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西公園の展望広場から見下ろすことができる、かもめ広場付近は、鴻臚館(こうろかん)にやって来る外交使節や商人、遣唐使などが出入りする入り江でした。
江戸時代には、「波奈(はな)の港」と呼ばれ、藩の要港として利用されました。福岡藩の船団はこの港から長崎へ出航し、鎖国時代に唯一開かれていた長崎港の警備に当たりました。
公園内にある光雲(てるも)神社に向かう参道脇には、福岡藩藩士・平野國臣の銅像が設置されています。
國臣は文人、歌人、国学者であり、倒幕論を唱えた人物としても知られています。
文久2(1862)年、倒幕運動をとがめられ投獄されますが、獄中でも和歌を詠みました。筆が与えられなかったので、こより(紙を細長く切ってねじり、ひも状にしたもの)で文字の形をつくり、紙に貼り付けました。
國臣作とされているこより文字(福岡市博物館所蔵)
市政だより中央区版 令和7(2025)年7月15日号に掲載されました。