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更新日: 2020年2月25日

“リスクを取る企画屋”株式会社ブルースカイ・貞末代表が北崎エリアに出した解=“#ジハングン”<株式会社ブルースカイ ビジネスレポート 前編>

(2019年1月取材)

画像:貞末真吾 株式会社ブルースカイCEO(チーム宴会オフィサー)

「Acestudio」「STAND BY ME」「タイムカード」「trica」「アポロ」と、次々と斬新なアイデアで福岡の街を活気づけている“リスクを取る企画屋”株式会社ブルースカイ。同社は2018 年夏、北崎エリアに「#ジハングン」を仕掛け、すでにSNS で注⽬のスポットになっています。そもそも株式会社ブルースカイとはどんな企業なのか、そして#ジハングンが⽣まれた経緯を通して北崎エリアの魅⼒に迫ります。


2018 年夏。海の駅跡地に突如現れた“#ジハングン”


画像:ジハングンの写真(1)
当初5 台置く予定だった⾃販機が、2 台しか契約できずに空いたスペース。
しかしここに座って写真を撮るなど、訪れた⼈たちが思い思いの使い⽅をしています


福岡都市圏の⼈にとって、気軽に⾏けるドライブコースとしてもはや定番になった⽷島。その道中、⼆⾒ヶ浦にさしかかる開けたシーサイドに、昨年夏、突如として不思議な空間が誕⽣しました。


⻩⾊いフォトジェニックな箱が5つ並ぶこの場所は、「#ジハングン」。「⾃販機群」の略称です。


ドライブしながら⽬に⾶び込んできたこの場所は、あっという間にインスタグラムで⼈気のスポットとなりました。(2019 年2 ⽉時点で4300 投稿を超えています)この⾃販機たちとハイジを連想させるブランコ、そして撮り⽅次第で海のドラマチックな⾵景を切り取ることのできるオブジェたちと、コインパーキングのみのこの場所、今では平⽇でも平均100台、週末ともなると数百台の利⽤があるそうです。


そもそもどうしてこんな場所が⽣まれたのか、仕掛け⼈である“リスクを取る企画屋”株式会社ブルースカイ代表の貞末真吾さんにお話を伺ってみました。


「『#ジハングン』の場所を⾒に⾏ったあと、⻄区⻄ノ浦にある⼈気カフェ『サンセット』の林さんに『夏場になると駐⾞場が⾜りないのでいいんじゃないの?』とのアドバイスを受けたんです。もともと海の駅があったところだそうで、なんと3,000 坪が更地でした。2018年の4 ⽉にこの場所を⾒て『海の家にしよう』と思って計画を練り始めたんですが、なんと、上下⽔道が通ってなかったんです。これは整備すると物凄くコストが膨らむな、と。そこで、オペレーションが無⼈だけど⼈が来る⼿段はないかな、どうにかしてこの場所を活かしたいなと考え、『⾃販機』、恋⼈たちがアトラクションとして使ってくれるであろう『南京錠』、『ブランコ』というテーマだけを福岡の作家さんたちに投げて、いまの形になりました」「無⼈だけど何かできる場所にしよう」、という発想はなかなか思いつかないものですが、この点に関しては「そうですよね、これ、実は当時無⼈ホテルをやりたいなと思っていて、来る⽇も来る⽇も無⼈のことを考えていたからこそひらめいたんじゃないかな、と思っています」と語ってくれました。


画像:ドラマチックな写真(1)
サンセットが魅⼒のひとつであるこの海岸をバックに、ドラマチックな写真を撮ることができます


画像:ドラマチックな写真(2)
⼤⼈になって、ブランコって乗りましたか?


画像:ドラマチックな写真(3)
この夏には南京錠で埋め尽くされるかもしれませんね



ジハングンを⽣んだ株式会社ブルースカイと貞末さんについて


無⼈でも⼈が来る、インスタに写真が投稿される。そんな柔軟な発想ができる貞末さん。実はこれまでにも福岡内外で様々な企画を実現し、街を賑わせています。


画像:貞末真吾 株式会社ブルースカイCEO(チーム宴会オフィサー)(2)
この⽇は天神は⼤名にあるコワーキングオフィスでお話を伺いました。ビジョンとスピードに合わせて、場所を選ばずに働くのも貞末さんのスタイルの特徴のひとつです


貞末さんは、神奈川県鎌倉市出⾝。福岡に移住し、事業を展開するまでを聞いてみました。


「僕はアパレル会社を経営する両親のもとに⽣まれました。⼦どもの頃は主体性がまったくなくて。就職活動をする時期になってもやりたい仕事がなく、アルバイト先の先輩に勧められた企業に就職しましたが、会社の雰囲気に合わないことにすぐに気づき、3カ⽉で辞めました。
その後、⽗の紹介で繊維系の総合商社に転職し、卸業全般を経験しました。ある程度仕事ができるようになってきた⽮先、両親から『会社が勝負時だから戻ってきて⼿伝って欲しい』と⾔われまして。都内に続々と新店舗を出し、新たにニューヨーク進出を考えている時でした。順調に仕事をこなして数年が経ち、会社がニューヨークに進出すると打ち出したものの、なかなかプロジェクトが進まないので⽴候補し、ニューヨーク出店のリーダーに就任。培ってきた⼈脈を活かし、ようやく出店までこぎ着けました。しかし⽗の意向に沿わない⾏動を重ね、実の息⼦にも関わらず、ある⽇解雇されたんです。
ニューヨークに引っ越す予定でいたので、住む家もなくなり、せっかくだから好きなところに住もうと思い、出張で⾏ったことのあった福岡に引っ越しました」


まったくゼロからのスタートを、福岡で切った貞末さん。主体性のなかった⼦どもの頃とは違い、「⾃分で考えて決断し⾏動する」ということが実家の稼業では裏⽬に出てしまいましたが、福岡ではどういう展開を迎えたのでしょうか。


「実家の会社をクビになった⼈間なんて誰も雇ってくれないじゃないですか。ですから再就職という選択肢はありませんでした。そこでこれまでのキャリアを振り返った結果、まずアパレル会社での経験を活かして、従来の質屋とは違うセレクトショップ⾵のたたずまいの、若者でも⼊りやすいヴィンテージショップを始めました。この事業は軌道にのり、東京にも出店しました。その後も様々な事業に挑戦し、現在は、株式会社ブルースカイの社⻑として、『⽣涯の仲間と出会い、⽣涯忘れられないシビれる体験をつくる』というビジョンのもと、様々な事業を展開しています。事業の柱として、神社の境内にある⽇本家屋やレンガ作りの⼀軒家などスタジオにこだわった⼦ども向けのフォトスタジオ『Acestudio』を7 店舗運営しているほか、福岡市内で泊まれる⽴ち飲み屋をコンセプトにしたホステル『STAND BY ME』を、タイ・バンコクで唐揚げ定⾷など⽇本⾷などが楽しめる宿泊施設『ホステル trica』を運営しています」


⼀つひとつの事業が型破り。そして「シェアしたくなる仕掛け」満載なので、確実に訪れる⼈の⼝コミを誘い、集客へとつながっています。


後編では、そんな貞末さんが「#ジハングン」を通して表現したかったことや北崎エリアの可能性についてご紹介します。

 

(取材/後藤暢⼦)


<後編>


株式会社ブルースカイ

 http://bluesky2012.com/
 住所:福岡県福岡市⻄区⻄浦


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