福岡市では、みんながやさしい、みんなにやさしい「ユニバーサル都市・福岡」のまちづくりを進めています。「人権が真に尊重され、差別のない住みよい福岡市」の実現をめざした福岡市人権尊重週間行事を実施いたしました。
各区において「福岡市人権を尊重する市民の集い」を開催し、全国的に活動されている講師をお招きして「講演会」を実施いたしました。
また、併せて、東区・南区・早良区の講演につきましては、期間限定の録画配信も行いました。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
◆プロフィール
1972年生まれ。毒舌漫談スタイルのピン芸人としてテレビ・ラジオなどで活躍中。1999年、身に覚えのない事件の殺人犯だとインターネット上に書き込まれ、言われなき誹謗・中傷を受け続ける。2011年に著書「突然、僕は殺人犯にされた ~ネット中傷被害を受けた10年間」が話題に。2019年には(一社)インターネット・ヒューマンライツ協会を設立、代表を務める。現在は、芸人として活動しながら、自身の体験をもとにネット犯罪の恐怖やその対策などについて各地で講演活動中。
◆感想(来場者アンケートより抜粋)
・たかがネット、たかが悪口、たかが言葉だけど、馬鹿にならない人命の話が聞けました。本当に人が死ぬ、自殺する、殺人事件になる、強盗される…。中傷は馬鹿に出来ず、重い結果になると知りました。人が死ななくても、何十年も中傷が続くなんて異常だと思う。削除も難しいなんておかしいと思う。自分も家の中の気の緩んだ時に書き込む言葉に、更に気を付けようと思った。他にも大切な話を沢山メモしました。スマイリーキクチさんに感謝します。
・改めて、ネットの使い方を誤ると、なんと恐ろしい事態を引き起こすのかを再確認できました。自分自身は気をつけても家族、特に子どもはどの程度の知識を持っているのか不安になりました。家族と話す機会を持とうと思いました。元々キクチさんの笑顔が好きでしたが、本当に大変な思いをされたあともその笑顔を失わずにおられて良かったです。
◆プロフィール
1990年生まれ。出生時の性別は女性として生まれるも、現在は戸籍上も男性となる。高校卒業後に地雷撤去を行うため陸上自衛隊に入隊し、任期満了後は自分の目で世界の現状を確かめる為に世界一周の旅に出発。帰国後は LGBTQ+の方の総合サポート事業を個人で立ち上げ、2020年に株式会社アカルクを設立。多様な人が働きやすい職場環境作りを専門に行い、年間100本以上の研修や講演を行い、他社のアドバイザーなども務める。
◆感想(来場者アンケートより抜粋)
・性的少数派の友人がおり、パートナーシップ制度を利用したと数年前に聞きました。当時は、へーそうなんだとよく分かっていませんでしたが、今回どのような制度か分かり、またそれに法的な力がない事も知る事が出来ました。当事者の方をとりまく現状は、まだまだ良いとは言えないのだなと辛くなりました。より良く社会で生活が出来る世の中にする為に、自分達になにが出来るのか考えるきっかけになりました。
・ご本人の体験を通しての話でしたので、とても現実的で、心にしみるお話でした。今までLGBTQのお話をたくさん聞いてきましたが、今日ほど感動した講演はありませんでした。でももし家族や身近に当事者がいて、カミングアウトされたらどうしたら良いのかきっと悩むと思います。今日の講演はとても参考になりました。ありがとうございました。
宮津航一さん
宮津美光さん
◆プロフィール
(航一さん)2003年生まれ。2007年に熊本市慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」に3歳で預けられる(開設初日第1号)。同年、里親の宮津美光・みどり夫妻のもとへ委託。2022年こうのとりのゆりかごに預けられた生い立ちを公表。
(美光さん)日本ファミリーホーム協議会九州ブロック理事などを務める。2007年に妻とともに里親登録を行い、2022年には熊本県内で最初に「ファミリーホーム」を開設し、これまでに30人以上の里子を支援。
◆感想(来場者アンケートより抜粋)
・宮津航一さんのお話をきいて、家族の大切さを改めて知ることができました。私は大学2年生で、宮津さんと歳が近く、親近感がありました。お話をきいていく中で、ほんとうに21歳?と思うことが何度もあり、心を動かす話し方だったなと思います。今回の講義は、母からの誘いで、私自身病院ではなく助産院で生まれたということもあり、学校帰りに時間もぴったりだったので来ることにしました。こども食堂のボランティアにも積極的に関ろうと思います。素敵な講義をして下さり、ありがとうございました。
・航一さんが生いたちを公表され、社会の中の子どもたちのことを考え前を向いて活動されていることに深い感銘を受けました。家族とは血のつながりではない、というのは航一さんを見てとてもよくわかります。根柢にあるのは人間への愛。今日のお二人やその周りの方々の人間への愛こそが世の中のいろんな問題を解決する鍵だと思います。とてもいい講演でした、ありがとうございました。
◆プロフィール
