地域の未来をつくろう〜持続可能な地域コミュニティへ〜

 市は、昨年4月に「共創による地域コミュニティ活性化条例」を制定しました。災害時など、いざという時に頼りになるのは「ご近所とのつながり」です。住民同士の助け合いや支え合いの基盤となる、地域コミュニティの仕組みや役割を紹介します。

 住みよいまちをつくるためには、住民自ら地域の将来像を描き、実現に向けて行動する「自治」の意識が重要です。
 
●自治会・町内会
 
自治会または町内会は、一定の地域を単位として住民自ら設立した自治組織のことです。住みよいまちにするために、交流を深める行事や安全に生活するためのさまざまな活動を行っています。
 地域には、子どもや高齢者、障がいのある人、外国人などさまざまな人が暮らしています。少子高齢化が進み、1人暮らしの高齢者や核家族化で孤立する子育て世帯などが、個人や家族だけでは解決できない問題を抱えている場合もあります。
 誰もが安心して暮らすためには、いざという時に支え合える環境が不可欠です。自治会・町内会で行われる日頃の活動の積み重ねが、安全なまちをつくります。
 
●校区でつくる自治協議会
 
一つの自治会や町内会よりも、校区全体で取り組む方が効果的な活動もあります。自治協議会は、小学校区内の自治会・町内会と、体育振興会や自主防災組織など地域の団体等で構成する組織で、市内151の校区・地区に設立されています。
 防犯・防災、子ども、環境、健康づくりなど、地域のさまざまな事柄について協議・運営されており、具体的には、防災訓練や防犯パトロール、運動会、夏祭りなどの活動が行われています。
 地域づくりの主役は、そこに暮らす皆さんです。無理なく、できる範囲で構いません。気軽に参加してみてください。
 市は、持続可能な地域コミュニティの実現に向けて、地域住民と企業、商店街、NPO、学校等と協力し、地域の未来をつくる「共創」のまちづくりを進めています(3面に関連記事)。
 
■問い合わせ先/コミュニティ推進課 

電話 092-733-5161 

FAX 092-733-5595

福岡市地域コミュニティサイト「ふくコミ」
 「ふくコミ」のトップ画面
市は、市民の皆さんが地域活動について気軽に情報を入手できるよう、地域コミュニティサイト(「ふくコミ」で検索)を開設しました。▽自分の住む地域の自治会・町内会や自治協議会について知りたい▽地域活動の情報を知りたい▽自治会に入りたい—など、さまざまな疑問に答えます。

地域の活動事例を紹介します

■ガーデンシティ町内会 馬場公司 前会長(80歳)の話
 馬場会長と現町内会長の吉田さんの写真
地域活動に関わり20年になります。若い頃は仕事や生活に追われ、地域に関わることができませんでした。妻を早くに亡くしたこともあり、これまでの恩返しにと町内会の仕事を引き受けました。
 まず最初に手掛けたことは、地域活動の「見える化」です。当時はまだブログを書いている自治会はほとんどありませんでしたが、専門部署を設けて得意な人に担当してもらい、どんな活動をしているかを発信しました。今では、この地域に暮らす972世帯のうち、810世帯が町内会に加入しています。
 ここに住んで良かったと思ってもらえるよう、バスハイクなど誰もが参加したくなるようなイベントを企画しています。
 地域活動が健康の秘訣(ひけつ)です。こうして元気でいられるのは、多くの人とのつながりや、地域の皆さんとの関わりのおかげ。これからも地域と共に元気に暮らしていきます。
地引網を体験する町内会のみなさん
■室見校区自治協議会 片渕輝昭 会長(75歳)の話
 「室見ワンデイまつり」の写真
早良区の室見校区には19の自治会・町内会があり、約6千世帯が暮らしています。子育て世代のファミリー層や転勤族も多いため、初めてでも気軽に参加できる催しを企画しています。
 コロナ禍で活動が制限されましたが、できることはないかとアイデアを出し合いました。「家にこもっている人に外に出る機会をつくりたい」「子どもも高齢者も楽しめるイベントを」というみんなの思いを形にしたのが「室見ワンデイまつり」と「室見探検隊」です。
 「室見探検隊」では、校区内を歩いて問題に答える「ウオーク編」、7日間自宅で簡単な運動を行う「体力編」、クイズや問題に答える「頭脳編」の、三つの探検を行うとそれぞれジャガイモ、タマネギ、ニンジンがもらえます。三つ全て終了したら新米がもらえ、申込時にもらったルーと合わせるとカレーライスの材料がそろいます。校区内の148組393人が参加し、たくさんの笑顔を見ることができました。
 私は30代の頃、子ども育成会に関わったことがきっかけで体育振興会、自治会など地域活動に携わるようになりました。他の自治会・町内会にも知り合いが増え、人が人を呼び多くの仲間にも恵まれました。みんな自ら進んで仕事をしています。つながりを大切に、自分たち自身が楽しいと思えることを続けていきます。
会長・副会長の写真
人とつながる豊かな暮らし公民館へ行こう

