現在位置:福岡市ホームの中のくらし・手続きの中の人権・男女共同参画の中の男女共同参画の中の男女共同参画推進センター・アミカスの中のアミカス出版物からAmikas Voice vol.8
更新日: 2023年3月24日

Amikas Voice vol.8 
 2023 MARCH  


「脳内離婚」されていた!?

夫婦のパートナーシップって?




森島 孝 Takashi Morishima

NPO法人
ファザーリング・ジャパン九州
代表理事


PROFILE  
大阪出身、2児(16歳、13歳)の父。大学卒業後、人材派遣会社、出版社、広告代理店を経験したのち、家族の時間、自分の時間をより優先させるために独立。主にNPOの事業支援に従事する合同会社Life laboを設立。父親の家事育児参画、働き方改革を支援する「NPO法人ファザーリング・ジャパン九州」共同代表理事、結婚・出産等で職を離れた女性の、ゆるやかな社会復帰を支援する「NPO法人ママワーク研究所」理事、「孤立させない場所づくり」の実現を目的とした「NPO法人アクションタウンラボ」理事等、様々なNPOプロジェクトに関わる。



Interview 
いい夫婦関係を維持するために

NPO法人ファザーリング・ジャパン九州は「よい父親」ではなく、「笑っている父親」を増やすことをミッションに、2010年に発足した団体です。男性の育休や夫婦のパートナーシップに関するセミナー、親子ワークショップなど、さまざまな事業を展開しています。代表理事の森島さんに、夫婦のコミュニケーションについて伺いました。





■森島さんの以前の生き方は?
会社員をしていた頃、「家事や育児は女性がするもの」と考え、家庭のことは全部妻に任せていました。子どもが産まれても変わることはなく、むしろ子どものためにももっと仕事を頑張ろうと思っていました。

ファザーリング・ジャパンを知り、仕事上、営業ネタとして使えると思い、やましい気持ちで入りました。(笑)それでも、僕の働き方は変わらず、夫婦のコミュニケーションはないまま、妻の気持ちが離れていっているのを感じていました。長男のアレルギーがひどく、妻は一人で子育てするのは大変だったと思います。後で聞きましたが、妻はこの頃、僕と「脳内離婚」していたそうです。



■どうやって離婚を回避したんですか?
夫婦関係がとても危険な状態だった頃、僕は体を壊して入院し、仕事も辞めざるを得なくなりました。その時に家族との距離を感じ、こんな生き方はずっとできない、家庭を居心地のいいものにしたいと思いました。元気な時は夫婦関係の危機を相手のせいにしていたけど、病気になって自分の非を感じました。

その後、ファザーリング・ジャパンで知ったノウハウを使って、家事、育児を自ら進んで行い、妻へ「ありがとう」「愛してる」と言葉をかけました。最初は「は?今さら何言ってんの?」という冷ややかな態度で、浮気を疑われましたが。(笑)関係が修復されるまで2年かかりました。

コミュニケーションを取るようになったら、徐々に妻が言いたいことを何でも言うようになりました。お互い言いたいことを言える環境を作ることが大切です。昔は諦めていて何も言ってくれなかったけど、言葉にしてくれたら一緒に解決できますよね。


■お互い言いたいことを言っていたら、ケンカになりませんか?
コミュニケーションの基本は「傾聴、共感、賞賛」です。そもそも夫婦の会話に問題解決や論理的思考は要らないことが多いですね。ただ話を聞いてほしいだけで、結論やアドバイスを求めていない場合があります。話を最後まで聞き、「そうだね」って共感する。「いいね」って褒める。言いたいことがあるときはその後に話すと、相手も聞いてくれるのではないでしょうか。コミュニケーションが取れていると、その場で解決できて、大きな問題にならないんですよ。

また、将来の楽しみがあると、多少辛いことも我慢できます。将来子どもが巣立って2人になったとき、夫婦で楽しい時間を過ごしたい、子どもがいつでも帰ってきたいと思う家にしたい、と夫婦で話しています。将来のことをしっかりすり合わせておくと、うまくいくんじゃないかな。


■いい関係を維持するためにやっていることはありますか?
月1回は必ず夫婦2人で外食することにしています。家以外で2人の時間をつくるということを意識的にやっています。空気を換えるために「家以外」っていうのがポイントです。おいしいものを食べながら話すと、話がいい方向に進みますし。

