現在位置:福岡市ホームの中のくらし・手続きの中の人権・男女共同参画の中の男女共同参画の中の男女共同参画推進センター・アミカスの中のアミカス出版物からAmikas Voice vol.5
更新日: 2021年8月2日

Amikas Voice vol.5 
 2021 August  


Jリーグ初、唯一の

男性チアリーダー

TAKARAさん


アビスパでのTAKARAさんの写真

TAKARA
アビスパ福岡オフィシャルチアリーダーズ


PROFILE  
熊本市出身。本名は米岡宝(よねおかたから)。5歳からバトントワリングを始め、世界大会の日本代表として2015、17、19年と3度のメダルを獲得。現在は熊本マリスト学園中・高で体育の非常勤講師として勤務しながら、バトン教室を開催している。
2020年、アビスパ福岡オフィシャルチアリーダーズに所属。しなやかなダンスと豪快なアクロバットが持ち味。



Interview バトンの未来を変える

Jリーグ史上初で唯一の男性チアリーダー、TAKARAさん。女性のイメージが強いバトントワリングやチアリーディングですが、始めたきっかけから今後の目標までを聞いてみました。



■バトントワリングを始めたきっかけは?
子どもの頃甘えん坊だった僕は、母親が開いていたバトン教室にくっついて行き、いつも隅で練習を見ていました。2人の姉はバトンをしていましたが、僕は男だったので勧められることもなく、始めるつもりはありませんでした。5歳の時たまたまイベントで欠席者が出たので、練習を見て振り付けを全て覚えていた僕がピンチヒッターを務めました。それがバトンを始めたきっかけです。

これまでで苦労したことは?
母のバトン教室はどちらかというと趣味で習う人が多かったので、小学5年から福岡のバトン教室に本格的に通うようになりました。当時はどこの教室も女の子ばかりで、男の子は僕ひとりでしたが、新しいことにチャレンジできるのでワクワクしていました。しかし、中学の3年間は思春期で、キラキラした衣装を着て人前で踊ることが恥ずかしく、バトンをしていることをむしろ隠していました。
高校生になると、バトンを競技としてやるようになりました。アスリートとして実力がついた時、周りの反応が見違えるように変わり、男性がバトンをしてもいいのだと初めて認識しました。しかし、通っていた高校が進学校だったので、勉強と競技の両立に悩みました。バトンはマイナースポーツなので、なかなか認めてもらえません。担任の先生から「いつバトンを辞めるの?」と聞かれた時はショックでした。もっと受験に力を入れるべきか、男だから安定した仕事に就いた方がいいのかと悩みました。
そんな時、友人の何気ない一言が背中を押してくれました。「お前は人と違うことができるじゃん。」「お前にはバトンがあるやんか。」と言われ、人と違っていいんだ、応援してくれる人がいるんだと、バトンを続ける決心をしました。その友人は今でも応援してくれています。


バトンを持ったTAKARAさんの写真

■アビスパ福岡との出会いは?
熊本のプロバスケットボールチームでハーフタイムのパフォーマーとして活動中、スカウトを受けました。パフォーマーとして幅の広さを求めていた時期でもあり、Jリーグ初の男性チアリーダーということもあって、すぐに承諾の返事をしました。もともと目立ちたがり屋なので(笑)。
デビューするまで、チアリーダーというのは、ミニスカートの女性が笑顔でダンスパフォーマンスを披露するというイメージが強く、それがチアの美しい理想の姿であるという概念が僕の中にありました。その中に男性が入るのは、マイナスな意見が出るんじゃないかと不安を感じていましたが、結果として「アビスパは面白いことやっているね」とプラスの意見が多く、すごくうれしかったです。男性チアリーダーとしてのポジションを周りが受け入れ、認めてくれました。
チアリーダーはいなくても試合は成立しますが、自分から元気とエールを発信し、いい雰囲気を作り出すことを心掛けています。チームがどんなに厳しい状況でも、常にポジティブなメッセージを伝えています。

■今、ハマっているものは?
食べることが好きで、休日は流行っているものを求めて友人と食べ歩きをしています。ファッションも好きですね。仕事も練習もいつもジャージで、なかなか洋服を着る機会がないので、プライベートのときはおしゃれして出かけたいです。たまにはジャージじゃないものを着たいですね(笑)。

■今後の目標は?
バトンは仕事にできないと言われてきましたが、この競技の未来を変えたいと思っています。僕はバトンをやっていたからこそチアリーダーにもなれたし、パフォーマーとしても活動しているし、体育の先生もやっています。後輩たちには道しるべとなるものを残していきたいです。道を開くのは大変なことですが、仕事をしながら競技も続けられる、そしてやりたいことを続けることができるという姿を見せていきたいですね。



