【発行号】令和7年4月15日号【掲載面】市政特集面【カテゴリー】お知らせ
令和7年度予算 まちに「みどり」を

 市は、今後10年の長期的なまちづくりの方向性を示す基本計画を昨年12月に策定しました。策定に当たり市民の皆さんに意見を募った結果、みどりや自然に関する声が多数寄せられました。これを踏まえ、今年度は、みどりがあふれ、誰もが元気に暮らす災害に強いまちを目指していきます。

 

■緑、花、アートがあふれるまち
 天神ビッグバンや博多コネクティッドなどにより、都心部では耐震性の高いビルへの建て替えが進んでいます。
 都市機能がますます充実していく今、さらにみどりやアートを取り入れ、市民の皆さんが潤いや安らぎを感じられるまちづくりを進めます。


●市役所などの公共施設の緑化
 多くの人が訪れる市役所や区役所、市民センターなどの施設の壁面、出入り口、ロビーを緑化し、みどりあふれる空間を創出します。併せて、通勤や通学、観光などでの利用が多い市地下鉄天神駅、博多駅、福岡空港駅の改札口周辺にも緑の空間を創出します。
 また、市民や企業と共働で植樹運動を展開する「都心の森1万本プロジェクト」を推進するため、市民の皆さんが取り組む緑化も支援します。

緑化のイメージ(地下鉄天神駅)

 ●フクオカフラワーショーを開催
 市は、平成30(2018)年に「一人一花運動」をスタートしました。さらなる展開として、来年3月に花をテーマにした国際イベント「フクオカフラワーショー」を開催します。
 期間中は、会場だけでなく、まちなかの店舗やビルを花で装飾し、博多駅~天神~舞鶴公園をつなぐ歩道などをチューリップ等で彩るなど、市民や企業の皆さんと一緒にまちを花でいっぱいにしていきます。

市植物園(中央区小笹五丁目)のシンボルガーデン

 ●アジア美術館の魅力を向上
 福岡アジア美術館(博多区下川端町 リバレインセンタービル7階・8階)は、アジアの近現代美術を専門とする世界で唯一の美術館です。アジア各国の巨匠から今注目のアーティストまで、収蔵作品は幅広く、すでに5千点を超えています。
 国際的に高い評価を受ける同美術館の所蔵品などに、市民の皆さんが触れる機会を増やすため、今年度末に廃止される警固公園地下駐車場の活用に向けた計画を策定します。


■みんなが暮らしやすいまち
 子どもから高齢者まで誰もが自分の住む地域で安心して暮らせるよう、さまざまな支援を行います。


 ●学校給食費を無償化

給食献立の一例
 2学期から、市立の小中学校、特別支援学校に通う子どもの給食費(小学生月額4200円、中学生月額5000円)を市が負担します。地元産の食材を積極的に取り入れ、栄養バランスの取れた給食を提供します。
 ●学校の体育館にエアコンを設置

 近年の厳しい暑さの中でも、子どもたちが良好な環境で授業を受けられるよう、今後3年間で市立の小中学校、高校、特別支援学校の体育館にエアコンを設置します。
 ●帯状疱疹ワクチンの接種費用を助成
 市は、今年度から帯状疱疹ワクチンを接種する際の費用の一部を助成します。対象者や接種料金など、詳しくは、本紙5面に掲載しています。
 ●産前・産後のサポートを拡充
 市は、妊娠中、または産後1年未満の乳児を育てる世帯にヘルパーを派遣し、家事や育児を支援しています(有償)。対象者を「家族等からの支援を受けることができない人」から、「育児に不安や負担を抱えている人」に広げます。
 ●福祉の総合相談窓口を全区に設置
 市は昨年8月、子育てや仕事、介護、医療のことなど、福祉に関するさまざまな相談に応じる「福祉の総合相談窓口」を博多区に開設しました。生活自立支援センターや地域包括支援センターなど関係機関等と連携してサポートを行っています。この取り組みを全区に広げます。
 ●民生委員・児童委員の活動をサポート
 地域に住む人からのさまざまな相談に応じ、支援を行う民生委員・児童委員の活動費(交通費や通信費等)を増額します。
 また、新しく就任した委員を退任した委員が一定期間サポートする制度を新設するなど、民生委員・児童委員が活動しやすい環境づくりを推進します。

マンションやオフィスビルなどの緑化助成制度を創設
 市は、緑化助成制度(グリーンビル促進事業補助金)を創設し、市民や企業の皆さんが緑化に取り組めるよう支援します。
 マンションの居住者等がベランダを緑化する場合に、費用の50%(上限20万円)を、都心部のオフィスビルの所有者等が空地や建物を緑化する場合に、費用の50%(上限3,000万円)を助成します。
 詳しくは、市ホームページ(「グリーンビル促進事業補助金」で検索)でご確認ください。
 問い合わせは、みどり推進課(電話 092-707-1295 FAX 092-733-5590)へ。

 

ドリームナイト・アクアリウムを実施

 障がいのある子どもの中には、その特性から水族館等を楽しむことができない人もいます。
 市は、未就学の障がいのある子どもとその家族が、水族館で周囲に気兼ねなく過ごせるよう、マリンワールド海の中道(東区西戸崎)を閉館後に貸し切り、「ドリームナイト・アクアリウム」を実施します。
 子どもが感情やストレスが高まった時に気持ちを落ち着かせるための空間(カームダウンスペース)を設けます。また、音や光に敏感な子どものために、イヤーマフや遮光グラスを貸し出します。
ドリームナイト・アクアリウムは11月と来年3 月に実施

