福岡市早良区脇山(谷口)
今を去ること1100年以上も前、熊野の地から比丘尼(尼僧)が脇山へやってきました。 水不足に苦しむ農民たちを見て、農業用水路工事を提案しましたが、そんなことができるはずがないと、だれも力を貸してくれなかったので、自力で来る日も来る日も用水路を掘り始めました。
それを見た村人は次第に比丘尼を尊敬するようになり、力を合わせてとうとう立派な用水路を完成させました。
彼女は「自分が死んだら田を見下ろせる場所に埋めてください」と遺言を残しました。脇山の谷口の小高い山の上に、彼女の墓があり、傍らには地元の人々の感謝が込められた碑が建てられています。