市は、民間事業者と連携しながらリサイクルを推進しています。市内の事業所や市民の皆さんの協力もあり、市のリサイクル率は政令市の中でもトップクラスとなっています。
■4分別が施設で9区分に
福岡市の家庭ごみは、「燃えるごみ」「燃えないごみ」「空きびん・ペットボトル」「粗大ごみ」の4分別です。他都市に比べ簡単な分別方法がとられていますが、ごみを収集した後に市の施設で9種類にまで分けられ、種類別にリサイクルを行っています。
例えば、「燃えないごみ」は、資源化センターで破砕処理され、強力な磁石や風で吹き飛ばす装置等によって鉄とアルミを選別し、リサイクルしています。「粗大ごみ」や「空きびん・ペットボトル」も種類ごとに選別するなど、リサイクルにつなげています。
■民間と連携したリサイクル
市はこれまで、地域や民間事業者と連携してリサイクルを進めてきました。身近なところでは、地域の集団回収やリサイクルボックスで集められた資源物を、古紙業者等の民間事業者が回収し資源化しています。
また、オフィスなど事業所での古紙分別やリサイクルを進めるため、優良な資源物回収業者と協定を結び、事業所に紹介しています。さらに、古紙選別施設や食品廃棄物のリサイクル施設の整備費を助成したり、資源物の収集運搬体制を連携して整えたりするなど、さまざまな形で民間事業者とリサイクルに取り組んできました。その結果、市全体の令和3年度のリサイクル率は32・1%で、政令市で1位となっています(下記参照)。
■問い合わせ先/環境局計画課
電話 092-711-4308
FAX 092-733-5907
政令市のリサイクル率(令和3年度)
福岡 32.1%
川崎 30.3%
千葉 30.1%
北九州 27.9%
横浜 27.5%
仙台 27.5%
岡山 27.3%
名古屋 25.7%
札幌 25.5%
新潟 24.4%
さいたま 23.3%
熊本 22.5%
神戸 22.1%
相模原 20.9%
浜松 17.9%
「名古屋ごみレポート2022版」を基に作成
福岡市の特色
●全国でも珍しい夜間収集
市は、家庭ごみを夜間に収集しています。交通渋滞を避けられることや地域の防犯にも役立つことがその理由です。日中の景観が守られ朝早く出す必要がないため、市政アンケートでは97.8%が満足と答えました(令和3年度)。
●世界に広がる福岡方式
市と福岡大学が共同開発した廃棄物埋め立て技術「福岡方式」は、整備しやすく低コストで、埋め立て場跡地を早期利用できることが特徴です。現在、アジアを中心に21カ国で導入されています。メタンガスの発生を抑制し、埋め立て場と周辺環境を改善することで、世界の都市が抱える廃棄物問題の解決と脱炭素の推進に貢献しています。
ごみを減らすためにリデュース・リユース・リサイクル
福岡市で1年間に出されたごみの量は、ペイペイドーム約1・5杯分、約52万6千トンでした(令和3年度)。処理にかかった金額は約221億円に及びます。もし、市民一人一人が1日100グラム(4枚切り食パン1枚分)のごみを減らすことができれば、市全体で1日約160トンのごみが減量でき、処理費を約700万円、年間で約26億円減らせる計算になります。
家庭から出される燃えるごみの中には、多くの古紙やプラスチック、食品が含まれています。3R(スリーアール)▽リデュース(ごみを発生させない)▽リユース(繰り返し使う)▽リサイクル(再利用する)―で、ごみを減らしましょう。
●古紙(段ボール・新聞紙・雑がみ)
市の家庭ごみには、年間約4万トンのリサイクルできる紙が含まれ、その約9割が菓子やティッシュの箱、はがき・封筒、ラップなどの芯、チラシ、ノート、雑誌・本などの雑がみです。食品・油・匂いがついた紙や感熱紙、カーボン紙などの特殊なもの以外、ほとんどの紙がリサイクルできます。
これらは溶かされ、もう一度新聞紙や段ボール、トイレットペーパー等に生まれ変わります。雑がみは燃えるごみに出さず紙袋などに入れ、地域の集団回収やリサイクルボックス等に出してください。
●プラスチック
