幕末・明治維新の福岡を知る基本資料、待望の全文翻刻!

本巻に収めた『維新雑誌』は、幕末・明治維新期の福岡の様子を同時代人が記した貴重な記録として、以前より注目されてきた。だが、著者が未詳なこともあって、一部の研究者が利用するのみであった。
今回、新たに発見した二巻を加え、各所蔵機関に分散する全文をはじめて活字化するとともに、未詳であった著者を、福岡湊町在住の豪商・加瀬元将(もとまさ)と特定することに成功し、『維新雑誌』の活用に道を開いた。さらに内容に沿った細目次を設けることで、市民にも利用しやすい資料集とするようこころがけた。
乙丑の獄をはじめとする幕末の政局から、戊辰戦争、贋札事件、廃藩置県、竹槍一揆、佐賀の乱、西南戦争といった福岡の重大事件、さらに城下町の変化など、著者の見聞に基づいた詳細な記述が特色である。