福岡市道路下水道局は、合流式下水道の改善に取り組んでいます。
合流式下水道とは、家庭や事業所で発生する「汚水」と、空から降ってくる「雨水」を合わせて一つの管で流す方式で、工事が容易で下水道を早期に普及させることができるため、早くから下水道を整備した本市都心部とその周辺の約2,500ヘクタールが合流式となっています。
この方式は、工事が容易なほか、小降雨時は初期雨水も水処理センターに送ることができるなどの長所がある一方で、一定以上の降雨時に、雨水とともに未処理下水の一部を川や海に放流することによる汚濁発生や、道路面に下水の異臭が出てくることがあるなどの問題があります。
雨天時の汚濁問題解決に向け、降雨時にポンプ場や雨水吐き室における未処理下水を一時的に貯留し、降雨後、水処理センターに送水し、きれいな水に処理するための「雨水滞水池」という地下プールを、現在までに2箇所設置しています。
名称 | 貯留規模 | 供用開始 |
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草ヶ江雨水滞水池 | 2,000立方メートル | 平成5年4月 |
菰川雨水滞水池 | 35,000立方メートル | 平成13年4月 |
近年では、雨天時における汚濁問題に加え、街なかにおける下水道からの異臭問題などが顕著となり、合流式下水道の諸問題の総合的な改善が必要となってきました。
このため、本市は、合流式下水道を分流式に改造する「分流化事業」に取り組むこととし、平成16年度より博多駅周辺地区約300ヘクタールにおいて事業に取り組んでいます。また、平成21年度より天神周辺地区についても事業に取り組んでいます。
なお、分流化事業には多大な費用期間を要することなどから、その他の区域については、博多駅周辺地区や天神周辺地区の進捗状況を見ながら長期的に検討します。
福岡市道路下水道局 計画部 下水道計画課 〒810-8620 福岡市中央区天神1丁目8-1
TEL:092-711-4515 FAX:092-733-5533 E-Mail:gesuikeikaku.RWB@city.fukuoka.lg.jp
分流化事業として、合流区域の中でも緊急に浸水対策が必要であり、流出する汚濁負荷の減効果が高い博多駅周辺地区約300ヘクタールを対象に平成16年度より事業に取り組んでいます。
また、天神周辺地区では約100ヘクタールを対象に平成21年度より事業を開始しました。令和元年度からは事業範囲を173haに拡大し、浸水対策と連携を図りながら事業に取り組んでいます。
福岡市道路下水道局 建設部 中部下水道課 〒810-8620 福岡市中央区天神1丁目8-1
TEL:092-711-4698 FAX:092-711-4466 E-Mail:c-gesui.RWB@city.fukuoka.lg.jp
分流化の促進にあたっては、公共下水道の分流化とともに、民地における排水設備の分流化が必要です。
このため、民地の分流化に向け、平成16年度に下水道条例を改正するとともに、平成20年度より改造工事費助成制度を創設しております。
民地の分流化に向け、ご理解・ご協力をよろしくお願いします。
分流化の整備を完了した地区で、建物の新築や改築などが行われる際に、分流式排水設備を義務づけるための「福岡市下水道条例の一部改正」を平成16年3月29日に行い、平成16年10月1日より施行しております。
これは分流化の整備を完了した区域内で、建物の新築、改築、増築及び移転(以下、「新築等」という)をする場合にのみ、分流式排水設備の設置を義務化するものです。
なお、既存建物の排水設備は対象外ですが、以下の助成制度などをご利用いただき、分流式への改造をお願いします。
合流式下水道から分流式下水道へ変更となった分流化区域内の既存建物について、民地の分流化促進を図るため、既に合流式下水道としての排水設備改造義務を果たしている家屋所有者に、分流式排水設備に改造する支援措置として、「排水設備分流化改造工事費助成制度」を設けております。
・改造工事費について・・・市の基準により審査し、認定された工事費の全額を助成します。
ただし、復旧工事は原形復旧(同等品での復旧)を原則とします。
改造前(例)
改造後(例)