福岡市の水道事業は、「地方公営企業」として、その運営に必要な経費は、 原則として企業の経営に伴う収入(水道料金)をもって賄うよう法律で定められています。これを「独立採算制」といい、事業の運営にあたっては、本来の目的である公共の福祉を増進するとともに、企業の経済性を発揮することが求められています。
福岡市では、「水の安定供給と節水型都市づくりの推進」などを施策目標に掲げた「福岡市水道長期ビジョン2028」に基づき、各事業を計画的に実施しています。
水道事業運営の基本計画である「福岡市水道長期ビジョン2028」(平成29~令和10年度)及び実施計画である「福岡市水道中期経営計画」(令和3~6年度)に基づき、毎年度の予算・運営方針を策定し、事業を着実に推進します。
施策目標 | 取組み概要 | 主な事業 | 予算額 |
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1. 水の安定供給と節水型都市づくりの推進 |
〇将来にわたり、安定的に水道水を供給するとともに、限りある水資源を有効に活用します。 |
〇浄水場の再編 乙金浄水場の増強や高宮系送水管の整備 〇配水管の整備 配水管の更新(約45㎞)や新設 など |
203億114万円 |
2. 安全で良質な水道水の供給 |
〇全てのお客さまに安心してお使いいただける水道水を提供します。 | 〇水源かん養林の整備 水道局が所有する市内水源かん養林の整備(主伐等) 〇水質管理の充実 水質検査機器の更新 など |
1億2,871万円 |
3. 危機管理対策の推進 |
〇より災害に強い水道を目指して、多様なリスクに迅速かつ的確に対応します。 | 〇耐震ネットワーク工事の推進 収容避難所などへの管路の耐震化 〇重要施設の耐水化 夫婦石浄水場等の災害対策 など |
6億7,090万円 |
4. 安定経営の持続 |
〇将来にわたり、安定経営を持続させ、経営の基盤となる水道技術を確実に次世代に継承していきます。 | 〇積極的な情報提供 広報誌「みずだより」の発行、こども水道教室の実施 〇水道ICTの推進 人工衛星画像を活用した水道管漏水調査の実施 など |
2億666万円 |
令和6年度は、事業の運営や水道施設の整備、借入金の返済のため年間478億円を支出し、水道料金や新たな借入金等の年間収入468億円で賄うこととしています。不足する10億円は累積資金(手元資金)により補てんします。
※年間収入及び支出は、減価償却費などの「現金を伴わない収入や支出」を除いています。
水道料金収入は、平成12年度のピーク時から減少してきていましたが、平成27年度からは人口増加の影響もあり、増加傾向に転じていました。令和2年度に新型コロナウイルスの影響により大きく減少しましたが、その後は回復が進み、令和6年度はコロナ以前の水準まで回復する見込みです。
水の安定供給のために必要な施設整備は、事業資金の多くを借入金(企業債)に依存しています。借入残高は、ピーク時の平成12年度末から令和4年度末までに626億円減少しており、今後も借入残高の縮減に努めていきます。