下水熱利用について

 近年、太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーのひとつとして「下水熱」が注目されており、福岡市では民間事業者の方でも下水道管きょ内に熱交換器等を設置し、熱を利用することが可能です。
 下水熱利用を検討する際に参考となる情報として本ホームページで「下水熱ポテンシャルマップ」を公開しています。


下水熱利用の概要

(1)下水熱とは

 下水は外気の影響を受けにくいため、下水の水温は外気温に比べて夏は低く、冬は高いという特徴があります。下水熱利用は、この温度差を給湯や冷暖房等のエネルギー源として利用することにより、省エネ・省CO2化を図るものです。
 例えば、空調利用においては、外気を熱源とするよりも下水を熱源とする方が、空調の設定温度との差が小さくなり、その分、動力が削減されます。


外気温と下水温度のグラフ

下水水温と気温との比較(イメージ)(国土交通省ホームページより)



全国での導入事例など、詳しくは下記国土交通省のホームページ(外部サイト)をご覧ください。

 下水熱利用の推進に向けて(国土交通省ホームページ)(外部リンク)


(2)福岡市の取組み

 福岡市では、地下鉄七隈線延伸事業によって令和4年度に新設された博多駅に下水熱を導入しています。下水道管きょ(比恵1号幹線)内に設置する熱交換器により排熱し、博多駅の電気室等の空調の一部として下水熱を利用しています。


地下鉄七隈線博多駅における下水熱利用の概要

  • 地下鉄七隈線延伸事業(福岡市交通局)に伴い新築された駅舎の電気室、信通機器室等の空調(冷房)に下水熱を利用
  • 設備導入により電力削減量は約53千kWh/年、CO2排出量は約20t-CO2/年削減見込み
     ※電気のCO2排出係数0.389kg-CO2/kWh(九州電力2021年度)


地下鉄七隈線博多駅の下水熱利用の概要



熱利用の検討にあたって

(1)下水熱ポテンシャルマップ

 下水熱ポテンシャルマップは、下水熱を利用するための目安となる下水熱ポテンシャルの量と位置を示したものです。
 「天神地区」、「博多地区」、「ウォーターフロント地区」における夏季と冬季のマップを掲載しています。
 空調や給湯設備の新設・更新の時期に合わせ、下水熱利用システムの導入を検討する際などに、本マップをご活用ください。
 なお、本マップで示した値は、各地点で下水流量の全量を5℃温度変化させるよう熱利用した場合の推定値です。また、代表日のポテンシャルを推計しているため、降雨等の影響は考慮しておりません。詳細な導入の検討にあたっては、下水の流量や温度等の実測が必要となります。



(2)国の補助制度の紹介

 下水熱利用設備を導入する際の費用については、国土交通省や環境省などが支援制度を設けており、下記ホームページで紹介されています。なお、制度については定期的に見直しが行われておりますので、最新の情報をご確認の上、制度の利用をご検討ください。

 下水熱利用の推進に向けて(国土交通省ホームページ)(外部リンク)