家族4人で同じ時間を共有するというのも意識していて、夕飯は家族みんなで食べるようにしています。食卓をみんなで囲むのはすごく幸せな時間です。



妻と一緒にカフェへ



■最後にメッセージを
ファザーリング・ジャパンではパパたちに「相手を変えることはできない。自分が変わるしかない」とアドバイスしています。僕にとって、病気や育児は自分が変わる大きなきっかけになりました。自分にとって生きることとはどういうことなのか、仕事に忙殺されるだけの人生でいいのか、自分の生き方について考えることが必要です。

家族のつながりが強いと、仕事でも好影響が出ます。世の中の男性は、会社も家庭もしんどいと思っている人が多いと思います。会社はなかなか変えられないけど、家庭の雰囲気は変えることができます。家庭を変えるには、自分が変わる。自分が変わると、家族も変わる。自分の帰る場所がある、味方がいる、と思うと仕事で言いたいことが言えるようになり、好循環が起こります。

夫婦って、不思議です。他人なのに絆があって、一番信頼できる。多少不満はあるけど、ベストを求めず、今に集中してベターを目指す。どうせ一緒にいるなら、いがみ合うより楽しんだ方がいいと思いますよ。




#アミカスに相談してみた  #束縛系男子 #デートDV #happy #lifestyle

お悩み
付き合って3か月の彼がいます。彼はやきもち焼きで、私がいつ誰とどこへ出かけるのか、いちいち聞いてきます。会う友人の中に男性がいるとわかると、行くなと言ってきたり、みんなと会っている最中に電話をかけてきたりします。私のことが好きで心配してくれるのはわかりますが、息苦しく感じます。このまま付き合うのもイヤだけど、別れるのもちょっと怖いです。


お答え:
交際中の彼の言動に息苦しさを感じておられるのですね。彼は、あなたがどのような人と仲良くしているか心配になっているのでしょう。自分より親しい人がいることに不安になり、嫉妬しているのかもしれません。

だからと言って、それを理由にあなたの行動を制限したり、束縛したりするのはいけないことです。それはあなたから自由を奪うことです。
「デートDV」という言葉を知っていますか?交際中の親密な関係の2人の間で起こる暴力のことです。交際というのは相手と対等で尊重し合うということが不可欠です。束縛=愛情という風に勘違いしている人がいるかもしれませんが、束縛=愛情ではありません。

あなたは彼と話し合える関係でしょうか?まずは一人で抱え込まずに、誰かに話してみませんか?一度アミカス相談室に相談してみてください。あなたの気持ちを大切にしながら一緒に考えていきます。
相談員










明日はもっといい日




須藤 美香
コラムニスト、コーディネーター


PROFILE
米国発のポジティブ心理学を学び、独立。
「自分らしく生きる」をテーマに、執筆やイベントのコーディネートを行う。
須藤美香ブログ
Podcast「須藤美香の今日も待ってたよ」



みなさんは、ちょっと落ち込んだときやなんだか気分がアガらないとき、何をすると元気になりますか?おいしいものを食べる、スポーツをするなど、「これが効く!」という自分なりの対処法を持っていると、ネガティブなムードをいたずらに長く引きずらずにすみますよね。

自分だけの「ハッピーリスト」をつくろう
とはいえ、いざ落ち込んでいるときは、そんな「対処法」も思い浮かばなかったりするもの。そういうときわたしがおすすめしているのは、自分のご機嫌がいいときに、「Make me happyリスト(自分をハッピーにするリスト)」を、作っておくことです。

このリストはその名の通り、「自分自身をハッピーな気持ちにすること」をまとめたものです。お気に入りのカフェでコーヒーを飲む、友だちとおしゃべりする、花を飾る、子どもやペットと遊ぶ等々、自分をうれしい気持ちや楽しい気持ち、ホッとしたり満たされた気持ちにさせること(行動やモノ)を書き出してみましょう。カラフルな服を着る、興味のある分野の本を読む、旅行の計画を立てるなど、テンションが上がること、やる気が出ることなども、いいですね。

 スマホのメモ帳や手帳に書き込み、「ちょっと気持ちがアガらないな」というときにはこのリストを見てみましょう。今すぐできることがあれば、する。そして、「これは今は無理だけど、週末にしよう」と、計画することも大事です。人は未来に楽しみなことがあると思うだけで、気分が明るくなるものだからです。

「今より少しご機嫌」を目指して
気分が落ち込んだり、前向きになれないときは、人間誰しもあるもの。それを無理やりポジティブに持っていこうとがんばるのではなく、自分だけの「ハッピーリスト」で、まずは、今より少しだけご機嫌になってみる。何かをしようと思える心、意欲やパワーは、そんなところから生まれてくるのです。