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更新日:2026年6月1日

令和5年度第2回市民活動広聴事業

Re Lifeプロジェクトの皆さんと高島市長が、
「介護の魅力発信」をテーマに意見交換を行いました。

リライフの集合写真

Re Lifeプロジェクトの活動内容

Re Life(リライフ)プロジェクトは、福岡県内の介護福祉士養成校で構成された福岡県介護福祉施設協議会のうち参画希望校により2015年に発足した「介護の魅力発信」を行う学生主体のプロジェクトチームです。

 

「介護の仕事は重労働で低賃金」といったネガティブなイメージが根強く残る中、介護職への理解や就業者対策などの課題解決に向け、公開型大規模イベントなどを通じ、介護の楽しさや魅力を発信しています。

 

2023年は5校が参画し107日に福岡市役所西側ふれあい広場で開催予定のイベント「ふくおかカイゴつながるプロジェクト2023」の開催に向け、現在、様々な企画を計画中です。

最新の介護技術を見学しました

要介護高齢者の増加が見込まれる中、介護職員の負担軽減やサービスの質の向上のため、介護ロボットによるパワーアシストやICT(情報通信技術)の活用による事務処理の効率化など、最新技術の積極的な導入が必要となってきます。

 

今回、移乗・移動支援機器やセンサーを活用した見守り支援機器、介護記録アプリなど、その最新技術の一例について、学生から説明を受けました

 

移動サポートロボット
Hug(ハグ)」移動サポートロボット、ベッドから車イスへの移乗介助や立位を保持
見守り介護ロボット
aams(アアムス)」見守り介護ロボット、寝ている利用者のバイタルを離れた場所から管理
介護記録アプリ
「ハナスト」AI音声入力アプリ、インカムで発話すると自動的に介護記録を作成

これまでの歩みについて

Re Lifeプロジェクト実行委員長からこれまでの歩みについて、説明を受けました。

 

スライドによる説明
実行委員長

 

2015年に発足以降、リーフレットの作成や大規模イベントの実施など積極的に活動を行っており、2018年のイベントで実施した認知症の方と学生が食堂を運営する「注文を間違えるめんたい屋さん」は多くのテレビ局や新聞に取り上げられ話題になりました。

 

また、2019年の「ふくおかカイゴつながるプロジェクト」には2,400人もの人が来場し、多くの反響がありました。

 

今年度も、同イベントの開催(107日福岡市役所西側広場で開催予定)に向け、演劇をとおして、認知症当事者とのコミュニケーションを考える認知症劇や吉野家のケア食牛丼食べ比べなど、様々な企画を計画中であることを話してくれました。 

「介護の魅力」について意見交換を行いました

(つながる文化)

小笠原先生(Re Lifeプロジェクト代表兼福岡介護福祉専門学校校長)
介護業界は、3K(きつい、汚い、危険)などのネガティブイメージが、中々払拭できないところがあります。もちろん、私たち介護に携わる者はそういったイメージは持っておりません。

 

学生たちは、そういう中でも、介護福祉士になりたいと夢や期待をもって、この世界に入ってきています。その学生たちが、主体的にイベントを企画して介護の魅力を発信していくことが、ネガティブイメージの払拭にもつながるのではないかということで活動しています。

 

市長
今度のイベントで計画している「牛丼食べ比べ」とは、どういったものですか。

 

小笠原先生
今の高齢者世代が若い時は、まだまだ企業戦士と言われ、吉野家の牛丼をかきこんで仕事をしていた時代があったそうです。
その当時、牛丼をたくさん食べてくれた方々が高齢者になった今、恩返しをしたいということで「ケア食牛丼」を開発されたそうです。

 

老化などによりに飲み込みにくくなることで、普通の牛丼が食べられない方に、あの頃の吉野家の味を味わうことで、ばりばり仕事をしていた自分を思い出してもらいたいという想いがあるそうです。

 

市長
食べやすかったり、飲み込みやすかったり色々工夫されているということですか。

 

小笠原先生
弱い力でも噛めるように柔らかくなってたり、きざんでたり。でも味は吉野家の味。

 

市長
知らなかったですね。

 

実行委員長
Re Lifeプロジェクトに参加している5校の生徒で毎月1回会議を行い、どういう企画にするかを考えています。

 

小笠原先生
学生が企画したものを私たち教員が実現させる支援をしています。学校を超えて学生たちが集まってイベントするというのは全国的にもすごく珍しい。

 

私はこれは、福岡の屋台文化と同じだと思っています。屋台に行くと他県の人でも役職関係なくみんな仲間になれる。他県の方からは、福岡はどうして学校を超えて簡単に集まれるんですか、と不思議に思われるのですが、元々つながっているんですよね。福岡ならではの人間関係の特徴が表れているのではないかと思います。

