ヤンゴン市では、都市化の進展,集中豪雨の増加などにより、雨期に道路冠水や家屋浸水が頻発し、大きな課題となっていたことから、浸水対策に関する技術協力についてヤンゴン市より強い要望を受けました。そこで、度重なる浸水被害を経験し培ってきた福岡市の浸水対策技術・ノウハウを活用して、ヤンゴン市職員の能力向上に取り組むことになりました。
ヤンゴン市内の浸水の様子
ヤンゴン市水路内ののゴミの堆積状況
福岡市は、ヤンゴン市の浸水被害軽減に向け、国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業」の採択(平成27 年6 月)を受け、平成28 年3 月より3 年間で、ヤンゴン市職員の排水計画策定に関する能力向上を図ることを目的とした「ヤンゴン市道路排水能力改善事業」を実施しました。
事業では、道路下水道局全体で協力し、計14 回延べ79 名の本市職員の派遣や、計3 回延べ20 名のヤンゴン市職員の研修受け入れを通じて、「ヤンゴン市の排水状況把握と浸水原因解明」、「排水計画策定に関する技術指導」、「ヤンゴン市職員と共働のモデル地区における排水計画策定」などを行いました。
この取組みについては、14名の現地技術者を育成した点、湖を貯留施設として活用することにより浸水対策の目的を達成できた点、ヤンゴン市の地場企業や本邦企業のビジネス機会を積極的に創出し、地域活性化に配慮した点等が評価され、平成30 年度全建賞(都市部門)を受賞しています。
技術協力の様子(測量)
技術協力の様子(排水計画策定)
技術協力の様子(福岡市内の工事現場視察)
ヤンゴン市では、日本の援助などにより排水施設整備が本格的に動き出しており、ヤンゴン市から、その整備効果を十分に発揮するための、継続した技術協力の要請があったことから、福岡市では、令和2年1月に「JICA草の根技術協力事業(第2期事業)」 に引き続き取り組むことになりました。
この事業では、計画の次の段階である排水施設の適切な建設や維持管理についての技術協力や水路のゴミを減らすための市民啓発活動への協力を行っていきます。
技術協力の様子(グループ討議)
技術協力の様子(ヤンゴン市内の工事現場視察)
キックオフミーティングの様子