7月の「福岡県同和問題啓発強調月間」に合わせて、人権を尊重し多様性を認め合うまちづくりを目指して毎年「城南区人権を考えるつどい」を開催しています。
今年度は、人権課題への興味・関心の裾野を広げていくために、子どもから大人まで参加しやすいテーマで「人権落語」を開催しました。
今年度は、城南市民センターホールの改修工事により会場の規模を縮小したため、参加者を100名に限定して開催し、小学生の参加をはじめ、幅広い年齢層の方々にご参加いただきました。
・講師には、落語を教えるのではなく、落語で参加者自身の個性を引き出す教育者として活動されている落語教育家の「楽亭じゅげむ」さんをお迎えしました。
・おっちょこちょいや間が抜けているのに憎めないキャラクターが登場する「味噌豆(みそまめ)」、「粗忽長屋(そこつながや)」の落語や小噺(こばなし)を教材に、人権について伝える時間として来場者参加型のワークショップの手法で“人を喜ばせる笑い” をテンポよくユーモアたっぷりにお話しいただきました。
・ワークショップでは、参加者自身が落語や小噺のキャラクターになって、失敗や人を否定したくなる時に自分がどうするかという視点で考え、周りの人と考えを共有しながら、互いに「ええやん」と笑顔で違いを認め合えるコミュニケーション体験をしていただきました。講師と参加者のかけ合いや参加者同士の対話など、会場全体が笑いに包まれました。
・講演の中で講師から、『落語には、失敗を笑いにするオチがある。人を否定したくなる時、人とぶつかる時に違う言葉の言い回しをすることができる。こうした人を否定しない方法は、落語のキャラクターから感じることができる。』と失敗を笑いに換える心の余裕、ワンクッションおくコミュニケーションが落語にはあり、落語の笑いは、人権に関わるものであると語られました。
また、『人を否定することは簡単であり、集団の中で違う行動する人を否定することは、その人を傷つけ、いじめや自殺にもつながる。』と人を傷つける笑いが相手にどう届くか考えることが重要であること。そして、『人の容姿や行動に対してすぐに否定するのではなく、どう言い換えるのか。だれもが、いい思いをする笑いがある。これが落語のエッセンスである。』と落語や小噺を通して“人を喜ばせる笑い”の「落語思考」をお話しされました。
最後に、『失敗をしたとき、自分を責めたり他人を否定したりするのではなく、否定しないでその場にあるものを活かし、視点を換え笑いに換えて受け入れる「落語思考」を日常生活にも活かしてほしい。』と語られ講演会は大盛況で終了しました。
様々な人権課題についての資料を掲載しております。下記よりダウンロード可能です。研修会などでご活用ください。