 

市長
福岡市役所近くの赤煉瓦文化館に「エンジニアカフェ」というのがあって、そこでも企業を超えてエンジニアが集まって、みんなで一緒に勉強会をして学び合って高めてるんですよね。

 

小笠原先生
福岡はつながる文化があるのですね。

 

スライドによる説明

(介護職を目指したきっかけ)

市長
どうして、介護の学校に入ろうと思ったか、将来介護の世界に行こうと思ったのかな?
自分も祖父母が近くには居たけど一緒には住んでなかったし、例えば、排泄の介助とかも子どもの頃見たことがなかったんですよね。だから、どうしてみんなは介護の世界に行こうと思ったか、きっかけが知りたくて。

 

副実行委員長
私は、自分の祖母が老人ホームに入所していて、コロナ前はよく面会に行っていました。その時に他の入所者の方が、「おばあちゃんのお孫さんかわいいね」と温かく言ってくれて。私はそれで心もすごく温かくなって。そして職員の方が介助する時、すごく丁寧に周りにも配慮しながらテキパキと介助してくださって。

 

こういう高齢者の方の笑顔をずっと守ることができるもっと役に立つ仕事がしたいと思うようになりました。高校の授業で高齢化が進んでいると聞いたので、自分がその時感じた夢で社会貢献ができるのではないかと思って、この介護福祉業界を目指すようになりました。

 

市長
日本のいわゆる「田舎」と言われるようなところは、長い時間をかけて高齢化しているので、地域の色々な仕組みが、ゆっくりと必然的に対応してきているけど、福岡みたいな都心部は、ここから10年以内で一気に高齢化率が上がる。そうすると、ゆっくり時間をかけて高齢化が進んでいる地域と違って、急激にそのニーズが増えていくわけだよね。
昔は高齢者バンザイとか言っていたのに、今は、本来喜ばしいはずの高齢化が「高齢化問題」という言われ方になってきている。

 

それは今お話いただいたような介助する人や働き手の数が足りなくなるといった問題が起こるからであって、そうでなければ本当は問題じゃないはずだし。
だから今、お話いただいたような「笑顔がいっぱい作れたらいいなと思ってる」という人が介助してくれるのであれば、すごくハッピーな社会になっていくはずだよね。

 

小笠原先生
ではRe Lifeプロジェクトに参加しての感想を副実行委員長と実行委員から。

 

副実行委員長
私は、Re Lifeプロジェクトに参加する前は、同じ介護を目指す学生たちとの関わりがすごく少ないと感じていたのですが、参加することで学校を超えての交流ができ、他の学校の学生がどのようなことを考えているかなど、横のつながりが持てるということを実感しました。

 

市長
Re Lifeプロジェクトのメンバーも、女性の数が多いと思ったのですが、学校全体も割合でいくと、女性の方が多いのかな。何対何ぐらいになるのかな?

 

副実行委員長
あまり差はないですが少し女性が多いと思います。6(女性)対4(男性)くらいだと思います。

 

実行委員
今回Re Lifeプロジェクトに参加して、あらためて介護を学んでいる学生がたくさんいるとわかって、とても嬉しく思いました。私の学校は12名しか介護の勉強をしている学生がいなくて、こうやってみんなと協力して、参加できるのはありがたいことだなと思っています。これからも頑張っていきたいです。

 

実行委員1人目より説明
副実行委員長の2人目より説明
副実行委員長の1人目より説明

(日本の介護、世界の介護)

小笠原先生
在留資格が取れるので、介護福祉士の養成校にはたくさんの留学生もいます。
全国の養成校は大体3割程度ですが、福岡県や福岡市は5割程いて、たくさんの留学生が福岡市で介護資格を目指して学んでいます。彼女たちはネパールと中国から福岡市へ来ています。
どうして日本で介護を学ぼうと思ったのか、またどうして福岡市なのかお話を聞かせてください。

 

実行委員
私の友達から「福岡市が全国で1番住みやすいところだ」と聞き、福岡市を選びました。実際に福岡市へ来てそう思いました。
私がネパールにいた時は、介護の技術や知識を学ぶ学校などはなくて、インターネットで日本の技術や介護学校の授業などを見て勉強していました。日本へも興味がわいて色々な知識とか技術を学んで、自分の国でも目指して行きたいと思って日本で勉強するために来ました。

 

実行委員
私の出身地は中国のとても寒いところで、その後に移住した東南アジアはとても暑いところでした。日本への移住は、東京とか京都とか色々考えて、福岡に決めました。小さい頃の記憶は、とても寒いと暑いなので、福岡はとてもいいところだと思いました。

 

