夏バテしない生活習慣を

 8月7日の立秋を過ぎても厳しい暑さが続いています。体力の低下や食欲不振など、体の不調を感じていませんか。元気に夏を乗り切るためのポイントを紹介します。

 市健康づくりサポートセンターで運動指導を行う田邊恵子さんに夏バテ予防について聞きました。
 夏バテとは、高温多湿の環境下で体力を消耗し、「なんとなく体調が悪い」「疲れが取れない」といった、倦怠感や疲労感、食欲不振などの症状が現れる状態をいいます。
 冷房の効いた室内と暑い屋外を行き来することで体温調節がうまくできなくなり、熱帯夜による睡眠不足なども加わって夏バテになると考えられています。暑い夏でも元気に過ごすためには、運動・休養・栄養の三つが大切です。

■適度な運動を継続する
 健康運動指導士として、アドバイスを行う田邊さん
健康を維持する上で、運動はとても重要です。暑い中で行う場合には、運動の方法や水分の取り方などに十分注意してください。
 お勧めは、ウオーキングなどの有酸素運動です。涼しい時間帯を選んで、小まめに水分を補給しながら行いましょう。エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用したり、昼休みに会社の廊下を歩いたりするだけでも、代わりになります。
 運動は、涼しい屋内でもできます。好きな音楽をかけながら足踏みをしたり、ラジオ体操をしたりするのもいいでしょう。椅子に座ったまま、片膝を胸に引き寄せたりするだけでも筋肉を動かすことはできます。
みんなで楽しく運動
■質の高い睡眠を取る
 
寝る前にストレッチを行うと、リラックス効果もあり、お勧めです。デスクワークなどで硬くなった胸を広げ、肩甲骨を寄せていくと、胸の周りの筋肉が緩みます。呼吸がしやすくなり、睡眠の質が上がることが期待されます。
 夏でも、シャワーで済ませず、ぬるめのお湯に漬かった後にストレッチを行うと、体がほぐれやすくなります。

■規則正しく食べる
 
暑いからといって、冷たいものを飲み過ぎたり、そうめんやそばなど、口当たりの良いものばかりで済ませたりしていると、栄養が偏ってしまいます。バランスの取れた食事を心掛け、1日3食しっかりと食べましょう。
 まだまだ暑い夏は続きます。自分の生活習慣を振り返り、規則正しい生活リズムを心掛けて、夏を元気に乗り切りましょう。
 
■問い合わせ先/市健康づくりサポートセンター(電話 092-751-2806 FAX 092-751-2572)

市健康づくりサポートセンター
 あいれふ外観
市健康づくりサポートセンター(中央区舞鶴二丁目 あいれふ4階)では、よかドック(市国民健康保険の特定健診)・各種がん検診等のほか、健康に関する講座や運動教室を行っています。糖尿病専門医、保健師、管理栄養士、運動指導士が専門的な立場からサポートします。 ※本紙7面に健(検)診の情報を一部掲載。
 
【センターで行われる健康教室】
 
●やせナイト塾(生活習慣改善教室)
 
健康的に減量するための食事や運動のポイントを学びます。料金は1,000円。土曜日コース(午後1時~5時、全2回)と木曜日コース(午後7時~9時、全4回)があります。 ※どちらも3カ月後のフォロー教室を含む。
 
●にこにこルーム(運動教室)
 
目的に合わせて、ストレッチや筋力トレーニング等を行います(各70分)。料金は1回800円。▽フレイル(要介護前の虚弱状態)予防=火曜日午前10時20分~▽スロートレーニング=水曜日午前10時20分~▽ダンスステップで脂肪燃焼=水曜日午後1時50分~▽ロコモ(運動器の障がいにより移動機能が低下した状態)予防=木曜日午前10時20分~
 いずれも、申し込み方法など詳細は、福岡市健康づくりサポートセンターホームページ(「福岡市健康づくりサポートセンター」で検索)で確認するか、同センターへ。

就寝前のお勧めストレッチ
 
自然な呼吸で反動をつけず、伸ばしている筋肉を意識しながら、気持ちいい程度で20秒以上かけて行います。
 詳しくは、福岡市健康づくりサポートセンターホームページ(「福岡市健康づくりサポートセンター 基本のストレッチ」で検索)で紹介しています。

