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更新日: 2020年2月25日

「お⾦儲け⾄上主義」から⼀転、完全DIY で誕⽣した北崎のゲストハウス<fukuoka guesthouse chillout ビジネスレポート 前編>

(2019年2月取材)

画像:⻄俊次・⾥奈 fukuoka guesthouse chillout オーナー

 北崎のとある空き家をゲストハウスにしてしまった⻄夫妻。しかもわけあって完全DIY でコツコツと再⽣しました。お⼆⼈がなぜこの地を選び、そもそもどうしてゲストハウスをしようと考えたのか、お話を伺いました。


「お⾦儲け」が仕事の基準だった20 代


伺ったときは駐⾞場で板を切っていた⻄俊次さん。壁や⽡など、まだ未完成の部分も⾒える「fukuoka guesthouse chillout」のオーナーです。すでにゲストハウスとして稼働していると聞いていたのですが、様⼦だけみるとまだまだ⼯事中といった印象。しかしこれには深い理由がありました。


「僕たち夫婦は粕屋の出⾝なんですが、20 代はとにかくお⾦を儲けることを考えて、⾊んな仕事に⼿を出しました。洋服のバイヤーをやってEC で売ったり。これ、1 週間で200 万円くらいの売り上げになるときもあったんですが、1 か⽉で5 万円にしかならないこともあってですね…かなり増減が激しかったんです。ひたすらにお⾦儲けで突っ⾛ってみたものの、なかなかうまくいかない。30 代を⽬前に控えた29 歳のときに、『儲け基準じゃダメだな』と気づきました。次で最後の仕事にしよう、⼀⽣働くならどんなことがしたいか、と考えて、ゲストハウスをやろう、と決めました」


画像:建築途中のお店
まだまだ完成とは⾔えない「fukuoka guesthouse chillout」。
しかし⻄さんご夫妻は、毎⽇楽しく暮らしながら、徐々にカスタマイズしている様⼦


「場所は、最初は福岡市の街中で探しました。福岡はインバウンドも増えていたし、都会のほうが集客に困らないと考えたからです。中央区から博多区にかけてを探し、気になる空き家を⾒つけては、妻と⼆⼈で⼤家さんを探し出してドアノックで交渉しました」「もう、本当にドアノック。不動産屋さんにすら相談していません」と妻の⾥奈さんも笑いながら話してくれました。


画像:オーナーの西さん
「20 代の頃はお⾦儲けが⼤好きだった」と笑いながら話す俊次さん。
この笑顔で、地域にすんなりと溶け込んでいったようです


しかし、実際は北崎を選んでいますよね。都会でのゲストハウスにしなかったのはなぜなのでしょうか。


「3 軒ほど交渉してみたのですが、条件が合うところがなかなか⾒つからず、『どうしようかな…』と思っていた⽮先、福岡テンジン⼤学のイベントで、株式会社ブルースカイの貞末社⻑と知り合いまして。『#ジハングン』を準備されていたときだったんですけど、ローカルのおもしろさを教えて頂き、途端にエリアを気にしなくなりました。そして知り合いのおばあちゃんに北崎の市街化調整区域の規制緩和のことを教えてもらって、じゃあ⾏ってみよう!と⼆⼈で⾒にきたんです」


ここでも不動産屋の仲介などに頼らず、⾃分たちの⾜で即⾏動されたのですね。今の場所になった最終的な理由は何でしょうか。


「最初は今の家の隣の空き地を⾒て、『ここがいい!』と思ったんです。ただ、建蔽率の兼ね合いで、あまり⼤きな建物は建てられないとわかり、すぐ隣にあるこの場所の空き家を⾒て、『ここを⺟屋にして、隣まで増設したい!』とひらめいて、⼤家さんを探し出して交渉しました。(その間に⾊々あって隣の⼟地は別の⽅が事業を始められたそうです)もともとお願いしようと思っていた建築⼠さんが、とにかくこの空き家を気に⼊ってしまって、僕たちもこっちに集中したんです」


⾏動⼒も早いし建築⼠を味⽅につけるのも早いですね。⼤家さんとの交渉はすんなりいきましたか?


