水が凍るときは外側から徐々に凍り、水に溶けていた空気やミネラル分が中心部に集まります。 このため、中心部が白くなります。
水道水にはミネラル分が含まれており、氷が溶けると中心部に集まったミネラル分の一部は水に溶けない物質に変化しているので、白い物質として残ることがあります。
ミネラル分とは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、ケイ素等であり、 人体には必要な栄養素なので健康上心配はありません。
↓
白い氷と氷が溶けた後の水
水道水にはわずかですがカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分が含まれています。やかんやポットなどの水の蒸発、乾燥が繰り返される場合、このミネラル分が白い固形物になってつくことがあります。
なお、ミネラル分は人体に必要な栄養素なので、健康上心配はありません。
ポットに付着した固形物
水道管内部に付着した鉄サビが、流速の変化等によりはく離し、水道水と共に流出することがあります。対策としては、出し始めの水を飲用以外に使うことや、水道管の取替えが有効です。
なお、鉄は、人体に必要な栄養素であり、鉄サビは少量であれば摂取しても大部分が排泄されるので健康上心配はありません。
拡大↓
水道管からはく離した鉄サビ(顕微鏡で観察)
指で柔らかく押しつぶれる場合は、じゃ口部分のゴムパッキンやゴムパイプ等の劣化したものなどが水道水とともに流出したものと考えられます。対策としては劣化しているゴムパッキン等の交換が有効です。
拡大↓
じゃ口から出たゴムパッキンの破片
上図:デジカメ撮影 下図:顕微鏡撮影
ゴムパッキンは、じゃ口やパイプに取り付けるものとして安全なものが使用されており、また、誤って水道水といっしょに飲みこんだとしても体内に吸収されず排泄されるため、健康上の心配はありません。
緑白色異物には以下のような特徴があります。
乾燥状態の『緑白色異物』
この異物はシングルレバー式混合水栓に使用しているフレキシブルホースの内側に使用されている樹脂です。この樹脂はTPE(熱可塑性エラストマー)といって、湯側と水側の両方のホースに使用されている素材ですが、湯側ホースのTPEが劣化して剥離しやすいです。TPEはもともと黄色がかった色ですが、給湯配管から溶出した銅の影響により、緑白色になるものと考えられています。
赤い水などと違い、はじめの水を出しっぱなしにしても何かの拍子に出てきてしまうことがあります。
ホースの交換が一番有効なので、混合水栓のメーカーへの問い合わせをお願いします。
なお、ネットやガーゼ等で塊を除去すれば水質そのものに影響はありません。
TPEはプラスチックとゴムの中間の性質を持ちます。つまり、ゴムのように軟らかく、プラスチックのように簡単に加工の出来る素材です。1997年当時よりTPEは水道水栓の材料として、広く一般的に使用されています。