プラスチックのリサイクル促進に向けて、市は昨年度から資源物回収拠点(東・城南・早良・西区役所、西部・入部出張所、博多・南市民センター、中央体育館)でプラスチック製品を回収しています。1辺の長さが50センチ未満で、プラスチックのみでできているものを回収します。汚れがひどいものや、シャンプーのボトル、ラーメン等のカップ、卵パックなどのプラスチック製容器包装は対象外です。
昨年度回収した約12トンのプラスチックでプランターを製作し、「花による世界水泳おもてなし景観づくり」に活用しました。
回収拠点に持ち込まれたプラスチック製品のリサイクル率は約70%で、リサイクル時の二酸化炭素排出量は、焼却処理した時に比べて約30%削減できました。また、今年度から今後のプラスチックごみの分別収集導入に向けた、戸別収集のモデル事業もスタートしています。
このほか市では、プラスチックごみ削減のため、区役所をはじめとする21の公共施設に、マイボトル用給水スポットを設置しています。
●食品
食品ロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。市の調査では、約4割の世帯のごみに食品ロスが含まれていることが分かりました。食品ロスを防ぐには▽食材を無駄なく使い切る▽冷凍保存を上手に活用する▽安いからと買い過ぎない―等に気を付けてください。外食時には適量注文を心掛けましょう。
家庭で使い切れない食品は、「フードドライブ」をご利用ください。フードドライブは、持ち込まれた未使用の食品を、必要としている人々に届ける活動のことで、福祉施設や子ども食堂などに無料で提供されます。未使用・未開封のもので賞味期限が1カ月以上あるものを回収します。臨海・西部3Rステーション等にお持ち込みください。
市内のスーパーなどで、イベントが開催されることもあります。開催情報は、市のホームページ(「福岡市 フードドライブ」で検索)でお知らせしています。
福岡市の家庭から出る燃えるごみの内訳(令和3年度)
生ごみ 32.3%
紙類 30.6%
プラスチック 22.6%
その他 14.5%
生ごみ堆肥化容器等の購入を補助します
●購入前に申請を
市は、家庭から出る生ごみの減量と資源化を推進するため、段ボールコンポスト等の生ごみ堆肥化容器や、電動生ごみ処理機の購入費用の一部を補助します(申請は12月28日まで)。
出来た堆肥は花壇や家庭菜園等に利用するか、市内の資源物回収ボックスにお持ち込みください。
●回収した生ごみ堆肥がまちの花壇に
市は、家庭で作られた生ごみ堆肥を回収し、歩道や公園の花壇で活用してもらう新たなプロジェクトを開始しました。
回収後に肥料として使えるよう調整した後、一人一花運動に取り組む団体に利用してもらいます。
■問い合わせ先/ごみ減量推進課
電話 092-711-4039
FAX 092-711-4823
私たちにできること
ごみ減量推進課の鈴木遥です。ごみを減らすために、まず大切なことは「リフューズ(断ること)」です。マイバッグやマイボトルを持参して、レジ袋やスプーン等の要らないものは買わない、もらわないようにしましょう。また、生ごみはコンポストを活用したり、ごみとして出す場合にはしっかり水気を切ったりすることでも、ごみの減量につながります。
わが家では、ごみ箱の横に紙袋を置いています。破ったり切ったりした小さな紙も紙袋に入れ、口をホチキスで留めれば、雑がみとして資源物回収に出せますよ。
ごみ減量推進課に配属されてから、物を買うときに捨て方も考えるようになりました。皆さんも、買う前やもらう前に「本当に必要か」、捨てる前に「誰かにとって必要な物ではないか」「資源物として出せないか」、ぜひ考えてみてください。
ごみや資源物の分け方・出し方について
ごみの分け方や出し方に迷ったら、市ホームページ(「福岡市 ごみと資源の分け方・出し方」で検索)をご覧ください。ごみについての情報を詳しく紹介しています。問い合わせは、ごみ減量推進課(電話 092-711-4039 FAX 092-711-4823)へ。