NOCOHACHブランドを立ち上げて、事業としての売上は実際のところどうでしょうか?
2015年5月にパッケージのリニューアルを行い、主なターゲットである30代の女性に向けて、ブランドのコンセプトやイメージを整えていきました。美容やファッションに関心があり、流行にも敏感な女性が好むよう、デザイナーと一緒に作り替え、6月から販売を開始して。その結果、半年で前年同期の倍以上の販売実績を残すことができました。
それはすごいですね。
採集量には限界があるので生産を拡大し続けることは難しいんですが、適切な売上を立てることで生産設備の増強や安定生産にも算段がつくようになります。また、商品にブランド力が出てきたことで、注目され、メディアで取り上げられたりすることも多くなってきました。こちらから商品展開を広げる仕掛けも積極的に行っています。2016年2月からは、ホテル日航福岡のレストランのシェフとコラボした商品も誕生しました。
ホテル日航福岡のテーマレストラン「レ・セレブリテ」の森田シェフが、能古島のはちみつをスペシャルブレンドした、「「レ・セレブリテ」オリジナルブレンド」。能古島の自然の恵みが凝縮された、個数限定品です。
特に注意したこと、心掛けたことは何ですか?
6次化戦略にとって重要なのは、出口戦略です。販路をいかに拡大していくかが、難しいんですね。まずは地道に電話や飛び込みで営業をして、NOCOHACHIを置いてもらう百貨店や小売店などの取り扱い店舗を増やしていきました。味には自信があり、一度食べてもらえればよさがわかってもらえるので、試食販売イベントに力を入れています。私自身も売り場にも立って、お客様の好みを聞きながら、お勧めしていますよ。
果樹園や農地から販売まで、すべて上野さんが担当されるんですか!?
もちろん一人ですべてやるのではなく、それぞれの担当に任せていますが、僕は上流から下流まですべてを把握するようにしています。そうしないと、6次産業は難しいでしょうね。お客様の声を間近に聞きながら、それを次の生産品に直接反映できるのが、6次化の強みだと思います。
「能古の旬」で食べられる、NOCOHACHI百花みつを使った「クリームチーズとナッツの「のこはち」漬け」、500円也。濃厚で香り高いはちみつと芳醇なチーズの組み合わせが、至福の味わい!
上野さんは、農家や農業従事者という雰囲気とはずいぶん違いますね。プロデューサーみたいです。
そうですか!? 私はもともと広告宣伝の会社にいたり、IT企業に籍を置いていたこともあるので、全体を見通して効果的な見せ方や宣伝方法を考えるのは、これまで自分がやってきたことでもあるんです。だから、広告宣伝の手法で、ブランドを整えて展開していきました。確実に手応えが出てきて嬉しいのですが、もちろんプレッシャーもありますよ。生産からすべて自社でやっていますから、リスクが大きい。でもその分、夢を持って商品を売ることができるし、能古島に確実に貢献ができるのが、やりがいになっていますね。
ありがとうございます。では最後に、能古島の未来像について、考えていることを教えてください。
作家の檀一雄さんが終の住処に能古島を選んだように、能古には心安らぐ雰囲気があるので、乱開発ではなく、島の自然や環境のよさを守っていきたいですね。しかし、島は高齢化が進み、基幹産業であった漁業も衰退しているのが現状です。今後は、若い人が入ってきやすい環境を作ることが大事だと思います。そのためには、先進事例として「こんな暮らし方、こんな仕事ができる」ということを、僕らが見せていくことだと思っています。島内に仕事があり、安心して暮らして、子育てができるようになっていけば、明るい未来があるんじゃないかと思います。
一面の菜の花畑も、能古島の風物詩。3月が見頃です。暖かくなったら一度、訪れてみては?
農業生産法人 株式会社ヴァンベール
http://vanbeell.com/
住所:福岡市南区長丘1丁目20-8
株式会社ヴァンベールフーズ
住所:福岡市南区長丘1丁目20-8
能古の旬
住所:福岡県福岡市南区長丘1-20-8
WEB通販サイト「のこはち」ショップ
http://www.47club.jp/41M-000104flw