高度処理とは通常の処理法で得られる水質以上の水質を得る目的で行う処理法のことで、一般にリンや窒素を除去する処理法のことをいいます。
博多湾の富栄養化による水質汚濁を防止するため、湾内に流入する栄養塩類であるリンの削減を目的として「嫌気好気活性汚泥法」と「MAP法」によるリン除去施設の整備を完了し、現在運転しています。
さらに、平成8 年6 月に博多湾におけるリンと窒素の環境基準が定められたことを受け、平成19 年度より、リンと窒素を同時除去する高度処理施設を一部導入しており、平成19年度より東部水処理センターの1 系列、平成21 年度より西部水処理センターの1系列、平成23 年度より和白水処理センターの1系列で「嫌気無酸素好気法」を導入しています。
また、平成26 年3 月に供用を開始した新西部水処理センターでは、「凝集剤併用型ステップ流入式3 段硝化脱窒法」(急速ろ過併用)による高度処理を導入しています。
生物反応槽の前段を嫌気槽、後段を好気槽にしてリンを汚泥中に封じ込め余剰汚泥として引き抜くことでリンを除去します。
一般的な処理法である標準活性汚泥法のエアレーションタンクに凝集剤を添加してリンを汚泥とともに沈降分離することでリンを除去します。
生物反応槽を嫌気槽、無酸素槽、好気槽に分け、汚水を好気槽と無酸素槽で循環させることで、窒素を気化させ空気中に放出させるとともに、リンを汚泥中に封じ込め余剰汚泥として引き抜くことで窒素・リンを除去します。
生物学的窒素除去に凝集剤によるリン除去を組み合わせた処理方式で、無酸素槽-好気槽のユニットを3段式にすることにより、窒素除去を効率的に行うことができます。
汚泥処理過程で発生するリンを含んだ汚泥等にマグネシウムを添加し、MAPとして、リンを回収します。
MAPとは、Magnesium Ammonium Phosphate(リン酸マグネシウムアンモニウム)の略で、次の化学反応により生成されます。
福岡市では、MAP法によるリン回収を平成8年度から取り組んでおり、回収したリンを肥料として有効利用しています。
MAP設備に「消化汚泥」及び「水酸化マグネシウム」を投入し、「粉状」のMAPとして回収します。
MAP設備に「脱水ろ液」及び「塩化マグネシウム・苛性ソーダ」を投入し、「粒状」のMAPとして回収します。