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更新日: 2019年10月9日

水源かん養林の整備計画

 福岡市は、水源のおよそ3分の1を筑後川に依存するなど、地理的に水資源に恵まれていないため、新たな水源開発とともに、各種の節水施策に積極的に取り組んでいます。また、昭和53年の大渇水を契機に、水源かん養機能を有する水源かん養林の重要性を再認識し、市内の本市水道専用ダムである曲渕、脊振、及び長谷ダムの集水区域1)内の山林等を取得・整備を行うことにより、水源かん養機能を高めるとともに、乱開発等による水質の汚染防止に努めています。平成31年3月末現在、3つのダムの集水面積の約3割(565.6ヘクタール)を本市水源かん養林として所有しており、この管理を適切に行うため、平成16年度に向こう60年間に亘る「福岡市水道水源かん養林整備計画」を作成し、間伐などの計画的な整備に取り組んでいます。




市内水源かん養林の現状


曲渕ダム集水区域

  1. 集水区域は約1,140ヘクタールで、そのうち約40パーセントが福岡市の水源かん養林です。
  2. 人工林2)と天然林3)の割合は、約7対3です。
  3. 福岡市水源かん養林の約8割がここの水源かん養林で占めています。
  4. 全体の7割がスギやヒノキ等の人工林です。
  5. 人工林の7割が41年生以上の林齢です。

曲渕水源かん養林の写真

曲渕水源かん養林





脊振ダム集水区域

     
  1. 集水区域は約550ヘクタールで、そのうち約10パーセントが福岡市の水源かん養林です。
  2. 人工林と天然林の割合は、約6対4です。
  3. 全体の6割がスギやヒノキ等の人工林です。
  4. 全体の7割が41年生以上の林齢です。

背振水源かん養林の写真

脊振水源かん養林






長谷ダム集水区域

  1. 集水区域は約180ヘクタールで、そのうち約30パーセントが福岡市の水源かん養林です。
  2. 人工林と天然林の割合は、約7対3です。
  3. 全体の7割がスギやヒノキ等の人工林です。
  4. 全体の9割が41年生以上の林齢です。

長谷水源かん養林の写真

長谷水源かん養林





水源かん養林の役割


水は森林から生まれる  

 森林の土壌は、落ち葉やミミズなどの土壌生物の働きによって、すき間の多いスポンジのような構造になっており、降った雨を浸透させ、また一時的に土壌内に貯水して洪水を抑制(洪水緩和機能)し、降雨のない期間でも河川などにゆっくりと流出(雨水貯留機能)する機能があります。また、流出する水は、濁りが少なく、下流の河川・湖沼の富栄養化の原因となる窒素やリンをわずかしか含まない(水質浄化機能)特徴があります。
 間伐4)など、しっかりと森林の手入れを行い、様々な樹木や草などが生育している森林は、このような機能を効果的に発揮してくれます。これら3つの機能を十分発揮できる森林が、水源かん養機能の高い望ましい水源かん養林です。





本市にとっての理想的な水源林

 一つには水源かん養機能を持つ森林ですが、また同時に、公有地として市民の理解と協力を得ながら適切な水源林を維持していくために、市民との関わり合いの機能を持つ森林をもう一つの理想像として掲げています。


福岡市にとって理想的な水源林イメージ







水源かん養林整備の基本方針


水源かん養機能を向上させるための管理


(1)人工林

  • 皆伐5)及び主伐6)は、原則として行いません。
  • 適切な間伐を計画的に実施します。
  • 既存の人工林については、除伐7)や間伐を繰り返しながら徐々に下層に多くの広葉樹や草本類が混入した状態の複層林8)へ誘導していきます。

望ましい人工林の写真

望ましい人工林(約50年生のスギ林)
(下層の広葉樹が大きくなり複層林化した人工林)






(2)天然林

  • 50年生以下(若齢期)の林分は、適切な整理伐採9)をします。
  • 50年生以上(壮齢期)の林分は、原則として放置します。

望ましい天然林の写真

望ましい天然林(60年生以上の広葉樹林)
(樹冠10)が適度に開き、階層構造11)が発達した天然林)





(3)森林以外の土地

  • 竹林、裸地、草地、農耕地は原則として林地転換し、基本的には広葉樹を植林します。




水源かん養機能を向上させるための管理体制

効率的かつ効果的な水源かん養林整備を進めるため、森林GIS12)を導入した管理システムの整備を図り、水源かん養林のデータを蓄積します。


水源かん養林管理システムの画像

(水源かん養林管理システム)




水源かん養林の取得

私有林(保安林指定林は除く)を対象に、現地の状況に応じた効率的な森林の取得に努めます。




水源かん養林の木材の利用

間伐などで発生した木材の利用については、有効活用を積極的に推進します。




水源かん養林と市民との関わり合い

水源かん養林の役割や重要性を積極的にPRするとともに、身近な自然の場として、市民が水源かん養林とふれあう活動の拠点となるような森づくりを推進します。



(1)市民活動の推進

水源かん養林の整備にあたっては、育林活動などを行う市民ボランティアを育成するとともに、市民団体が水源地域において実施する植樹・育林等の活動に対し経費の一部を助成するなど、市民参加の森づくりを推進します。

植林状況の写真 

植林

下草刈り状況の写真 

下草刈り

間伐状況の写真 

間伐


(2)啓発活動の推進

福岡市のHP、広報紙などを通じ、水源かん養林の大切さについて広く周知・啓発を図ります。また、子どもたちを対象とした体験学習等を通じて、水源かん養林に関する認識を深めるなど森林に関する環境教育を推進します。


用語の説明

  1. 集水区域・・・雨が降ると山をつたって水が流れ、ダムに水が貯まる。そのダムに集まる雨の降る区域のこと。
  2. 人工林・・・主として木材生産を目的として、種子を苗畑に播き、2年から5年育てた苗木を山に植えかえ、人の手をかけてつくりあげる森林。
  3. 天然林・・・主として天然の力によって造成された森林。地表へ種子が落下・着床した後、発芽・生長してできる森林。人工林の対比語。
  4. 間伐・・・主に植えられた樹木の本数密度を調節するために行う伐採のこと。林の中に陽光が入り、多様な植物が生え、健全な森林の維持増進を図るために行う。
  5. 皆伐・・・林木を一時に全部または大部分を伐採すること。
  6. 主伐・・・伐期(木材として利用できる状態)に達した林木を伐採すること。
  7. 除伐・・・育成樹木の生育を妨げる他の樹木を伐採すること。
  8. 複層林・・・樹齢や樹高の異なる樹木から構成される人工林の総称。
  9. 整理伐採・・・放置された天然林や荒れた人工林内の不良木や枯損木などを切り払うこと。
  10. 樹冠・・・樹木の枝や葉の集まり。
  11. 階層構造・・・林の中で、樹高の違う樹木がいくつかの階層をつくりだしている状態。
  12. 森林GIS・・・GISとは、地理情報システム(Geographic Infomation System)の略。地図と森林の現地情報(樹種,林齢,作業履歴等)を一元管理できるシステムで,水源かん養林を効率的に整備・管理するために活用している。