現在位置:福岡市ホームの中の早良区の中のくらしの情報の中の人権・男女共同参画からさわら人権啓発だより第34号(令和6年2月発行)
更新日: 2024年2月16日

さわら人権啓発だより(第34号)

  

「さわら人権啓発だより第34号」を早良区人権啓発連絡会議にて発行いたしました。
 本号では、令和5年7月の主催講演会及び同年12月の福岡市人権尊重週間講演会等をご紹介します。



私たち早良区人権啓発連絡会議は、各校区の人権尊重推進協議会、自治協議会などの各種機関・団体の代表者で構成しています。私たちは、あらゆる差別をなくすために、地域ぐるみの自主的な推進組織である校区人権尊重推進協議会等の活動に取り組み、区民の人権意識の高揚を図り、差別のない明るいまちづくりを目指して活動しています。ここ数年は新型コロナウィルスによる入場規制を強いられておりましたが、ようやく今年度から入場規制のない開催となりました。今年度は早良市民センターホールにおいて、早良区人権講座(6月、9月、10月、11月の計4回)をはじめ、早良区人権を考えるつどい(7月)、人権を尊重する市民のつどい(12月)を開催することができました。また、講演会後の動画配信も好評につき、引き続き実施することができました。この「さわら人権啓発だより」では、皆様に7月と12月の講演会等についてご紹介します。


早良区人権を考えるつどい

「好感・共感・親近感が人権力を育む…」
~人権・同和問題の解決をめざして~

  • 講師:関西外国語大学教授 明石一朗さん
  • 開催日:令和5年7月6日(木曜日) 14時00分~15時30分
  • 場所:早良市民センター
  • 参加者:会場120名、録画配信135回

講師の明石一朗さんは、母校で初任校でもある大阪府貝塚市立東小学校で教師となり、小学校の学校長等を経て、現在は関西外国語大学で教員養成等の人材育成に力を注がれています。以下、当日の講演内容をご紹介します。


好感・共感・親近感とは

「好感・共感・親近感」と書かしていただいたんですけれども、何事も好感を抱き、共感し、身近に感じることっていうのは、心に染み込んでくるものだと思うんです。子どもの教育も好感・共感・親近感がベースです。


人権とは何か

人権とは何かと改めて聞かれると難しいです。でも一言で言うとしたら、人権は幸せになること、みんなが赤ちゃんからご高齢の方まで、幸せに生きる、それを追求してきたのが人権ではないかと思うんです。平たく言えば、幸せに毎日暮らすことが人権なんだと思います。


同和問題を考えるときに何が一番前提になるのか

「もう同和問題は過去の問題だと思うんですよ。それをわざわざ学校教育で、同和教育とか人権とか取り上げたら、知らん子まで知って、差別が広まると違いますか。同和教育をやるから差別が広がると思うんです。」と言われることがあります。人権侵害というものがあるから、その解決に向けて、人権・同和教育や啓発活動、こういう市民のつどいをしてると思うんです。私達もこの市民のつどい、学校での同和教育、みんなで理解を深めて、協力し、繋がっておけば、人権侵害がもし起こっても、みんなの協力で、それを正しい幸せな地域を作っていくことができると思うんです。


同和問題とは何か

社会的・歴史的経緯の中で作られた差別なんです。中世までの被差別の民も存在しました。しかし、中世の被差別の民は一代限りで、親から子へ世襲ではないんです。江戸時代が形成されていく中で身分というものが固定されていきます。そこで当時の為政者は中世のその「ケガレ」意識とか、被差別の民の一部を利用して、身分と住むとこと仕事を固定化していったんです。これは被差別部落だけじゃありません。すべての人々に、身分という階級を作り、それで世の中を成り立たしていったわけです。封建社会が確立していく中で、意図的に作られていった人為的な日本固有の人権侵害問題なんです。しかし、明治4年解放令が出まして、市民平等になったんですが、実態としての差別はその後残っていったわけです。


