ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ 初の大阪開催で垣間見えた「地方移住の波」

平成26(2014)年11月30日、「ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ」が初めて大阪で開催されました。今回は、京都移住計画と福岡移住計画とのコラボレーションが実現し、京都と福岡、それぞれの土地で活躍するITクリエイターたちがゲストとして登壇。会場には50名程の参加者が集まりました。

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京都・福岡両移住計画は、それぞれの土地で暮らしてみたい人の想いをカタチにするという移住応援プロジェクトで、主に「居」「職」「住」の観点からサポートを目的にしています。

京都移住計画をおこした田村篤史さんは、自身の京都移住のきっかけについて、「ずっと、東京で暮らすの? 」という問いがあったことを挙げます。この問いを前にした時、「一生は住まない」、「いつかは京都に戻りたい」という思いに至った田村さんは、同じ思いを持った人々と移住計画を実際に行っていくことを決めたのだとか。

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一方、福岡移住計画の発起人・須賀大介さんは、東日本大震災をきっかけに、人生と仕事のあり方を考え直し、東京からの移住を決意したそうです。

福岡市を筆頭として各地に広まりつつある移住計画。では実際、福岡と京都、それぞれの土地へ移住し働き、生活を送っていくうえで、どのようなメリット/デメリットがあるのでしょうか。

本イベントでは、ITクリエイターたちの本音トークとして、福岡に本社を構えるソフトウェア開発会社「Nulab(ヌーラボ)」の橋本まさのりさん、福岡の映像制作会社「空気株式会社 KOO-KI」の木綿達史さん、京都のソフトウェア開発会社「Nota INC.(ノータ)」 の洛西一周さん、同じく京都発のIT企業「FutureSpirits(株式会社フューチャースピリッツ)」の河本暁宏さんが登壇。福岡と京都、それぞれを拠点とし、仕事をすることについて議論が交わされました。

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まず福岡・京都双方に共通し、メリットとして挙げられたのは、都市がコンパクトなため、横の繋がりが強いという点。次々と人と繋がることも可能なため、新たなビジネスが生まれるチャンスもあるのだといいます。東京に比べ、賃料が安い、自然が近い等の「当然の利点」はある一方で、やはり仕事をするうえで、この「人の繋がり」という視点は、地方都市の大きな魅力となっているようです。

一方デメリットとしては、発信力が弱いという点が挙げられました。パワーメディアが少ないことによって、首都圏に比べ、どうしても外部発信力が弱くなってしまうという点は、地方都市に事務所を構える際の今後の課題となりそうです。

しかしいずれにしても、本イベントを通して強調されたのは、地方都市への移住を考える際においては「人の繋がり」が重要だという点。その意味でも今回のイベントのような、実際の移住者たちとの出会いの場を提供する機会は、移住への第一歩として非常に貴重なものだといえそうです。また、イベント終盤では、福岡と京都、各々の登壇者たちがお互いの都市に住みたいと言い合うようになるほど、みんなで地方都市を盛り上げていこうとする姿勢が強く見受けられました。

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今回のイベントは福岡と京都への移住を目的とするものでしたが、全国でこうした移住計画は広がりをみせ、岩手や島根などでもすでにプロジェクトが始動しているとのこと。今後、各地域での移住に対する取り組みが盛り上がりをみせてくることは間違いないようです。

【関連リンク】
ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ2014
http://fcc.city.fukuoka.lg.jp/