福岡市は他の大都市と異なり、一級河川が市内を流れていないなど、地理的に水資源に恵まれていないため 、大正12年の水道創設以来、主に近郊河川の水資源確保に努めてきましたが、昭和53年には異常少雨により渇水が発生し、287日にも及ぶ長期間の給水制限により、市民生活や社会活動に多大な被害をもたらしました。
そのため、近郊河川の新たな開発や揚水式ダムの建設、既存ダムの湖底掘削や流域外を流れる一級河川筑後川からの導水など、他都市に例を見ない多くの工夫を凝らした水資源開発を行うとともに、市民と行政が一体となった「節水型都市づくり」を進めてきました。
しかしながら、平成6年には気象観測始まって以来の異常少雨となり、近郊河川だけでなく筑後川の流量も減少し、再び295日間にも及ぶ長期間の給水制限を経験しました。
このような異常渇水による被害を三度繰り返すことがないよう、近年の不安定な降雨状況や人口の増加、都市機能の充実などを考えて、水の安定供給を図るための水資源開発とともに、引き続き「節水型都市づくり」を進めています。
※図は「福岡市水循環型都市づくり基本構想」を基に加筆
将来的な渇水・洪水リスクの増大が懸念されている。
※国土交通省HPより
・本市の水資源開発の多くは,昭和30年代の比較的降水量が多かった時期の降水量データに基づ
いて計画されたものであるため,近年の不安定な降雨状況により,利水安全度※が低下している。
したがって,本市ではこのような状況を踏まえ,水の安定供給が図られるよう水源を確保している。
※利水安全度:河川水を利用する場合における渇水に対する取水の安全性を示す指標