現在位置:福岡市ホームの中のくらし・手続きの中の人権・男女共同参画の中の男女共同参画の中の男女共同参画推進センター・アミカスの中のアミカス出版物からAmikas Voice vol.4
更新日: 2021年2月16日

Amikas Voice vol.4 
JANUARY 2021


女の子と共に

社会を変えていく



バスカフェでの活動




Interview 暴力と搾取のない社会へ

虐待や家族との折り合いが悪いなどで、家に居場所がない人、家を追い出されお金がない人、このような女の子がSNSで「泊まるところがありません」「家出しました」と発信すると、ほんの10分で20人ほどの見知らぬ男性たちから「サポートします」「泊めてあげるよ」とメッセージが届きます。どこにも頼るところのない孤立した彼女たちは、買春者や風俗店への斡旋業者などに声をかけられ、性暴力や性搾取被害に遭っています。



仁藤 夢乃 Yumeno Nito
一般社団法人Colabo 代表


PROFILE  
1989年生まれ。中高時代に街をさまよう生活を送った経験から、居場所のない10代の女の子を支える活動を行っている。移動バスによる10代向けの無料カフェ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供などを行い、虐待や性搾取の実態を伝える活動や提言を行っている。
一般社団法人Colabo(コラボ)



■Colaboとは
私は高校時代、月の25日間を夜の街をさまよいながら生きていました。家族との仲が悪く、学校でも自分のことを理解しようとしてくれる大人には出会えませんでした。夜の街で声をかけてくるのは、買春者や性搾取に斡旋しようとする人だけでした。

自分自身のこのような経験から、2011年に一般社団法人Colaboを設立し、10代の女の子を支える活動を始めました。2018年からは、週に1回、夜の渋谷、新宿で女の子たちが気軽に立ち寄れるバスカフェを開き、食料や衣類、妊娠検査薬などを提供しています。開始から2年で1300人以上の女の子とつながることができました。

彼女たちの中には、自分の困りごとに気づいていない人や、諦め感が強い人、自己責任論の中で「自分が悪い」と思っている人もいます。

Colaboでは、生きていくことに困難を抱える女の子の相談に乗って一緒に解決策を考えたり、一時的に安全に過ごせるシェルターを運営したりしています。また、シェルターで暮らすメンバーが、夜の街で同じ世代の女の子に声をかけたりお弁当を作ったりするなど、Colaboの活動に関わり、今困っている女の子に寄り添っています。



バスカフェの様子


社会的な構造に目を向けて
夜の街をさまよい、見知らぬ男性に利用され、性被害に遭うのは女の子に原因があるのでしょうか。

被害に遭った彼女たちの多くは、家族からの虐待や性暴力などで家に居場所がありません。困難を抱える子どもの相談や支援を行う児童相談所は、年齢の低い子どもの対応で手いっぱいです。たとえ保護につながったとしても、一時保護所では「困った子ども」として指導され、適切なケアを受けることができません。

一方で、女の子や女性の性を商品化し、利用することがビジネスとして堂々と拡大を続けています。1990年代から、日本では児童買春が「援助交際」という言葉で語られてきました。しかし、そこにあるのは「援助」と呼べる関係ではなく、「支配」と「暴力」であり、子どもへの性搾取をそんな風に語る国は他にありません。また、女の子を孤立させている社会の問題や加害者の存在に目を向けずに、「好きでやったのだろう」「なぜついていったのか」などと女の子に責任転嫁してきました。そのため、国際的にも人身売買を放置し、容認していると批判されています。



安心のシェルター


■福岡の状況
Colaboには全国からメールやSNSを通じて相談が寄せられています。その中でも大阪や福岡は東京と変わらない状況だと感じています。福岡の女の子からは、虐待から逃れるために知らない男性の家を転々とする生活から抜けたいという相談が複数あります。また、性虐待から逃れるため福岡を出て、東京で路上生活をしていた子がバスカフェに来たこともありました。まだまだ地方には支援団体が少ない状況ですが、話を聞き、地元の支援者や団体につなぐこともあります。

2019年の1年間で全国からColaboに寄せられた相談件数は590件でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大は女の子の状況にも影響を与えており、2020年は半年で800件以上に上っています。