●肩・腕
腕をクロスして片腕で反対側の腕を抱え、引き寄せる
腕をクロスして片腕で反対側の腕を抱え、引き寄せる

●肩・胸
胸を前に出し、肩甲骨を背骨に寄せる。後ろに組んだ手を体から離すように上げる
胸を前に出し、肩甲骨を背骨に寄せる。後ろに組んだ手を体から離すように上げる

●体幹
手を頭の上で組み、おなかも引き上げるように、手を上に伸ばす
手を頭の上で組み、おなかも引き上げるように、手を上に伸ばす

●背中
手を組んで前に出す。おへそを見るように、頭を下げながら手を前に伸ばす
手を組んで前に出す。おへそを見るように、頭を下げながら手を前に伸ばす

●体側
右手で左手首を持ち、右に引っ張る。同じように左手で右手首を持ち、左に引っ張る
右手で左手首を持ち、右に引っ張る。同じように左手で右手首を持ち、左に引っ張る

健康づくりレシピブックを配布します
 健康づくりレシピブック
9月26日(木曜日)午後4時から7時にイオンショッパーズ福岡店(中央区天神四丁目)地下1階食料品売り場で、「健康づくりレシピブック」を配布します(なくなり次第終了)。
 「野菜をしっかり食べる」「時短料理」「福岡の郷土料理」などをテーマに、地域保健課管理栄養士が考案した100のレシピや健康に関する情報を掲載しています。
 10月1日(火曜日)から、市ホームページ(「福岡市 健康づくりレシピブック」で検索)からダウンロードできます。
 
■問い合わせ先/地域保健課 

電話 092-711-4374 

FAX 092-733-5535


バランスの取れた食事を
 
体力を消耗しやすい夏は、食欲不振などで、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが不足しがちです。主食、主菜、副菜を基本に、多くの食品を組み合わせてバランスの良い食事を心掛けましょう。

■地域保健課の管理栄養士・岡三枝さんの話
 地域食育コーディネーターとして、食育講座の講師も務める岡さん
唐辛子やカレー粉などの香辛料、ネギ、ショウガ、青ジソなどの香味野菜は、食欲を高めてくれますし、かんきつ類や酢の酸味は、さっぱりして食が進みます。納豆、オクラ、山芋などのねばねば成分は、胃の粘膜を保護して消化を助け、胃の負担を軽くしてくれますよ。
 食欲がない時は、おかずを中心にいろいろな種類を少量ずつ食べたり、1食を2回に分けたりして、必要な栄養素を補いましょう。
 よく噛(か)んで食べることも大切です。しっかり噛むことで、胃腸の働きが促進され、消化・吸収がよくなります。
 全て手作りしなくても、市販の惣菜や冷凍食品、乾物、缶詰などを使えば、手軽に栄養のバランスを整えることができます。
 ナスを縦半分に割り、さらに縦半分に割って、食べやすい大きさにちぎる
●旬の野菜で元気に
 
旬の野菜は栄養豊富で、値段も手頃です。夏から秋が旬のナスは、煮ても、焼いても、揚げてもおいしく食べられる万能野菜です。手で割くと、表面がでこぼこになり、調味料が絡みやすくなります。
 下記に紹介する「豚と夏野菜のみそ炒め」の他にも、たくさんの料理レシピを公式インスタグラム「いくちゃんねる福岡市」で紹介しています。
 市ホームページ(「福岡市 栄養・食育の部屋」で検索)にも、夏を乗り切るためのレシピを掲載しています。ご活用ください。
 
■問い合わせ先/地域保健課 

電話 092-711-4374 

FAX 092-733-5535


豚と夏野菜のみそ炒め
料理の写真。包丁、まな板いらずで簡単
【材料4人分】

豚肉(細切れ)240グラム、おろしニンニク小さじ2、片栗粉大さじ1、ナス中2本、ピーマン4個、マイタケ小1/2個、ごま油小さじ1
〈合わせ調味料〉みそ大さじ2弱、酒大さじ1/2、砂糖大さじ1弱、中華スープの素小さじ1、おろしショウガ小さじ2、水大さじ2

【作り方】
 <1>ナスを一口大にちぎる。ピーマンは、へたを親指で中に押し込み、一口大にちぎる。マイタケは一口大にほぐす。
 <2>ボウルに合わせ調味料の材料をよく混ぜ合わせる。
 <3>ポリ袋に豚肉、おろしニンニクを入れてもみこみ、片栗粉を加え肉にまぶす。
 <4>ごま油で豚肉、ナス、ピーマン、マイタケを炒め、<2>を回し入れ、混ぜ合わせる。

夏に取りたい栄養素

 ▽ビタミンB1=不足すると疲れを感じやすくなる。ウナギ、豚肉、レバー、玄米、大豆製品など
 ▽カリウム=体内の水分量を調整し、余分な塩分を排出。野菜、海藻、イモ類、大豆製品、果物など
 ▽ビタミンC=抗酸化作用を持つ。野菜、果物、イモ類、レバーなど






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