【発行号】令和7年2月1日号【掲載面】市政特集面【カテゴリー】お知らせ
市の未来を描く―福岡市総合計画―新しい基本計画ができました

 総合計画とは、市がまちづくりを計画的に進めるための道しるべとなるものです。市は、多くの市民の皆さんの意見を取り入れ、今後10年の長期的な方向性を示す基本計画を新たに策定しました。

●総合計画とは

総合計画の構成図

 総合計画は、本市の将来の健全な発展を促進するために策定する総合的な計画のことで、「基本構想」「基本計画」「実施計画」の三つで構成されています。
 「基本構想」は、市が長期的に目指す都市像を示したものです。「基本計画」は、基本構想に掲げる都市像の実現に向けて、まちづくりの目標や施策を総合的・体系的に示した10年間の長期計画で、「実施計画」は、基本計画を進めるために市が取り組む具体的な事業を示した4年間の中期計画です。
 この総合計画の下、子どもや保健福祉、環境や交通など、各分野別の計画等を策定しています。

 

●総合計画の歩み
 昭和36(1961)年、市は全国に先駆けて総合計画を策定し、その後も、時代の変化に応じて改定してきました。
 平成24(2012)年には、新たな基本構想と第9次基本計画を策定し、これに基づいてまちづくりを進めてきました。この間、人口や市税収入は大幅に増加し、市政に関する意識調査では95%を超える市民が「住みやすい」と答えるなど、国内外から、元気なまち、住みやすいまちとして評価されています。
 この第9次基本計画が令和6年度末に計画期間の満了を迎えることから、新しい基本計画の策定に向けて取り組んできました。

 

花壇に球根を植える子どもたち

● 第10次基本計画

市は、二千年を超えるアジアとの交流の中で、多様な人材や、豊かな自然と充実した都市機能がコンパクトに整った都市空間など、多くの財産を築いてきました。こうした強みを礎に、「人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市」を目指して、まちづくりを進めています。子育てしやすい環境づくりや教育環境の充実、安全・安心なまちづくりなどに注力しながら、観光振興や都心部の機能強化、スタートアップ都市づくりなどに積極的に取り組んできました。

豊かな自然とコンパクトな都市機能が 魅力の福岡市
 一方、世界では、気候変動等による脱炭素への機運の高まりやテクノロジーの飛躍的な進歩、ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良い状態であること)やダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包摂性)などの新たな価値観が重視され、社会が大きく変化しています。
 また、国内では、少子高齢化の進展による労働人口の減少や長引く物価高などが課題です。市でも、将来的な人口減少や単独世帯の増加等を見据え、地域コミュニティーの活性化や福祉の充実、国際競争力が高いビジネス環境の創出など、あらゆる分野で持続可能なまちづくりに取り組んでいく必要があります。
 さまざまな課題に対応しながら、社会の変化と多様な価値観をしなやかに取り入れ、九州、日本全体を牽引(けんいん)する役割を担うとともに、アジアの中で存在感のある都市を目指して、挑戦し続けることが求められています。
 このような認識の下、今後の都市経営の方向性を明らかにし、八つの分野別目標等を掲げた基本計画を策定しました=下記参照。
 
■問い合わせ先/総務企画局企画調整部 

電話 092-711-4864 

FAX 092-733-5582

■福岡市の目指す都市像(基本構想)
1自律した市民が支え合い心豊かに生きる都市
2自然と共生する持続可能で生活の質の高い都市
3海に育まれた歴史と文化の魅力が人を引きつける都市
4活力と存在感に満ちたアジアの拠点都市

■都市経営の基本戦略
<1>「生活の質の向上」と「都市の成長」の持続的な好循環を創り出す
<2>多様な人材が育ち、集い、チャレンジできる環境をつくる
<3>福岡都市圏全体として発展し、広域的な役割を担う

 

まちに「みどり」を

市役所北側緑地
 基本計画策定に当たり実施した子どもたちへのアンケートでは、「みどり・自然」に関する意見が多く寄せられました。世界でも、都市や建築物の緑化が注目されています。
 市は、緑豊かなまちづくりに積極的に取り組むため、住宅都市局を「住宅都市みどり局」と改めます。花や緑があふれ、市民が潤いと安らぎを感じられる街を目指します。

 第10次基本計画の内容を、市ホームページ(「第10次基本計画」で検索)で詳しく紹介しています。

■都市像の実現に向けた八つの分野別目標

都市像の実現に向けた八つの分野別目標
生活の質の向上
目標1 一人一人が心豊かに暮らし、自分らしく輝いている
目標2 全ての子ども・若者が夢を描きながら健やかに成長している
目標3 地域の人々がつながり、支え合い、安全・安心に暮らしている
目標4 人と自然が共生し、身近に潤いと安らぎが感じられる

持続的な好循環

都市の成長
目標5 磨かれた魅力に人々が集い、活力に満ちている
目標6 都市機能が充実し、多くの人や企業から選ばれている
目標7 チャレンジ精神と新たな価値の創造により、地域経済が活性化している
目標8 アジアのモデル都市として世界とつながり、国際的な存在感がある
 

基本計画ができるまで多くの市民の声が集まりました

■みんなでつくる福岡市の将来計画プロジェクト
 市は、基本計画を策定するに当たり、市民の皆さんから広く意見を募るために、「みんなでつくる福岡市の将来計画プロジェクト」を令和5年度に実施しました。
 