1955年東京都生まれ。性と身体性をテーマに過激な言葉づかいと独特なリズムの詩で現代詩を揺さぶり続けるかたわら、自らの体験を綴った育児エッセイが世の母親たちの共感を呼ぶ。近年では語りを基盤に、古典や仏教への興味を打ち出し、『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞、紫式部文学賞をダブル受賞。古典やお経の現代語訳も手掛ける。2018年春、カリフォルニア生活を引き上げて熊本に帰り、早稲田大学文化構想学部教授を3年間務める。
◆感想(来場者アンケートより抜粋)
・西日本新聞でいつもお悩み相談を読んでいて、その回答にいつも「なるほど!」と感心していたので、伊藤比呂美さんが講演すると知って、是非お目にかかりたいと思い参加しました。今まで読んできた相談の回答者の中で、比呂美さんの回答が一番納得出来ました。「相談者の側に立つ」という姿勢を大事にされている事、だからこんなに読んでいて安心するのかな、と思いました。この講演会に参加出来て良かったです。比呂美先生の暖かくハッキリとした言葉は人権尊重の思いに溢れていました。
・人権というと敬遠しがちですが、「日常の~、日々の~」というテーマが良かったと思う。講師の事は少しは存じておりましたが、「百聞は一見に如かず」でした。参加して良かったです。退屈させないお話ぶりもベター!今後は、書籍との出会いの中でお会いしたいと思います。有難うございました。
◆プロフィール
1991年早稲田大学卒業後、日本テレビのアナウンサーとなる。バラエティ番組やキャスターを経て、報道局へ。2001年、結婚を機にフリーとなる。ハンセン病をテーマにした『女子アナ失格』(新潮社)出版以降、人権や差別をテーマに全国の自治体、寺社、学校などで講演活動等をおこなっている。人権教育啓発推進センター発行の「アイユ」インタビュアーとして、人権課題に取り組むトップランナー100人以上を取材。
◆感想(来場者アンケートより抜粋)
・ご自身の体験を話していただき、私たちに人権の大切さを教えてもらいました。言葉の奥にあるものは、どれだけ自分を苦しめてきたのだろうと想像すると胸にこみあげてくるものがありました。差別がなくなるまで頑張っていきましょう。
・人権問題は知らないがゆえのトラブルだと思います。知ることで問題とならないようにしたいものです。定期行事に参加している人は良いですが、平日が多く若手中堅の方の参加をどうするかが課題だと考えます。ハンセン病の差別経緯は理解しました。報道のあり方に疑問を持った。幼少期のセクハラの深い問題を初めて理解できた。
◆プロフィール
ネッツトヨタ仙台で働いていた2013年39歳の時にアルツハイマー型認知症と診断される。営業から事務職に異動し、勤務を続け、現在は認知症への社会的理解を広める活動が仕事になっている。2015年より認知症の当事者のための物忘れ総合相談窓口おれんじドアを開設、自らの経験を語る活動に力を入れている。著書に「丹野智文笑顔で生きる」(文藝春秋)、「認知症の私から見える社会」(講談社)など。
◆感想(来場者アンケートより抜粋)
・ご本人の実体験をご本人から聴くことができて、自分事として考えるキッカケになりました。ご自身の実情、認知症のかたに対する対応、問題点を一所懸命に話される姿に元気をもらいました。「自分」を生きるとは誰にとっても大切なことですね。支援者の心構えも本当に勉強になりました。当事者への支援を優先することが大切。家族の困り事から解決してしまいがち。支援者は家族へ話しかけることが多いが、当事者へ話をすることが大切。
・支援しすぎることのデメリットを何かにつけて感じていたので、本日の講演には同意する点が多々あった。支援という名の下に人権を侵害していないか、常日頃から気をつけておくべきだと思った。支援に代わる「工夫」をいろいろ考えることが必要だと感じた。紹介された工夫の例の一つ一つに「当事者の思いから出発して考えている」ことが伝わってきて、認知症について我々ができることはまだまだたくさんあると痛感した。「失敗する権利」「自分で決めることを応援する」、という言葉に集約されている。
左:千晶さん、右:眞澄さん
◆プロフィール
部落で育った妻・千晶さんと、親に部落出身者と付き合うことを反対された夫・眞澄さん。現在は、お互いの家族の理解を得て、幸せな夫婦生活を送っているが、幾多の困難を乗り越えてきた。その後、二人は自身の部落差別にまつわる経験を若い世代を中心に、さまざまな人たちに伝えたいと中学校や高校、その他各地で講演活動をしている。差別に対して逃げることなく、明るく前向きに立ち向かう姿勢に心打たれる。
◆感想(来場者アンケートより抜粋)
・信頼している人、尊敬している人、家族から言われると差別の意識もなく信じてしまうと思う。部落差別だけでなくいろいろな人権問題に関して、今日のお話を聴いてまだまだ自分事としてとらえられていないと考えさせられた。正しい知識を身に付けないとみんなが幸せになるために、家族のために良かれと思って差別をしてしまうということばがささりました。
・講演、ありがとうございました。今回印象に残ったのは、人権学習をしていない大人が差別を広めているということ。学習をしていない大人が、誰もが幸せに生きる権利を奪っているということです。講師が言われた 人権感覚を磨く という言葉から、校区人尊協や公民館でもいろんな人権を学ぶきっかけ作りを考えていかねばと改めて感じています。貴重なお話を聞かせていただき、感謝でいっぱいです。
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