「実はこの空き家、⼤家さんの親御さんが住まれていたそうなんですが、亡くなったあとに⻄⽅沖地震で傾いてしまい、まったく⼿をつけずにずっと放置状態だったそうで…『え?あんな場所、⼈は住めないよ?』という理由で反対されたのですが、『いえ、ここがいいんです!』と何度もお願いしてお借りすることができました」


⼤家さんももともと⼿つかずだったということもあって、かなり格安の条件で借りることができたそうです。


本当に好きなことは、「旅」。そしてゲストハウスに魅⼒を感じていたことに気づく

こうして「ゲストハウス」の場所を獲得した⼆⼈。しかしそもそも、なぜ「お⾦儲け」から「⼀⽣働く」と考えた中で、「ゲストハウス」が答えになったのでしょうか。


「僕たち、よく考えたらめちゃくちゃ旅が好きなんです。ニューヨークから⻄海岸まで、ゲストハウスを転々としながら旅をしたこともあります。それをよーく考えたときに、旅とか訪れた⼟地というより、ゲストハウスでのオーナーさんとの想い出を⼀番⼤切に思っていて、僕たちはゲストハウスに泊まることが好きだったんだ、と気づいたんです。景⾊より、⼈だったんです。ですから、僕たちもそんな誰かの想い出になれるような場所を作りたい、と。まぁ、本当は泊まるほうになりたいんですけどね、バックパッカーとかで世界中を旅したり」


こうして「ゲストハウス」に泊まる「旅」に魅⼒を感じていることに気づいた⼆⼈は、それまでのお⾦儲け⾄上主義から⼀転、北崎でみつけた空き家をゲストハウスにすることに決めました。しかし、なぜDIY なのでしょうか?


「実はですね…空き家のリノベーションになるので、住宅ローンがおりないことがわかったんです。⾃⼰資⾦ですべて賄うのは厳しいので、『じゃあもう、⾃分たちでやってしまおう!』と。(笑)相談していた建築⼠さんも『そんな状態ならお⾦なんてとれないじゃない、教えてあげるから頑張りなよ』と⾔いつつ、たまに様⼦を⾒に来て⼿伝ってくれています」


なんとも驚く事態の連続なのですが、なぜかこのご夫婦は、どの状況もとても楽しんで潜り抜けてきたようにしか⾒えません。この明るく前向きな⼈柄が、周囲の⼈についつい「⼿伝うよ」と⾔わせてしまう魅⼒なのかもしれません。


「実は⼤家さんは⼤⼯さんなんですけど、たまにうちに作業に来てくれて、僕が⽇当をお⽀払いしています」という逆転現象まで発⽣していました。⼤家さんが⼤⼯さんならご⾃⾝でリノベーションできたことと思いますが、そもそもこの空き家をどうにか再⽣させようという想いにまったく⾄っていなかったところを、この⼆⼈が蘇⽣させたということのようです。


画像:すべてが⼿作りの1 階ダイニング
すべてが⼿作りの1 階ダイニング。アイランドキッチンでコーヒーをいれたり、料理をしたりと⾃由気ままに過ごすことができます


画像:8 名まで宿泊可能な1 室
8 名まで宿泊可能な1 室。⽩を基調としており、とても明るい雰囲気です


画像:2 階にある⻄さんのご⾃宅と、キッチンは共⽤
2 階にある⻄さんのご⾃宅と、キッチンは共⽤。ゲストによっては「⼀緒にご飯を⾷べましょう!」とお誘い頂いて深夜まで飲みながら語り明かすこともあるそうです


こうしてDIY によるゲストハウス作りがスタートした⻄さんご夫妻の「fukuoka guesthouse chillout」。後編では、地域の⽅との交流や、実際に利⽤されているゲストについてお聞きします。

 

(取材/後藤暢⼦)


<後編>


fukuoka guesthouse chillout

 https://www.booking.com/hotel/jp/gu-min-jia-diyhausu-chill-out.ja.html
 住所:福岡県福岡市⻄区宮浦2129-16
 電話番号:080-3967-7857


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