのは多くの場合は、本人ではなく家族です。
依存症かなと思ったら、一人で悩まず早めに相談しましょう。
相談先として、医療機関や精神保健福祉センター、自助グループ・家族会などがあります。
自助グループ・家族会では同じ立場の方々が、親身に相談にのってくれます。
家族や本人からの、依存症などの病気に関する相談や対応の方法や悩みなどについて、専門のスタッフが相談に応じています。
依存症専門電話:092-737-8829 (毎週火曜日・木曜日・第1・3水曜日、午前10時~午後1時)
福岡市にお住まいの、ゲーム依存等の問題をあわせもつ、概ね15歳以上のひきこもりやその家族の方たちを支援する相談機関です。
カウンセリングスペースやどりぎのホームページへ
カウンセリングスペースやどりぎ ちらし (578kbyte)
【カウンセリングスペースやどりぎ主催】ネット依存・ゲーム障がいに関する家族向けワークショップが開催されます。
ネット・ゲームの使用やそれに伴う社会的・金銭的なトラブル、ひきこもりについて悩まれている家族を対象としたワークショップです。具体的な対応方法を専門家からわかりやすくご紹介します。参加希望の方は、事前申込が必要です。
詳細は下記チラシをご確認ください。
ネット依存・ゲーム障がいに関する家族向けワークショップ(PDF:1,794KB)
※依存症からの回復には、一般的な介入方法として12ステップの回復プログラムがあります。
回復のためには、自助グループ(*1)や回復支援施設(*2)等の支援が必要です。
また、依存症者を家族にもつ人達が集まり悩みを共有し支えあう家族会もあります。
(*1)上記プログラムに基づき、当事者が集まってその回復を目指すグループ。どの宗派や組織に縛られないために、献金なども受けないことを柱としている。
(*2)依存症問題について、本人・家族の回復を図るため、啓発活動・治療施設やグループの情報提供・予防教育などに取り組む施設。