部落差別解消推進法とは

7年前(2016年)に部落差別解消推進法が国会で成立しております。画期的なことは、今までの法律で部落差別をダイレクトに取り上げるような法律はなかったんです。しかし、これは実定法でありません。理念法といいまして、差別に対して、きちっと相談支援体制を作ろう、そして、教育・啓発、新たな実態を調査しよう、これが大きな柱です。


当時の同和教育とは

ちょうど今から70年ほど前ですね。同和地区の子どもたちの3人に1人は学校に来てなかったんです。でも当時多くの先生方は、いやもうそこら辺の地域の子は、やる気がないんや、本人のなまけ親の無理解、だから、もう学校来てないんやと。でも、心ある先生方が、地域に足を運ぶんです。家庭訪問するんです。そこで見たのが子どもたちの差別と貧困だったんです。お父さんお母さんの仕事を手伝ったり、妹や弟の子守をしたり、たまに学校に行けたらいじめられる。何とかこの地域の子どもたちの暮らしや学力を高めたい。そうして始まったのが、同和教育運動だったんです。


人権教育は何から始まったのか

最も深刻かつ緊急を要する人権侵害問題は、同和問題であるというこの同和教育から人権が始まったんです。人権というのはね、一部の気の毒な何かかわいそうな人たちのことを、暗くて堅苦しく、怖い問題じゃないんだよ。同和問題を通して人権教育を取り組むということは、みんなの幸せが広がる社会を作るということなのです。


地域との連携

地域の教育力。学校いうのは先生がおって子どもがいて、それだけじゃ学校は成り立たない。有形無形の地域の皆さんが育んで、支えてくださってるんだ。準備万端地域の皆さんにもお力をいただいて、よかったなと思ったんですね。準備万端整えて、子どもに最善のことを提供するのが教育まさに人権だと改めて思いましたね。


必ずや、なくなると私は思います。

その差別は作られて、そういう差別はあるけれども、必ずこうすればなくなるんだ、みんなの力でなくすことができるというね、見通しや展望、さしずめ教育は、当時はなかったですね。こうやったらなくなるんだという見通しと展望です。見通しのある出口の見える人権教育・同和教育をやってきたのか。私は見通しはあると思いますね。


正しく学ぶこと

40年前なんか電車、どこの電車でもみんなタバコ吸ってたでしょう。今考えられませんね。つまり、みんなの意識、マジョリティの意識が変わったら社会が変わるんです。人権問題もこういうことですよね。街中で、差別をするような人は見ないような、みんなが当たり前、みんなが幸せ、豊かで安心して健康な地域を作っていこうというのが、今日のつどいのねらいかなと思います。




第52回人権を尊重する市民のつどい(早良区会場)

「セクシュアリティと人権」

  • 講師:鳴門教育大学大学院学校教育研究科 准教授 眞野豊さん
  • 開催日:令和5年12月4日(月曜日)14時00分~15時40分
  • 場所:早良市民センター
  • 参加者:会場101名、録画配信119名

講師の眞野先生は1981年に北海道でお生まれになり、九州大学大学院地球社会統合科学府博士後期課程を修了され、2017年に性の多様性を前提とした学校教育の開発で博士号を取得。現在は鳴門教育大学大学院学校教育研究科准教授でLGBTに理解のある教員を1人育てれば、その人が学校で性の多様性を教え、理解ある人をふやすことができるという強い思いのもと、教員の養成に力を注いでいらっしゃいます。以下、その講演内容をご紹介します。


セクシュアリティーとは

代表的な四つを説明します。性を構成する要素の一つ目は性的指向です。性的な関心がどこに向くかを指し示す概念です。二つ目に書いてあるのは性自認。三つ目に書いてあるのは性表現。四つ目は身体の性的特徴、私たちの身体には性的な特徴があることは、皆さんご存知のとおりです。


人権だという認識がないと差別が起こってしまう

ここに書いてある四つの性を構成する要素というのはすべて、私たちみんなが持っている権利です。ところが、これらがしっかりと人権だという認識がないために、差別が起こっています。


