腸管出血性大腸菌O157(オーイチゴーナナ)による食中毒について
腸管出血性大腸菌O157(オーイチゴーナナ)とは?
- 病原大腸菌の一種で、動物の腸管内にいる細菌です。
- 牛などの家畜のふん便に汚染された食肉や、汚染された食肉から調理器具や人の手指を介して二次汚染された食品や水を口にすることによって食中毒を引き起こします。
また、感染した人のふん便による汚染によって、人から人へ感染をすることもあります。
- 人の腸管内で猛毒の「ベロ毒素」と呼ばれる毒素を産生します。
O157の特徴は?
- 強い感染力
100個たらずの菌でも感染します。そのため、食品に菌がごく少量ついただけで、食中毒が発生します。
- 強い毒性
猛毒のベロ毒素を産生し、激しい腹痛や水様性の下痢、血便などの 症状を引き起こします。特に、抵抗力の弱い子どもや高齢者は、溶血性尿毒症(HUS)や脳症(けいれん・ 意識障害など)が発症するなど重症化しやすく、死に至ることもあります。
- 長い潜伏期間
潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が4~9日と長く、感染源が特定しにくい要因となっています。
O157食中毒予防のポイント
- 十分に手を洗いましょう。
トイレの後や食事の前、調理する前は、しっかり手を洗いましょう。
- 肉の生食はやめましょう。
レバ刺しや鶏刺しなど、中心まで十分に加熱されていない肉を食べるのはやめましょう。
- 「箸」の使い分けをしましょう。
焼肉やバーベキューの時は、生肉をつかむ箸と食事用の箸は別々にし、よく焼いて食べましょう。
- 食品は十分に加熱しましょう。
0157は、75℃1分以上加熱すれば死滅します。中心部まで十分加熱しましょう。
- 食中毒予防の三原則を守って調理しましょう。
食中毒予防の三原則
- 菌をつけない
- 野菜や魚介類は流水でよく洗いましょう。
- 食品ごとに包丁・まな板・ふきん等を使い分けましょう(肉・魚・野菜用など)。
- 調理器具はよく洗い、熱湯や市販の塩素系漂白剤で消毒をしましょう。
- 肉や魚を冷蔵庫に入れる時は、汁が他の食品につかないように容器に入れましょう。
- 菌をふやさない
- 食品は冷蔵庫に保存しましょう。
- 手際よく調理しましょう。
- できるだけ早めに食べましょう。
- 菌をやっつける
- 食品は中心まで十分に加熱しましょう (75 ℃1 分以上が目安です)。
営業者の方々へ
- 加熱調理用の食肉を生食用として提供してはいけません。
特に、生食用の牛肉(ユッケ、タルタルステーキ、牛刺し、牛タタキなど)については、罰則を伴った強制力のある「規格基準」と「表示基準」が定められています。これらの基準に適合しない生食用の牛肉は、販売・提供することはできません。
- テンダライズ処理・タンブリング処理・ポーションカットを行った食肉を提供する場合は、中心部まで十分に加熱を行ってください。(75℃1分以上)
食肉の断片を結着させ成形する処理(ポーションカット)、刃を用いてその原形を保ったまま筋及び繊維を 短く切断する処理(テンダライズ処理)、調味料に浸潤させる処理(タンブリング処理)を行った食肉については、病原微生物が肉の内部まで汚染しているおそれがあり、食中毒発生の危険性が非常に高くなります。
処理を施した食肉は処理をしていない食肉と外観上の区別が困難なため、提供に際して特に注意が必要です。
- 肉・魚・野菜用と非加熱で提供する食品用に、調理用具を使い分けましょう。
- 生肉にさわったらよく手を洗い、生肉に使った調理器具は、使い終わったらすぐに洗浄消毒しましょう。
(洗った後に、熱湯をかけると消毒効果があります。)
- テンダライズ処理、タンブリング処理・ポーションカットした食肉には、適正な表示をして販売してください。
食肉を販売するにあたって、テンダライズ処理、タンブリング処理・ポーションカットした食肉は、 「処理を行った旨」及び「飲食に供する際にその全体について十分な加熱を要する旨」を表示することが義務づけられています。