■「集まる」「学ぶ」「つなぐ」場所
 西区姪浜公民館
市は、各小学校区に1館ずつ公民館を設置しています(一部新設校等を除く)。館内には、講堂や学習室、和室、児童等集会室などを備え、地域住民の生涯学習や地域活動の拠点として利用されています。
 公民館の部屋は、地域活動の打ち合わせや仲間とのサークル活動などに利用できます。団体やグループ、個人が、ここでつながり、さまざまな課題解決を目指して活動しています。
 また公民館では、公民館主催の各種講座やサークル活動も行われています。自主的に学びたい内容の講座を、仲間を集めて実施することもできます。
 講座内容や作品展示などの情報も提供していますので、スタッフにお尋ねください。
 
●地域の情報を発信
 
各公民館は、各種講座や地域の催しなどを掲載した「公民館だより」を毎月発行しています。また、独自にブログやSNSを利用して発信している地域もあります。
 公民館についての詳細は、市ホームページ(「福岡市 公民館」で検索)をご覧ください。
 公民館は、地域活動に参加したり、新しい仲間や気の合う友人に出会ったりするきっかけの場所でもあります。絵本などの図書もありますので、気軽にご利用ください。
 公民館の利用や自治会等に関する問い合わせは、下記の各区地域支援課へ。

【問い合わせ先】各区地域支援課
問い合わせ先は以下参照
区 電話 ファクス
東 092-645-1041 092-645-1042
博多 092-419-1048 092-434-0053
中央 092-718-1061 092-714-2141
南 092-559-5071 092-562-3824
城南 092-833-4063 092-822-2142
早良 092-833-4416 092-851-2680
西 092-895-7036 092-882-2137

姪浜公民館・尾石静雄館長(74歳)の話
 尾石静雄館長の写真
公民館を初めて訪れる人にも気兼ねなく利用してもらえるよう、明るい笑顔の対応を心掛けています。「健康よろず相談」など、誰でも参加できる催しもあります。分からないことは、遠慮なくお尋ねください。

市民センター
 南市民センターの写真
各区に設置されている市民センターは、500〜800人を収容する大ホールや会議室・研修室・視聴覚室・和室などを備えた社会教育施設で、図書館分館も併設されています。各種講座のほか、規模の大きな講演会やイベントなど多彩な催しが行われ、区民の学習や発表の場として利用されています。
 利用については、各市民センターのホームページに掲載しています。申し込みは、市公共施設案内・予約システム(「コミネット」で検索)をご利用ください。

使いやすく魅力的な公園にコミュニティパーク事業
 昨年10月に開催された「生松台三世代交流フェスタ」の写真
コミュニティパーク事業は、地域が公園利用のルールを作り、自律的な管理運営を行うことで、使いやすく魅力的な公園にしようという取り組みです。
 地域が、公園利用の調整や清掃等の管理運営を主体的に行うなどの協定を市と締結すると、これまで一律に制限されていたことが地域ごとのルールに沿ってできるようになります。例えば公園で、フリーマーケットや地域カフェを行うなど、新しい使い方が可能になります。
 
●さらなる魅力の向上に
 
公園をさらに魅力的な場所にするために、事業実施から1年以上、適切な管理運営がなされたなどの条件を満たせば、地域によるパークハウスの設置が特別に認められます。
 令和元年、博多区の下月隈中央公園内に市内で初めてパークハウスが設置されました。下月隈中央公園コミュニティパーク運営委員会の秋山勇司さん(57)は、「パークハウスでは、季節の催しや地域カフェなどさまざまな活動を行っています。皆さん、用事がなくてもふらっと立ち寄ってくれますよ。男性の利用者もだんだん増えてきました。ここに来れば誰かに会える、そんな安心できる場所です」と話してくれました。
秋山さんの写真
 この事業は、地域の皆さんの希望により実施されるものです。詳しくは、市ホームページ(「福岡市 コミュニティパーク」で検索)に掲載しています。
 テラスでコーヒーを飲みながら語らう様子
■問い合わせ先/公園部活用課 

電話 092-711-4367 

FAX 092-733-5590

ふくおか共創パートナー企業
 
市は、地域でまちづくりを盛り上げてくれる、企業・団体・商店街などを「ふくおか共創パートナー企業」として登録しています。
 登録した企業は、地域の除草・清掃活動や横断歩道での見守り、地域カフェや餅つき大会等のイベントへの協力など、さまざまな形で地域に貢献し、活躍しています。

■登録のメリット
 
パートナー企業になると、地域の皆さんと顔なじみになり、企業を身近に感じてもらえるほか、市ホームページで活動の情報が公開され、イメージアップにもつながります。
 地域では、イベント開催時などに企業から人材派遣や場所の提供が行われるほか、災害時に協力が得られるなど、地域だけでは難しかったことが可能になります。
 登録を希望する企業は、ホームページからご登録ください。申請書が必要な場合は、下記問い合わせ先へ。
 
■問い合わせ先/コミュニティ推進課 

電話 092-711-4286 

FAX 092-733-5595












 












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