リンは肥料の三大要素のひとつで、農作物の生育に不可欠なものです。肥料の原料に欠かせないリンは、ほぼ全量を輸入に頼っており、近年の輸入価格高騰により、国内における肥料価格が高騰し、農家の経営に打撃を与えています。
そこで福岡市が着目したのは、下水に含まれるリンです。
食料に含まれるリンは、人体から排出されたのち、下水道に流れていきます。この下水に含まれるリンをリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)として回収した再生リンを、福岡市では「ふくまっぷneo」と名づけ、肥料の原料に有効活用しています。
ふくまっぷneoのふくまっぷは福岡のMAP(まっぷ)、neo(ネオ)は新しいという意味を込めて職員が考案し、名付けました。
福岡市内には7カ所の水処理センターがあり、家庭や事業場などから排出される下水を以下のような流れで処理しています。
和白水処理センターでは、下水処理の過程で発生した汚泥からリンを回収する設備を令和2年度から3年度にかけて更新し、令和4年度から稼働を開始しました。令和4年度は年間で約100トンの再生リンの回収を見込んでいます。
和白水処理センター MAP設備パンフレットはこちら
ふくまっぷneoの知名度をあげるため、市職員がアイデアを出し合い、以下のロゴマークを作成しました。ふくまっぷneoを配合した肥料のパッケージに掲載されています。
福岡県の花である梅の花びらで福岡の「ふ」を表し、花びらの色は水、緑、大地、太陽の循環を表現しています。
ふくまっぷneoを肥料の原料として有効活用することは資源循環となり、SDGsに貢献します。
以下の内容で登録しています。
肥料名称 : ふくまっぷneo
登録番号 : 生第107268号
肥料の種類 : りん酸マグネシウムアンモニウム
登録年月日 : 令和4年5月10日
保証成分量 : アンモニア性窒素(N) 4.0%
く溶性リン酸(P) 20.0%
く溶性苦土(Mg) 11.5%
令和4年6月から、肥料の原料としてふくまっぷneoをJAグループへ供給し、
令和4年9月から、JAグループが製造しているエコ肥料「e・green」シリーズが県内のJAで販売開始されました。
e・greenシリーズとは、ふくまっぷneoと、県内のJAから仕入れた牛糞や鶏糞、豚糞を主体とした堆肥を配合し、粒状に成形した肥料です。
令和4年7月26日の市長定例会見で、ふくまっぷneoを有効活用し、JAグループと連携してエコ肥料を製品化することを発表しました。
以下のイベントにブース出展し、ふくまっぷneoやエコ肥料、下水処理についてPRしました。
・令和4年10月 一人一花サミット(警固公園)
・令和4年11月 あさくら祭り(朝倉市甘木)
・令和5年3月 ボタニカルライフスクエア オープニングフェア(福岡市植物園)