ワンポイント知識。(Buzzword)アンコンシャス・バイアス unconscious bias 無意識の思い込み・偏見


QUIZ
父親と息子が自動車事故に遭い、父はその場で死亡し、重傷を負った息子は急いで病院に運び込まれた。手術室で外科医はその少年を見て言った。「この少年を手術するのは(とても辛くて)できない。この少年は私の息子です。」この外科医と少年の関係は? (答えはペンギンのイラストの下)

アンコンシャス・バイアスの例

  • チアリーダーは女性がやるものだ。
  • 血液型で、相手の性格を想像することがある。
  • 会長は男性、副会長は女性がいい。
  • 新潟出身の人は、日本酒好きに違いないと思う。
  • 「親が単身赴任中」と聞くと、父親を思い浮かべる。(母親ではなく)
  • 高齢者は、スマホやパソコンなどITが苦手だ。
  • 男性社員より女性社員に雑用を頼みやすい。
  • アメリカ人は自己主張が強い。すぐに訴える。
  • 親が共働きの子どもはかわいそうだと思う。






ペンギンが「STOP」と書かれた大きな氷の塊を持って次の言葉をしゃべっているイラスト画像。「相手との違いやギャップは、自分が知らないことを学べるチャンスだから楽しもう!新しい発想のヒントになるかも。」



解答例:外科医は少年の母親





#アミカスに相談してみた #苦手な人と付き合うには #happy #lifestyle

お悩み:20代女性。職場の上司Aさんが苦手です。気に入っている部下は優遇し、気に入らない部下にはすぐに難癖をつけ、冷たい対応をします。部下には偉そうなのに、立場が上の人には媚びていて、上の人がいる時といない時の態度があからさまに違います。一貫性がなく、疲れます。

お答え:人によって態度を変える人っていますよね。そういう人が職場にいたら不愉快になることもあるし、疲れてしまうのは無理もありません。もしAさんが自分を守りたいという気持ちから言動を使い分けているとしたら、今後Aさんが変わることは難しいと思われます。
そういう時は、Aさんとあなたの間に「見えない(精神的な)境界線」を引いて、心の距離を置いてみてください。緩やかなバリアを張って、その線の自分側にAさんを入れないようにし、あなたの心の安心、安全を守りましょう。
それでもAさんが気になってひどく疲れるようであれば、あなたは共感する能力が高いのかもしれません。共感力が高いことは悪いことではありませんが、負のエネルギーももらってしまい、つらくなることがあります。負のエネルギーを落として心身を癒やしましょう。例えば、自然に触れ合う、アロマなどの良い香りをかぐ、おいしいものを食べる、体を動かす、誰かに話してみるなど、リセットすることを心がけましょう。
アミカス相談室もお手伝いができるかと思います。
 相談員



アミカス相談室の電話番号。092-526-3788 毎日10時から16時30分(休館日を除く)




明日はもっといい日




画像:須藤美香さん

須藤 美香
コラムニスト、コーディネーター


PROFILE
米国発のポジティブ心理学を学び、独立。
「自分らしく生きる」をテーマに、執筆やイベントのコーディネートを行う。
須藤美香ブログ
Podcast「須藤美香の今日も待ってたよ」



「自己肯定感」という言葉がよく聞かれるようになりました。みなさんは、自己肯定感、高いですか、それとも低いですか?

そもそも自己肯定感って?
自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れること。ダメな部分をひっくるめて、自分自身を受け入れることです。例えば、「自分は人前で話すときにあがってしまうし、今日もうまく話せなかった。でもまぁ、それがわたしだもんな」とニュートラルに思うことができるなら、自己肯定感は高いと言えるでしょう。けれど、「自分は人前で話すときにあがってしまうし、今日もうまく話せなかった。だからわたしはダメなんだ!」と、自分にダメ出ししてしまうなら、自己肯定感が低い状態です。

こうしたダメ出し、つまり自己否定の癖があるとどうなるでしょう?身近な人に四六時中ダメ出しされていたら、誰だって嫌な気持ちになるし、本来ならできることもビクビクしてできなくなってしまうと思いませんか?わたしたちは自分自身に同じことをしてしまいがちです。そして、自己肯定感の低さが問題になるのは、まさにこの点にあるのです。


まずは自己否定の癖をストップ!
ここまで読んで心当たりがある方は、今日は一日、頭のなかを流れるひとりごとを観察してみてください。そして、「だからわたしは…」とネガティブな自己評価をしていることに気づいたら、そこでストップ。「いまはこれでいいんだ」と、多少強引にでもひとりごとを上書きしてみましょう。最初はきっとザワザワするはず。でも何度も繰り返すことで、次第に心もついてきます。

ダメ出しを受けなくなって初めて、人はのびのびした気持ちで「じゃあ、あれをやってみようかな」と動き出す気になれるもの。自己肯定感を高めるためにアレコレしようとするよりも、まずは自分へのダメ出しをやめてみませんか?