介護の仕事は日本に来る前に少ししていて、中国も高齢化が進んでいると聞いていました。インターネットで色々調べて、福岡の介護、日本の介護は、他の国の介護と違うことが分かりました。今は一年生なので、知識を勉強しているところです。

 

市長
ありがとうございます。国際会議に出た時、私が福岡市として準備していた話は、IoTを使った見守り技術などの話だったんですね。ところが、そういう技術は、他の国でもすでにやっていたり。

 

逆にそこで発見したのが、「病気を治す」というアプローチは色々な国でやっているけど、その病気と「寄り添って」とか、自由がきかなくなっている身体と「つき合いながら」といった、病気を「治す」のではなく、病気と「つき合っていく」といった発想が海外ではあんまりないということ。

 

「見守り」という言葉は、監視などとは違って、やわらかに、ふんわり見守って、おかしいなという時にお互い助け合うといったような、日本では馴染みのある言葉だけど、海外では意外とその意味が通じない。

 

だから昔から日本がやってきたようなことに、実は今強みがあるのだと分かって。これは、おそらく世界的に見ても日本の強いところで、これからますます高齢化が進む中でみんながやっていることは、実はすごく最先端なことをやっているという自信を持って、ぜひこれからも取り組んで欲しいなと思います。

 

小笠原先生
まさにこのRe Lifeプロジェクトの「Re Life」という名前の意味が市長がおっしゃってくださったことなんですね。

 

障がいを持つということは場合によっては、今まで暮らしていた家に帰れない、仕事が再開できない、趣味も失うこともあります。医療は「どこが麻痺しているか」などを見ますけど、私たち介護福祉職は障がいを負うことで、「人生の中で何を失ったんだろう」というところを見ます。

 

失ったものがあれば、私たち介護福祉士の力を上手に使ってもらえれば、仕事や失った趣味を再開できるかもしれない、家に帰ってまた家族と暮らせるかもしれない、でも取り戻せないんだったら、新しい自分の人生や生きがいを一緒に創造していきましょうよと。

 

まさに市長のお話をお聞きして、私たちが目指しているところを世界にもきちんと評価いただいていると感じました。海外へ行ったときに「介護」は訳さないで、「日本のkaigo」として伝えた方がいいですよと言われたんですよね。

 

市長
私もその時の気づきがきっかけでプロジェクト始めました。
テクノロジーとか、例えば家電製品などは、昔は日本が世界一だったけど、今はアメリカも中国も伸びてきて、日本の一番はどんどんなくなってきている。その中でも発酵食品の漬物とかは日本が今でもリードしている分野だったりする。そして「介護」というのも実はすごく日本が世界に対して強みを持っている分野なんですよね。

 

冒頭に言われた3Kというイメージは確かにあると思うけど、大変さという点でいくと、先程紹介してくれたような最新の介護技術を使えば、楽になると分かったし、力仕事の部分を介護ロボットやICT機器でヘルプしてもらいながら、マネジメントや人にしかできないことに、より注力していく形ができたらいいなと思いました。

 

実行委員2人目より説明
実行委員3人目より説明
実行委員4人目より説明

(これからの介護業界)

市長
介護ロボットやICT機器は、現場ではどれくらい使用されているのですか。

 

実行委員
私が実習で行ったときは、移乗リフトや福祉機器が使われている現場がほとんどでした。

 

市長
現場も変わってきてるんですね。賃金はどうでしょうか。

 

小笠原先生
国の処遇改善などで本俸は上がっています。今、現場では「介護はもう安い仕事ではなくなりましたね」などと言われることがあります。養成校を卒業した介護福祉士が夜勤をした場合、1年目で手取りが20万を超えることもあります。

 

課題はそこから10年後にどれぐらいあがっていくか。10年後、20年後の給料は、一般企業に比べればまだ差があると感じています。ただ、今までの安いというイメージはかなり払拭されていていると思います。

 

市長
やっぱり生活が安心してできる給料がないと、安心して就職できないからどのようにすれば給料を上げることができるのか。
それで、入所料が高くなってもいけないし、どのようにするのがいいのでしょうか?

 

小笠原先生
社会保障の難しさですね。

 

市長
収入が増えることがすごく大事だと思っています。少なくともマネジメントの部分が楽になることで、合理化できることが増えると思うので、そういった工夫で収入を増やす努力も大事ですよね。

 

誰かが主人公になって、介護のかっこいいドラマとかできてほしいですね。昔から、ドラマで出てきた職業に就きたいって思うことも結構ありますよね。

 

多くの人の顔が見えるところに、皆さんのようなキラキラした方に行っていただいて、この世界楽しそうだなっていうふうに印象をどんどん変えていくように、ぜひこれからも頑張ってください。