■違和感を一つひとつ言葉に
例えば、深夜のコンビニに一人でいる女の子や、気にかかる女の子を見かけたとき、冬場であれば、飴や使い捨てカイロを手渡しながら「風邪をひかないようにね」と声をかけてあげてください。このような当たり前の一言を、彼女たちは大人からかけてもらったことがありませんが、これが「あなたを見ているよ、気にかけているよ」というメッセージになります。また、利用しようとしている男性を遠ざけることにもなります。

痴漢やセクハラの被害に遭ったり、普段の生活で性差別的な発言に違和感を感じたりしたときは、その時加害者に何も言えなくても、ぜひそのことを言葉にして、問題を整理してみてください。言葉にすることは力になります。そうやって社会が性暴力を許さないという雰囲気をつくっていくことが大切です。

女の子たちがどうして夜の街を一人でさまよわなければならないのか、見知らぬ男性についていかなければならないのか、ぜひその背景に目を向けてみてください。これは女の子たちの問題ではなく、私たち大人の問題です。


バスカフェの案内カード




NPO法人 そだちの樹 

そだちの樹は、弁護士や社会福祉士などの専門家が集まり、居場所を失った10~20代の若者を公的サービスなどにつなぐ活動をしています。私たちのところには「家を出たい」「死にたい」という女の子や、児童養護施設から自立したものの生活が立ちいかなくなった若者など、年間で約400人からの相談が寄せられています。


そだちの樹の事務所


「家を出るために」「生活するために」お金がない女の子たちは、風俗業界やパパ活などに足を踏み入れます。その結果、予期せぬ妊娠やトラブルに巻き込まれるのですが、責任転嫁する社会構造の中で、彼女たちも「自分が悪い」と思っており、被害に遭っているという意識がありません。

2019年からは、スタッフが夜の警固公園に出向き、公園にいる女の子に声をかける活動を実施しています。また公園内の交番わきにある安全安心センターを女の子の休憩スペースとして活用しています。

そだちの樹の事務所はフリースペースとして開放しており、相談に来た人、お腹が空いた人、なんとなく寄ったという人など、多くの若者が利用しています。(事前連絡が必要)不定期ですが、ごはん会やクリスマス会を開き、顔を合わせる機会を作っています。


そだちの樹のスタッフ

NPO法人 そだちの樹
福岡市中央区大名2-6-31 
大名コーポラス703

相談窓口ここライン 
平日  10:00~18:00
TEL 092-791-1673



明日はもっといい日




画像:須藤美香さん

須藤 美香
コラムニスト、コーディネーター


PROFILE
米国発のポジティブ心理学を学び、独立。
「自分らしく生きる」をテーマに、執筆やイベントのコーディネートを行う。
須藤美香ブログ
Podcast「須藤美香の今日も待ってたよ」



昨年に引き続き、「これまでとは違う」日常が続きますね。いつかこの状況が落ち着いても、Beforeコロナの価値観や生活にそっくりそのまま戻る気がしない…。時代の変化を肌で感じている方も多いのではないでしょうか。

新しい時代にふさわしい自分を考えよう
わたしの周りでは、昨年から今年にかけてこんな声がよく聞かれました。「これまでの消費スタイルを見直して、環境に優しいものを選ぶようになった」「リモートワークで家族の時間が増えて、ワンオペ育児が解消された。家族仲がよくなった」「会食の機会が減って、プライベートの時間が取れるようになった」「これからの生きかたや働きかたを考えるようになった」…。社会が強制的にスローダウンしたことで、本来自分が望んでいた生活に気づいた方も多いようです。

もちろん、プラスの変化だけではなかった方もいらっしゃるでしょう。安易な気休めを言うことはできませんが、2021年が始まったこのタイミングで改めて今後の自分について、一緒に考えてみませんか?

「最高の自分だったらどうするだろう?」
何かに迷ったとき、不安になったとき、これからどうしたらいいかわからなくなったとき、この質問を自分にしてみてください。「最高の自分だったらどうするだろう?」。変形バージョンでも構いませんよ。「かっこいい自分」にテンションが上がる方は「かっこいい自分だったらどうするだろう?」、「理想の自分」で背筋が伸びる方は「理想の自分だったらどうするだろう?」でもいいですね(ただし、理想といまを比較して落ち込むことのないように!)。

人はネガティブな感情に支配されると、目の前のことしか見えなくなり、余計袋小路に入ってしまいます。「最高の自分」を意識することで目線を上げ、深呼吸をして、少しだけでも前向きな気持ちで未来を選択できるといいですね。