現在位置:福岡市ホームの中の市政全般の中の主なプロジェクトの中のFUKUOKA RESORT NEXTの中の農水産物を活かすから(農水産物)唐泊漁港<前編>
更新日: 2020年3月25日

全国からも視察が相次ぐ、北崎が誇る「唐泊恵⽐須牡蠣」のはじまりと由来。<福岡市漁業協同組合唐泊⽀所 「海産物を活かす」 前編>

(2019年2月取材)

画像:板谷正信 福岡市漁業協同組合唐泊支所 運営委員会会長,森 剛 福岡市漁業協同組合唐泊支所 支所長

今津から北崎へと差し掛かるあたりに来ると、海沿いに⾒える「海釣り公園」。隣接するカキ⼩屋は、冬の定番のドライブスポットのひとつでもあります。こちらで⾷べることのできる「唐泊恵⽐須牡蠣」の養殖が始まった経緯や漁協の取り組み、地域との関連性などについて、福岡市漁業協同組合唐泊⽀所にお話を伺いました。


唐泊の漁師たちの閑散期の稼ぎとして⽣まれた牡蠣の養殖


「海釣り公園」と聞くと、夏はBBQ、冬はカキ⼩屋をすぐに思い出すほど、福岡の⼈にとって⾝近な北崎エリアは唐泊恵⽐須牡蠣。特に冬はもう⾵物詩ですね。今回は、このエリアの漁港・唐泊を担当している福岡市漁業協同組合唐泊⽀所の運営委員会会⻑・板⾕さんと、⽀所⻑の森さんにお話を伺いました。


まずは、唐泊漁港や牡蠣養殖の歴史について。
「この唐泊という地区は、古くから漁業が盛んな⼟地です。地名の由来は1,500 年前に遡ります。奈良時代からある⽇本最古の漁港のひとつとして、遣唐使などの国を代表して海外に派遣される使節が宿泊した町でした。対外航路の重要な拠点だったんです。かつては『韓亭』と記されていたそうですが、いつの頃からか“遣使”が“宿”“停”するところ、ということで唐泊と呼ばれるようになったようです」と板⾕さん。


画像:唐泊漁港
牡蠣の養殖は⽔の透明度が命。穏やかで澄んだ海が広がる唐泊漁港


そんな歴史的な場所だからこそ、代々漁業が受け継がれてきたということですね。では、牡蠣の養殖はいつ頃からはじまったのでしょうか?


「2001 年からです。漁業は季節によって獲れるものが異なるのですが、このエリアでは冬が閑散期になります。その閑散期対策として、もともとはワカメやイリコを冬場に獲っていました。しかし近年の温暖化の影響で潮が変わり、それらが獲れなくなってきまして。
⾊々考えたのですが、『マガキの養殖をやってみよう』ということになりました。私たちは組合なので、地域の漁師たちの仕事を確保することも⼤切な仕事です。1 年⽬に筏を1つ作ってみて、『あ、これはできるな』と思ったのでそこから徐々に増やしていきました。イリコ漁で使っていた網をそのまま筏に使いまわせたのであまりお⾦をかけずに済んだこともよかったですね。


現在は30 ⼈ほどの漁師と、地域のアルバイトさんとで筏の管理とマガキの掃除などの作業を分担しています。イワガキも養殖していますので、⼀年中カキの⼿⼊れに⼈⼿が必要なんです。地元の雇⽤になっているという意味でもカキの養殖にチャレンジしてよかったですね」


画像:海⽔にオゾンを通す機械
海⽔にオゾンを通す機械。
オゾンを通したあとの海⽔に24 時間マガキを置くことで、ウイルスなどが排出される


組合として、地域の漁師の仕事を計画的に作ってきた唐泊⽀所。その取り組みは全国的にも早かったようで、いまでも各地から視察者が訪れているようです。
「養殖が安定してきたのがその数年後です。全国の量販店に販売し、あとはカキ⼩屋で⾷べられるようにしまして、これが注⽬を浴び、全国から視察の⽅々が来られるようになりました。カキ⼩屋が安定化してきたことで、地元の雇⽤も安定しています。漁協の組合員はタイムカード制にしました」


画像:表彰状
漁協と漁業者が⼀体となって直接管理・販売を⾏い、ノロウイルス等の衛⽣検査も毎⽉徹底。
そのこだわりのかいあって、かき⽇本⼀決定戦で数々の賞を受賞している


意外と知られていない、「唐泊恵⽐須牡蠣」の由来とは


地域の雇⽤を⽣み、閑散期の漁協組合員の安定した仕事の確保になっている唐泊の牡蠣養殖。ここで獲れる牡蠣は「唐泊恵⽐須牡蠣」という名称が付けられています。その由来を聞いてみました。


「唐泊には、栄⻄禅師により開かれたと伝わる臨済宗の『東林寺』があります。この東林寺には、昔、『⿓神さま』と『えびす様』が⼀緒に祀られていましたが、後に、蛭⼦崎(現:唐泊崎)に『恵⽐須神社』を建⽴し、移転させたと⾔われています。また、『筑豊沿海志』や『北崎村誌』にもこの地の記述があります。このように歴史のある地名を後世に残すため、『唐泊恵⽐須』と名付けました」


画像:年間の牡蠣養殖の計画を統括している森⽀所⻑
年間の牡蠣養殖の計画を統括している森⽀所⻑


画像:恵比須様が描かれた作品
恵⽐須様が描かれた作品。九州国⽴博物館でも展⽰されました


画像:マガキを剥く様子
マガキを⽬の前で⾷べさせてもらいました


画像:剥きたてのマガキ
驚くほど臭みがなく、牡蠣初⼼者でも抵抗なく⾷べられるマガキ。
⾙柱が⼤きいのも特徴で、牡蠣⾷が盛んな台湾や⾹港にも輸出しているそう


漁師の⽣活や地域の雇⽤を⽀える唐泊の牡蠣養殖。前編は着⼿した経緯や「唐泊恵⽐須牡蠣」の由来についてご紹介しました。後編では、漁協が運営するカキ⼩屋についてお話を伺います。



(取材/後藤暢⼦)


<後編>


福岡市漁業協同組合 唐泊⽀所

 http://www.karatomari.jp/
 住所:福岡県福岡市⻄区⼤字宮浦273-12
 電話番号:092-809-2311


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