■災害に強いまちへ
 地震や豪雨など、これまで経験したことのないような大規模な自然災害が各地で発生しています。
 市は、地域防災計画を全面的に見直し、関係機関と連携して防災対策の強化を図ります。
 ●避難所の環境を改善
 避難生活での負担を少しでも減らせるよう、T(清潔なトイレ)、K(温かい食事・キッチン)、B(心身が休まる生活空間・ベッド)の導入をはじめとした避難所の環境改善に取り組みます。
 水がなくても衛生的に使える簡易トイレを増やすほか、移動式トイレを導入します。民間企業やキッチンカーの関係団体等と連携し、できるだけ早く温かい食事を提供します。簡易ベッドやパーティション等を増やし、プライバシーに配慮した空間も確保します。災害時にTKBをすばやく機能させるための防災訓練も実施します。

キッチンカーに並ぶ被災者。温かい食事は、被災者の心を癒します
 また、災害時に避難所となる学校の体育館にエアコンを設置することで、夏の熱中症対策を講じ、避難所の環境改善につなげます。

 ●給水ルートの耐震化を実施
 上下水道は市民生活を支える重要なライフラインです。
 市は、地震などの災害が起きた場合でも、水道水を届けられるよう、学校の体育館等の避難所や救急病院などへの給水ルートとなる配水管を耐震化する工事を実施してきました。
 今年度はさらに、一時避難所となる公民館等を対象に給水ルートの耐震化を図ります。
 ●下水道施設の耐震化を推進

災害時に下水道施設が停止しても早期復 旧できるよう、災害対応訓練も実施

 地震が起きた際にも下水道機能を確保するため、ポンプ場・水処理センターの揚水施設や消毒施設、緊急輸送道路に埋設された下水道管等の重要施設の耐震化を進めます。
 ●豪雨災害時の浸水対策を推進
 地下空間を有する博多駅と天神の周辺地区では、雨水貯留施設や雨水管等を整備し、浸水対策を行っています。また、市内全域で浸水被害の大きかった地区の雨水管や側溝整備などを行っています。これらの事業を継続し、水害にも備えます。

住宅の耐震改修工事費等の補助を拡充
 市は、昭和56(1981)年5月31日以前の耐震基準で建築された共同住宅を対象に、耐震化にかかる工事等への補助を行っています。
 改修工事費への補助率を23%から3分の1に引き上げるほか、新たに耐震設計にかかる費用への補助も開始します。このほか、耐震診断の費用への補助もあります。
 また、昭和56(1981)年5月31日以前の耐震基準で建築された木造住宅を対象に、耐震改修工事や建て替え、耐震シェルターや防災ベッドの設置への補助も行っています。
 共同住宅、木造戸建て住宅ともに、事前の相談が必要です。詳細は、市ホームページ(「福岡市 耐震改修 補助金」で検索)で確認するか、建築物安全推進課(電話 092-711-4580 FAX 092-733-5584)に問い合わせを。

 

市債残高について

1人当たりの残高はピーク時の半分以下
 ●市債を発行する理由
 道路・公園・学校など長期間使用される公共施設を整備する際に、その費用を今年度の予算だけで賄うと、現在住んでいる市民だけが費用を負担することになります。施設等を将来使用する市民にも整備費用を公平に負担してもらうため、市債を発行しています。
 ●市債発行額
 令和7年度の市債発行額(一般会計)は545億円の見込みです。6年度の当初予算と比較すると55億円減少しました。
 ●市債残高の縮減
 令和7年度末の満期一括積立金を除く全会計ベースの市債残高は、前年度から522億円減の1兆7579億円です。
 さらに、臨時財政対策債の残高見込み額を除いた額は、市債残高が最も多かった平成16年度末から1兆1019億円減少し、1兆4096億円になりました。
 市民1人当たりの市債残高見込み額は、昨年度をさらに下回る約88万円で、平成16年度末の半分以下になりました。
 将来の世代に過度な負担を残すことのないよう、市は今後も、必要性や効果の高い事業を厳選し、市債残高の縮減に努めていきます。

市債残高の推移(全会計)

福岡市債の発行月が決定しました

 令和7年度の福岡市債の発行月は、下記の通りです。
 利率は、発行月の上旬に決定します。利率の決定日や取扱金融機関などは、事前に市政だよりでお知らせします。また、市ホームページ(「福岡市債」で検索)でも発行計画や申し込み方法などを詳しく案内しています。
 ●令和7年度発行予定

令和7年度発行予定

発行月 満期 発行額
6月 5年 50億円
10月 10年 50億円
12月 5年 100億円
来年3月 10年 100億円
 ※途中で売却する場合は、金利上昇による債券価格の下落等により投資元本を割り込むことがあります。
 ※市債の発行月・発行額は変更になる場合があります。
 ■問い合わせ先/総務資金課 電話 092-711-4592 FAX 092-733-5586

ふくおかしの家計簿

 「ふくおかしの家計簿」は、市の予算や財政状況、財政運営の取り組みなどを、イラストやグラフ等を用いて分かりやすく説明したパンフレットです。
 令和7年度版を5月から情報プラザ(市役所1階)や各区役所情報コーナーで配布するほか、市ホームページ(「ふくおかしの家計簿」で検索)にも掲載します。
 ふくおかしの家計簿
■問い合わせ先/財政調整課 
電話 092-711-4166 
FAX 092-733-5586

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