市域面積の3分の1を森林が占める福岡市は、自然と都市とがコンパクトに調和した街です。
森林は、CO2の吸収や、生物多様性の保全、水源かん養、土砂災害の防止などの多くの機能を有しています。
市内の森林のうち、約半数はスギ・ヒノキの人工林で、約8割が木材としての利用時期を迎えています。
福岡市では、市内で生育・伐採された木材(福岡市内産材)の利用を促進し、「伐(き)って、使って、植える」森林のサイクルを回すことで、森林の持つこれらの機能をさらに高め、快適で豊かな市民生活が持続できる環境を次の世代に残していく取組みを推進しています。
福岡市内の山で伐った木が利用されるまでについて、令和5年4月に開校した西都北小学校の校舎を事例に、紹介する動画です。
福岡市内産材は、以下のような施設等に利用されています。
木材の利用促進や普及啓発を図るため、市民の目に触れる機会の多い区庁舎等に市内産材を利用しています。
東区役所の待合スペースでは、総合案内カウンターや椅子、ラックなどに油山の間伐材を使用しています。
総合案内カウンターには、東区のシンボルマークと、東区の花である『撫子』・『ヒマワリ』・『コスモス』がデザインされています。
中央区役所では、1階フロアや玄関前広場の木質化リニューアルを行いました。1階フロアは市内産材を活用した窓口カウンターの設置や待合スペースの拡充など、木のぬくもりを感じられるゆとりある空間となっています。また、玄関前広場は、来庁される人が安心・快適に利用できるようユニバーサルデザインに配慮したオープンスペースとなっています。
南区役所の子育て支援課では、ぬくもりを感じられるよう窓口や相談ブースに油山の間伐材を使用し、子育てに関する相談をしやすい環境を整えました。
城南保健所では、利用者同士が気軽に交流できる場の創出のため、エントランス横の「ふれあい広場」を木質化リニューアルしました。テーブルやベンチ、フローリングなどに油山の間伐材を使用しています。
木のぬくもりが感じられる癒しの空間として、親子同士での交流や子育てに関する相談時、検診の待ち時間などに、誰でも気軽に利用できます。
早良区役所では、階段の手すりや窓口カウンターなどを木質化リニューアルしました。
窓口カウンターには、区の脇山産木材などを使用しています。また、待合スペースでも木のぬくもりが感じられるよう、柱の周りにも木材を取り入れたデザインを施しました。
早良区入部出張所では、玄関の案内や間仕切り、窓口などを木質化リニューアルしました。窓口カウンターの天板には、出張所管内の7割を占める森林のスギを使用しています。
公民館や学校は、地域住民や子どもたちにとって最も身近な公共施設であり、木のぬくもりや木への親しみやすさを感じてもらう場としてふさわしいことから、市内産材の利用を促進しています。
モノトーンを基調とした外観で、館内は木のぬくもりが感じられる温かな雰囲気です。
吹抜部分のルーバーなどに市内産材が使われています。
事務室と研修室の壁に油山のヒノキを使用しています。
子どもたちにとって豊かな学習環境となるよう、昇降口をはじめ、廊下や各教室の腰壁、図書室の床などに市内産材をふんだんに使用しています。
赤ちゃんのいる世帯を対象に、民生委員が自宅に訪問し、地域・子育て情報を提供するとともに、市内産のヒノキのつみきをお祝いの品として配布しています(※訪問を希望する世帯のみ)。
会場に設置する選手入場ゲート等を市内産材で製作しました。「福岡」と「和」の要素を盛り込んだ創作装飾で会場を演出し、SDGsにも取り組みました。
店舗の内装などに市内産材を使用しています。
市内の上屋のあるバス停のうち62箇所に、油山の間伐材を使用したベンチを設置しています。
会議室の腰壁に市内産材を使用しています。
ルーバーに市内産材を使用しています。
民間施設などにも市内産材の利用を促進しています。
株式会社セブン-イレブン・ジャパンが全国で初めて、地元の木材を積極的に活用した次世代環境配慮型の木造店舗です。
躯体や内装に市内産材が約40%使用されています。
ケーキのショーケース等、店舗の内装に市内産の間伐材が使用されています。
つみき高さ積みのギネス記録更新を目指すことをコンセプトに、市内の玩具店が市内産の間伐材を使用して開発しました。
同商品は、福岡市のふるさと納税の返礼品にもなっています。
現代アート作家の富田 貴智さんが、市内産の間伐材で「make a castle with blocks」という作品を制作しました。
この作品には、「手にとってつながる」というコンセプトのもと、山と海の関係から生まれる生態系や、森が呼吸するための環境について、多くの子供たちやその親世代に知ってもらいたいという思いが込められています。
NPO法人博多ミツバチプロジェクトでは、市内産の間伐材をミツバチの巣箱に使用しています。
ニホンミツバチを育てることが市内の森林保全にも一役買っています。