バイオ燃料の普及促進について
博多港では、船舶や車両から排出されるCO2の削減を図るためバイオ燃料の普及を促進しております。
バイオ燃料とは・・・バイオマス(生物資源)を原料とする燃料のことで、化石燃料を代替するカーボンニュートラルな燃料として利用拡大が期待されています。
船舶へのバイオ燃料の本格導入を開始<令和7年度>
船舶から排出されるCO2の削減を図るため、これまでバイオ燃料導入の実証実験を進めてきました。
実証実験の結果、船舶等への影響は無いことが確認されたことから、令和7年度より、市が保有する清掃船2隻において、バイオ燃料の本格導入を開始しました。
事業の概要
(1)本格導入する船舶

清掃船「第2かもめ」
バイオ燃料を導入する市有船舶
|
かもめ |
第2かもめ |
総トン数 |
18トン |
19トン |
全長 |
12.5m |
15.1m |
清掃船とは・・・水域の環境保全や船舶の安全航行を確保するため、海上に浮遊する木の枝やごみ等を専用の回収装置を用いて収集する船舶のことです。
(2)使用する燃料:廃食油から製造されたバイオディーゼル燃料(FAME)、約25%混合

使用するバイオ燃料
(左が回収段階の廃食油(植物油)、右が精製したバイオ燃料)
これまでのバイオ燃料導入の実証実験<令和5・6年度>
実証実験の概要
実証実験の内容
- 既存燃料(軽油)にバイオ燃料を約25%混合した燃料を使用して試験航行を実施
- バイオ燃料の使用によるエンジンへの影響の有無等を調査
<令和5年度>
- (1)対象船舶:福岡市所有清掃船「第2かもめ」(総トン数:19トン)
- (2)試験航行の期間:令和5年10月12日から令和6年2月14日まで
- (3)使用するバイオ燃料:脂肪酸メチルエステル(FAME)、約25%混合
- (4)実証実験の委託事業者:豊田通商株式会社(名古屋市)
<令和6年度>
実証実験の結果
- 既存燃料(軽油)による運航と比較し、出力や操作性、燃料消費量に差異は認められず、既存の設備のままバイオ燃料の使用が可能であることが確認できました。
- 試験航行後にエンジンを分解し、内部の部品等を調査した結果、汚損具合や機関内部への堆積物等についても、既存燃料使用時と比較し、差異は認められませんでした。
実証実験の様子
バイオ燃料給油状況:左側の青い船が清掃船、右側の緑の船が燃料補給船
バイオ燃料活用実証事業<令和6年度>
博多港のカーボンニュートラルポート形成に向けた取組みの一環として、車両から排出されるCO2の削減を図るため、環境局と港湾空港局が連携し、バイオ燃料を活用した実証事業を行いました。
実証事業の概要
- (1)実証車両:貨物車6台
内、1台はコンテナターミナル内のトレーラーヘッド(博多港ふ頭株式会社 所有)
トレーラヘッドとは・・・コンテナ船からクレーンによっておろされたコンテナを、保管場所まで運んだり、反対に保管場所から船に積み込むために運んだりするため、コンテナターミナル内のみを走行する車両のことです。
- (2)実証期間:令和6年7月12日から令和6年12月頃まで(供給するバイオ燃料がなくなり次第終了)
- (3)使用するバイオ燃料:HVO(水素化処理油)、20%混合
- (4)実証内容
・バイオ燃料を既存燃料である軽油と混合し、試験走行を実施
・バイオ燃料の使用によるエンジンへの影響の有無等を調査
- (5)現場見学会(令和6年7月12日開催)
実証事業を開始するにあたり、報道関係者向けに現場見学会を開催しました。
実証実験の結果
実証実験の報告書は環境局ホームページへ
見学会の様子

実証事業に使用するトレーラーヘッド
(全長:16.3m(荷台連結時)、幅:2.5m、高さ:2.9m)

バイオ燃料の給油状況

トレーラーヘッドの作業状況