昭和53(1978年)年の異常渇水の経験を契機として,昭和56(1981)年から市内配水管の流量や水圧を24時間体制で集中コントロールする配水調整システムを導入し,水管理センターにおいて運用しています。
水管理センターでは以下の5つの機能を実現しています。
配水調整システムによって電動弁を操作し,貯水量が少ないB浄水場の配水エリアへA浄水場から多く配水することにより,水の安定供給を図っています。
水圧計の情報をもとに,各配水ブロックの注入弁を操作しています。
水の使用量が多いときは配水管の水圧が下がるので,電動弁を開いて適正な水圧を維持しています。
また,水の使用量が少ないときは配水管の水圧が上がるので,電動弁を絞ることで適正な水圧を維持しています。
下図は,水管理センターによる水圧調整前と調整後の市内中心部の配水管の水圧の変化です。
水圧調整により0.1~0.25メガパスカル程度の水圧が下がり,計算上1日4,000~5,000平方メートルの漏水抑制効果があると見込んでいます。
これは,1日の配水量の約1%に相当します。
水管理センターの運用前の昭和53年の渇水では,給水制限に必要な断水作業を行う際,手動弁の開閉を作業員が現地で行っていました。
↓
水管理センターの運用後の平成6年の渇水では,電動弁を遠隔操作することにより,断水作業に要した人数は昭和53年と比べると大幅に減少しました。
水管理センターでは,配水管の損傷による漏水事故など異常時の早期発見を目的とし,水圧計,流量計の値を常に監視しています。
水圧計,流量計に異常値が検出された場合は,関係部署と連携しながら電動弁及び手動弁を操作して応急的に漏水箇所の断水を行ったり,断水回避のために別ルートからの配水を確保するなど,早期対応に努めています。
配水管で大量の漏水が発生した場合は流量が急増し,水圧は急減します。
水圧計,流量計にはあらかじめ上限値・下限値を設定しており,これを超える異常値が一定時間検出された場合に警報で知らせます。
情報収集および過去のデータ分析により,通常と異なる水需要の発生に応じて,水不足とならないよう水管理センターの運用で必要流量と適正水圧の確保を行います。
例として,通常と異なる水需要が発生した日の配水状況比較グラフについて紹介します。