●アンケートやメール・郵送による募集
 まちづくりについて活発に 意見が交わされました
スマートフォンなどから、いつでも誰でも回答できるよう、オンラインでのアンケートを実施し、8242件の回答を得ました。アンケートには延べ3315件の自由記述意見も含まれ、子ども・教育や交通など、さまざまな分野に関する意見が寄せられました。

市の将来像を市長の前で発表しました
 また、メールや郵送などでも受け付け、小学生からは作文や工作など、たくさんの思いが詰まった創造性あふれる作品が届けられました。さらに、外国からの来訪者にもアンケートを行い、503件の回答を得ました。
 参加者の皆さんが市の将来像を書いたボード
●ワークショップ
 
高校や大学、市民サークルなど多様なコミュニティーに市職員が参加し、市の未来について一緒に考え、語り合うワークショップを開催しました。開催回数は45回に上り、合計1278人の市民が参加しました。活発に意見が交わされ、一人一人、自分の思い描く市の将来像を、ボードに書きました。
 ワークショップの参加者からは「まちづくりについて考えるよいきっかけになった」「多くの人と意見交換をすることができて、充実した時間だった」などの声が聞かれました。
 地域で行われたワークショップ
●未来を担う子どもたちにも
 
約12万人の小中学生を対象に、タブレット端末を利用してアンケートを実施しました。その結果を実行委員会の小中学生10人が取りまとめ、昨年11月に行われた「福岡こども未来サミット」で発表しました。
 実行委員会がまちづくりのアイデアを発表し、その内容を四つの都市像に分類して、小中学生によるオンライン投票を実施しました。その結果「自然にやさしく魅力あふれるまち」が最も共感を集め、自然や環境への関心が高いことが分かりました。
 また、小学生がゲームを使って、住みたいまちの姿を表現する取り組みも行いました。
 市立小中学校で使用している1人1台のタ ブレット端末を活用してアンケートを実施
●有識者や民間の意見も
 
さまざまな分野の有識者20人にインタビューを行い、市の強みをはじめ、グローバル社会への対応や魅力的なまちづくりなど、今後の展望や市に期待することについて語ってもらいました。
 また、産学官で構成される福岡地域戦略推進協議会(FDC)が、まちづくり団体や経済団体と連携してイベントなどを実施し、その結果を取りまとめ、市に提言しました。
 詳細は、市ホームページ(「みんなでつくる福岡市」で検索)に掲載しています。
 
■問い合わせ先/総務企画局企画調整部 

電話 092-711-4864 

FAX 092-733-5582

■福岡市総合計画審議会の萩島理(あや)会長の話
 第10次基本計画の答申書を市長に渡す萩島会長(九州大学副学長)
この変化の激しい時代に、10年先を予想するのは大変難しいことです。これまでの10年で、着実に福岡のまちは変わっています。例えば、10年前は天神ビッグバンが始まった年で、ここ数年で新たなビルが続々と竣工し、国内外からさらに多くの人が集まってきています。
 人口減少社会を迎えた日本においては、2040年ごろまで人口増が見込まれる福岡市にも少子高齢化の波は押し寄せています。このような状況下では、すぐに結果が出ることに注目してしまいがちですが、10年後、20年後の未来を見据え、福岡市が持続的に発展していくための方向性を示すことが重要です。
 基本計画の内容を審議する市総合計画審議会は、48人の有識者で構成されています。昨年4月から11回の審議会を開催し、多様な分野で活躍している委員の皆さんから、さまざまな視点で意見が出されました。子ども・若者への支援、ダイバーシティ(多様性)、災害対策、緑の充実、経済政策など多くの意見を計画に反映することができたと確信しています。
 計画は策定して終わりではありません。福岡市の明るい未来のために、この計画を着実に進め、さらに魅力的なまちになることを期待しています。

もっと知りたい!福岡市のこと
出前講座をご利用ください
 
●福岡市の総合計画~市がめざす将来の姿~
 
市職員が地域に出向き、「市の特徴は?」「どんなまちを目指しているの?」などの疑問に分かりやすく答えます。おおむね10人以上の団体が対象です。詳細は、市ホームページ(「福岡市 出前講座」で検索)でご確認ください。総合計画の講座の申し込みは、総務企画局企画調整部(電話 092-711-4864 FAX 092-733-5582)へ。

福岡アジア都市研究所(URC※)セミナー
 
●FUKUOKANEXT(ネクスト)~福岡のこれまでの成長と未来設計~
 
【日時】 3月18日(火曜日)午後2時から4時30分 

【場所】 アクロス福岡(中央区天神一丁目) 

【定員】 70人
 
九州産業大学の山下永子教授による基調講演「都市のブランディング戦略~国内外の事例から見た福岡の方向性~」のほか、「第10次福岡市基本計画」や「データから見た福岡の成長性」についての講演、登壇者による座談会が行われます。
 オンラインでも参加できます。申込期間は2月1日(土曜日)から3月14日(金曜日)。詳細は、URCホームページ(「URCセミナー」で検索)でご確認ください。※URCは都市政策の研究・提言を行う機関です。
 問い合わせは、福岡アジア都市研究所(電話 092-710-6431 FAX 092-710-6433)へ。

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