環調第3号
平成28年4月19日
国土交通省大阪航空局長 加藤 隆司 様
国土交通省九州地方整備局長 小平田 浩司 様
福岡市長 高島 宗一郎
(環境局環境監理部環境調整課)
福岡空港回転翼機能移設事業に係る環境影響評価方法書についての
環境の保全の見地からの意見について(送付)
平成28年1月6日に提出された,福岡空港回転翼機能移設事業に係る環境影響評価方法書について,福岡市環境影響評価条例第10条第1項の規定に基づき,下記のとおり環境の保全の見地からの意見を述べます。
対象事業実施区域周辺は,市民の憩いの場,漁業の場としても利用される自然豊かな場所であり,地形は平坦で見晴らしが良く音も伝わりやすい環境にある。
本方法書については,実態把握のため,既存資料及び現況の調査に加え,実機飛行も計画に取り入れられており,より確度の高い予測・評価の実施が期待されることから条例の趣旨に照らし妥当なものであると考える。今後の環境影響評価手続きにおいても,上記の地域特性を踏まえ,適切な調査・予測・評価を行うことが重要である。
実機飛行の実施にあたっては,より確度の高い予測・評価を行うため,ヘリコプターの将来の運航実態を想定した飛行経路で調査し,ヘリコプターの運航に伴う騒音及び超低周波音の予測に必要な騒音レベル等の把握に努めること。
対象事業実施区域の周辺には住居があり,近隣には居住者のいる施設やレクリエーション施設が存在することから,ヘリコプターの運航に伴う騒音及び超低周波音の影響が及ぶ可能性がある。これを踏まえ,調査・予測・評価にあたっては,調査地点を増やし,住居や施設等への影響を十分に予測・評価し準備書に記載すること。
鳥類について,対象事業実施区域周辺には内海と外海との間を低空で飛翔する種もいることから,鳥類の飛翔経路や高度等の実態について調査で十分に把握し,その結果と既存文献や類似事例とを比較して予測・評価を行うこと。
ヘリコプターの運航に伴う騒音等が魚類に与える影響について,実機飛行の結果と既存文献や類似事例とを比較して予測・評価を行うこと。