性的少数者であった時、なぜ嫌悪感を持つのか

子どもの頃、少しずつ、性的少数者に対する嫌悪感というものを、様々なメディアを通して取り入れてしまって、いつの間にかそういう同性愛者やトランスジェンダーの人に対する嫌悪というものができて、それが行動となって現れると、こういう差別行為ということになります。


性の連続性

色の変化のように女性や男性というのも、どこかでスパッと切り替わるわけではなくて、段階的に変化していく、繋がりがある、連続性があるんですね。実は性というのは、連続性を持った現象なんです。この性の連続性を「性はグラデーションだ。」というふうに表現したりすることもあります。


性的少数者の子どもが直面する困難

性的少数者の子どもが直面する困難とは、自己受容の困難、自分で自分を受入れることができない。二つ目、自己開示、人間関係づくりの困難、周りにばれたらいじめられるから壁を作るわけですが、その壁によってどんどん孤立していく。自己イメージが困難ロールモデルがないので同性愛者の自分トランスジェンダーの私はどう将来生きていけばいいのかわからない。正しい情報にアクセスできない。このような困難があります。


差別をなくす“11ヶ条”

  • ①性(セクシュアリティ)は人権。
  • ②性はグラデーションである。
  • ③教室・職員室・家庭に性的マイノリティがいます。
  • ④性の多様性を前提とした環境作り(掲示物、図書)。
  • ⑤性的マイノリティを否定する言動をしない。
  • ⑥正確な情報を知る・伝えよう。
  • ⑦性的マイノリティに関する話題を秘匿化しない。
  • ⑧差別や偏見は「社会の問題」。
  • ⑨学校・職場で“性の多様性”の研修を行いましょう。
  • ⑩保護者・地域への啓発。
  • ⑪当事者探しはしない。

性的少数者の子どもへの支援

性的少数者の子どもへの支援の仕方については、文科省が2015年の通知以降に指示しています。要約するに、その子の性自認を尊重した対応をしなさい、或いは個別的に対応してあげなさい、こういうことだと。この2点に要約することができると思うんですね。しかしながら、文科省のこの指示は最低限の指示であって、これだけではまだまだ不十分だと思っています。


差別を支える社会構造が問題

ある出来事が起きました。次の日に何があったのかをAさんから聞きました。Aさんによると、その教室に入ってた時に男子の一部が、ゲイという言葉を使ってからかってたそうです。それはAさんをからかってたわけではなくて、男の子同士でふざけ合っていたらしいんです。Aさんは中1の時にレズビアンの親友を失っているから、からかいが人の命を奪うことを、この子は身をもって知っていたんだと思います。問題は、このAさんの個性を尊重できない、理解できない周りの子どもたちだったんです。幾らAさんばかり見て支援したって、それは問題解決しないの当たり前なんです。本来的にやらなくてはいけなかったのは、周りの子どもたちの意識を変える授業をすることだったんです。差別というのは、当事者個人の問題ではありません。そうではなくて差別は、差別を支える社会構造の問題です。差別に変化を起こさせるためには、差別を支えている社会の側に手をつけなくてはいけません。



令和5年度早良区人権講座実績一覧


第1回人権講座

  • 日時:6月22日(木曜日)
  • 講師:堀井智帆さん
  • 演題:生まれてきてくれてありがとう

第2回人権講座

  • 日時:9月22日(金曜日)
  • 講師:林隆一さん
  • 演題:あんしんして暮らせる地域とは?

第3回人権講座

  • 日時:10月26日(木曜日)
  • 講師:山口はるみさん
  • 演題:ずっと助けてと叫んでた

第4回人権講座

  • 日時:11月22日(水曜日)
  • 講師:堤麻衣子さん
  • 演題:音に遊ぶ~心の自由を求めて~

 
さわら人権啓発だより第34号おもて。内容は本文に記載。
さわら人権啓発だより第34号うら。内容は本文に記載。

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