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更新日:2024年7月26日

令和4年度 城南区人権啓発連絡会議通信



【活動報告 1】令和4年度城南区人権啓発連絡会議 委員研修会

研修風景
  • 日時:令和4年6月22日 水曜日 14時40分~15時40分
  • 場所:城南市民センターホール
  • 対象:城南区人権啓発連絡会議委員
  • 方法:対面講義形式
  • テーマ:「ヤングケアラーについて考えよう~子どもと家族を支えられる地域へ~」
  • 講師:福岡市子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」センター長 松﨑 佳子(まつざき よしこ)さん

演要旨 

「ヤングケアラーについて考えよう~子どもと家族を支えられる地域へ~」 (504kbyte)pdf


(講師プロフィール)
 福岡市子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」センター長、広島国際大学客員教授、臨床心理士、公認心理師。
 これまで、福岡市児童相談所心理判定員、児童相談所長、九州大学人間環境学研究院教授、広島国際大学教授等を経て、
 2022年4月より現職。虐待や社会的養護、その危機にある子ども・家庭への支援、里親養育支援に取り組んでいる。 

講師写真

参加者の声(一部抜粋)

  • ・ヤングケアラーの実態がよく分かりました。地域等でどのような支援ができるのか考えていきたいと思います。
  • ・子どもの人権について再考する機会になりました。改めて学校が果たす役割の大きさを感じています。
  • ・ケアラー本人からの相談が少ないとのことで実情が分かりにくい。支援者が見えない難しさを感じた。


【活動報告 2】令和4年度城南区人権を考えるつどい

  • 日時:令和4年7月14日木曜日14時00分~16時30分
  • 場所:城南市民センターホール
  • 対象:どなたでも参加可能(先着200名・事前申込制・参加無料)
  • 内容:映画「彼らが本気で編むときは、」(上映時間127分・2017年製作・日本語字幕付)

 7月の「福岡県同和問題啓発強調月間」に合わせて、人権を尊重し多様性を認め合うまちづくりを目指して毎年「城南区人権を考えるつどい」を開催しています。
 今年は、LGBTと家族の在り方を描いた映画「彼らが本気で編むときは、」の上映会を実施しました。    


実施報告

(文責 城南区生涯学習推進課  岩瀬 賢治)

 
映画

(C)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会


 この映画は、トランスジェンダー(注1)のリンコと母親からネグレクト(育児放棄)をされている小学生トモの交流を通して、家族の在り方やLGBTQの問題について描いた作品です。


 物語のはじめ、とある小学校の教室の風景が映し出されます。その黒板一面にはトモの小学校の同級生カイをからかう落書きがされていました。カイは男の子として生まれましたが、同性の先輩に思いを寄せており、学校では「HOMO」「おかま」など言葉のいじめを受けていました。
 放課後、学校から帰宅したトモは母親から何度目かのネグレクトをされてしまいます。そんな時、トモは叔父のマキオを頼ることにしていたようです。ただ、今回は少し事情が違っていました。マキオはトランスジェンダーのリンコと一緒に暮らしていたのです。トモは最初、戸惑いながらも3人での生活が始まります。
 日々の暮らしの中で、キャラ弁を作ってくれたり、編み物を教えてくれたりする心の美しいリンコにトモは次第に心を寄せていきます。そしてリンコのすべてを受け入れているマキオとともに3人の幸せに満ちた素晴らしい時間が流れていきます。


 ある日、リンコとトモが買い物をしているところを、カイ母子に見られます。カイの母親はトモを心配して言ったのでしょうが、トモが店内で一人になっている時にリンコのことを「普通じゃない」と言ってしまいます。その言葉に怒ったトモは「普通じゃないってなんだよ!」と、買う予定で持っていた洗剤をカイの母親に噴射し、大騒ぎになります。警察署でリンコが謝罪して済みましたが・・・・翌日、学校の黒板には『変態家族』などの落書きが。
 一方、カイは1学年上の男子に心寄せていて、ラブレターを書きますが、母親に見つかり、「罪深いこと」と、破り捨てられてしまいます。絶望したカイは睡眠薬を大量に飲んで自殺を図ります。一命をとりとめ、入院しているカイにトモは「あんたの母親はたまに間違う」と言います。リンコが中学生の時にリンコの母親に「おっぱいが欲しい」と言ったとき、リンコの母親はブラジャーを買い、編み物で胸パッド(ニセ乳)を作った場面とは対照的でした。


 世の中には様々な「常識」や「普通」などの言葉や概念があります。社会生活を営んでいくためや人間関係を円滑にしていくために必要な部分ではあるでしょうが、そのことにとらわれ過ぎると物事の本質を見誤りかねません。
 幸せとは?心の平和とは?多忙な日々の中で忘れかけている問いを思い出させてくれる、また何をもって家族というのか、家族の定義を考えさせてくれる素晴らしい作品でした。



(注1)トランスジェンダー(Transgender)
  生まれた時に割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人(性同一性障がい者を含む)



参加者の声(一部抜粋)

  • ・映画の温かい世界に感動しました。リンコさんのお母さんのように目の前の人をひとりの人として見て、向き合う人になりたいと思いました。リンコさんの優しさはお母さんからきていると思いました。
  • ・ありのままに受け入れる大切さ、相手を尊重するという言葉をよく耳にするが、それが本当に理解できているか、実践することができているか、考えさせられました。
  • ・性について、家族について、血縁について、考える機会を与えていただきました。人を想う気持ちに性別は関係ないと思いました。
  • ・トランスジェンダー本人の周囲の無理解による苦しみ、性の多様性をなかなか受け入れられない人、、、色々な人達の思いがとても丁寧に描かれていて、深い内容でした。
つどい


番外編】

様々な人権課題についての資料を掲載しております。下記よりダウンロード可能です。研修会などでご活用ください。