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更新日:2026年2月27日

令和7年度福岡市長表彰を受賞した『九州製氷株式会社』の 品質を守り続ける人材育成と企業の取り組み

福岡市では、食品衛生思想の普及と向上を図るため、毎年『福岡市食品衛生大会』を開催し、『食品衛生功労者』および『食品衛生優良施設』の表彰を行っています。
2025年11月13日に行った『令和7年度福岡市食品衛生大会』にて、食品衛生に関する独自の取り組みを行った施設に贈られる「福岡市長表彰」を受賞した、『九州製氷株式会社』に訪問し、受賞のきっかけとなった取り組み内容や、業務に対する意識などを伺いました。

 

受賞者に授与したトロフィー等
受賞施設が製造している製品「おいしい氷」


目次

 

1.福岡市長表彰を受賞した『九州製氷株式会社』について

代表取締社長 藤林秀基さん

代表取締役社長の藤林秀基さん

 

1946年に設立された『九州製氷株式会社』は、創業当初から続く氷製造販売、そして県内でも有数の保管能力を擁する冷蔵倉庫業を展開。
さらに2016年からは「氷づくり」に対する技術や想いを込め、季節を問わず楽しめるかき氷専門店「おいしい氷屋」を開業。
福岡が誇る豊かで安心・安全な食文化を『冷』で支え、社会に貢献し続ける企業を目指しています。

今回は、製氷カンパニー 製造本部にて代表取締役社長 藤林秀基さんと、社員2名にお話を伺いました。

 

「当社は、鮮魚市場などで使われる冷却用の氷だけでなく、ご家庭や飲食店で幅広くご利用いただいている『おいしい氷』のような食用の氷も製造しています。人の口に入る氷を扱っている以上、衛生管理は特に大事にしてきました。その積み重ねを評価していただき、今回の表彰につながったのかなと感じております。」(九州製氷株式会社 代表取締役社長 藤林秀基さん)


2.全社員が実施!毎日15分の「5S活動」が生む、大きな成果

同社では、食品としての氷を安全に提供するため、製造現場において徹底した衛生管理と「5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」を継続的に実施しています。

 

「5S」活動の一例。機械の清掃を行う社員

「5S活動」の一例。機械の清掃を行う社員

 

この取り組みは、藤林社長の発案で導入されました。
毎日8時間の勤務時間内に全社員が、15分間必ず「5S活動」を行うことにより、社内の設備や作業環境を常に整理された状態に保ち、現場の異常や変化にいち早く気付ける体制を整えています。

 

「整理整頓ができていることで、設備の異変にもすぐ気付き、こまめに連絡を取り合いながら、何か起きた際も迅速に対応を取ることで、事故や異常事態を防止できていると思います。」(製造本部 業務課長代理 渡邉晃司さん)

 

受賞施設の前に立つ 製造本部 業務課長代理 渡邉晃司さんと製造本部 部長 森山将介さん

製造本部 業務課長代理 渡邉晃司さん(左) / 製造本部 部長 森山将介さん(右)

 

同社では、年に4回社員教育を実施し、製造過程における異物混入に対して徹底的な教育を行っています。
金属片や部品混入のリスクマネジメントに加えて、プラスチックとガラスの割れた時の散らばり具合の違いなどを学びます。
その他、毛髪や虫といった金属検知器では反応しないものにも厳重に注意を払っており、これらの異物混入を防ぐルールが細かく設定されています。

 

「衛生区と呼ばれるエリアに入る際は、必ず白衣と手袋を着用し、ローラーがけ、エアーシャワー、30秒の手洗いなどを必ず行ってから入室します。また、貯氷庫に入る場合は、外部からの細菌を持ち込まないように、専用の長靴に履き替えて、靴を消毒してから入室するなど、徹底したルールを全員が守っています。また、貯氷庫の氷は使用前に衛生区で再洗浄を行うなど、複数の工程で衛生管理を徹底しています。」(製造本部 部長 森山将介さん)

 

 

貯氷庫
受賞施設が製造している「おいしい氷プレミアム」
 


さらに、「5S活動」は2019年から一段と強化しており、整理整頓や清掃内容を社員一人ひとりがアプリで毎日記録して、それを管理者が集計したのち、毎週月曜日に全社員にフィードバック。
年間で約400件以上の改善の実績が挙げられており、社員同士が意識を高め合う好循環が生まれています。

 

「続けていくことで、普段は気づかないような細かな点にも目が向くようになりました。“5S”の意識が現場にしっかり根付いてきたと感じています」と担当者は振り返ります。
なお、同社では年末の大掃除が不要になるほど、日常的に整理・整頓・清潔が維持されています。

 

3.自動箱詰めロボット導入で実現した非接触・省力化

2021年頃から導入した「自動箱詰めマシーン」や「パレタイザー」は、人の手を介さず密封された氷の袋を箱詰めするロボットです。
力作業を省力化することで、社員は品質管理や衛生管理の意識向上に注力できる環境が整いました。
DX化の一環として進めたこの取り組みは、結果的に衛生面の向上にも寄与しています。

パレタイザー
工場の内観

4.氷の価値を広げる商品・事業展開と今後

九州製氷が長年培った技術をもとにゆっくり丁寧にじっくりと凍らせた「博多純氷」、「おいしい氷」は、不純物を限りなく取り除いた純度99.9%の透明度と美味しさが特徴です。
これらの氷は、かき氷にすると、ふわふわとしたやさしい口当たりを生み出します。

 

おいしい氷屋の外観
おいしい氷屋の内観

福岡市中央区渡辺通りに店を構える『おいしい氷屋』

 

直営のかき氷専門店『おいしい氷屋』では、かき氷との相性抜群のブランド氷「博多純氷」を使用。独自の製法により、ふわふわで口の中でとろけるような食感のかき氷を提供しています。老舗の製氷会社ならではのこだわりが詰まったかき氷を、一年を通して味わえる点も魅力のひとつです。

メニューは、主に九州産の食材を使用した定番商品に加え、季節ごとの食材を取り入れた限定メニューも豊富にそろい、訪れるたびに新たな味わいを楽しむことができます。

 

おいしい氷屋で使用している「博多純氷」
おいしい氷屋の看板メニュー「プレミアムあまおう」
 

 

「今後は 『おいしい氷屋』のさらなる展開や海外進出も視野に入れ、氷の魅力を広く発信していきたいです。“氷文化”を日本発の価値としてより一層育てながら、福岡の街とともに成長して行きたいと思います」と、最後に藤林社長が笑顔で話してくれました。

藤林社長がインタビューを受ける様子

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