デング熱について
デング熱はアジア・中南米・アフリカなど熱帯・亜熱帯地域で広くみられる病気です。日本では海外で感染し,帰国後発症する例が年間約200件ほど報告されていました。
国内での感染報告は60年以上ありませんでしたが,平成26年8月に東京都立代々木公園周辺で感染したと思われる事例が報告されました。
◆デング熱とは
- デングウイルスに感染した患者を蚊が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖します。デング熱はこのようなウイルスを保有した蚊に別の人が刺されることによっておこるウイルス感染症です。 ヒトからヒトへは、直接、感染しません。
- 国内では,ヒトスジシマカ(おもに日中屋外で吸血する)がデング熱を媒介する可能性があります。
- 潜伏期間は2~15日(多くは3~7日)で,突然の発熱,激しい頭痛,関節痛,筋肉痛,皮疹等が症状として現れます。感染しても発症しないこともあります。
多くは1週間程度で回復し予後は良好ですが,まれに重症化してショック症状や出血傾向を認めることがあります。
◆予防のポイント
- 特異的な治療法はなく,対症療法が主体となります。現在のところ,有効な抗ウイルス薬やワクチンはありません。
- デング熱患者が発生している地域において、蚊との接触を避け,刺されないようにすることが重要です。
- 長袖,長ズボンを着用するなど,屋外の作業において,肌の露出をなるべく避けてください。
- 虫よけ剤などを使用し,蚊を寄せ付けないようにしてください。
- 室内の蚊の駆除を心掛けましょう。
◇蚊を増やさないようにするためには
- デング熱を媒介する蚊 【※】は,空き缶などの家の周囲のちょっとした水たまりで発生し,10月頃まで活動します。
- 【※国内でデング熱を媒介する蚊は,ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)で,現在ネッタイシマカは国内に生息していません。】
- 蚊は水たまりに産卵し,卵は2~5日で幼虫(ボウフラ)になり,幼虫は夏季には1週間程度で成虫になります。
- 蚊は,水辺に産卵するほか,雨水ます,廃タイヤの中やバケツ等の人工的な環境下においても,わずかな水たまり(空き缶,プランターの水受け皿,古タイヤ, 伐採された竹林,墓地の水入れ,自転車置き場の雨どい,庭先に置いたままのバケツや壺等)があれば産卵し,増殖します。
- 家の周りの蚊の駆除は、幼虫(ボウフラ)の駆除が効果的です。水たまりが発生しそうな物は片づける,水を抜くなどして蚊が発生しない環境づくりをしましょう。
- なお、溜まった水を抜くことができない場合は,薬局で販売している錠剤等の薬品の投入が効果的です。
・デング熱患者が発生している地域で蚊に刺された後,突然の発熱,激しい頭痛,関節痛,筋肉痛,皮疹等の症状がみられた場合は早めに医療機関を受診しましょう。
◆福岡市の相談窓口
◇感染予防については、福岡市保健所感染症対策課へご相談ください。
◇蚊の駆除などに関する相談は、保健医療局生活衛生課 又は 各区生活環境課へご相談ください。
- 保健医療局生活衛生課 092-711-4273
- 東区生活環境課 092-645-1024
- 博多区自転車対策・生活環境課 092-419-1070
- 中央区生活環境課 092-718-1092
- 南区生活環境課 092-559-5101
- 城南区生活環境課 092-833-4087
- 早良区生活環境課 092-833-4343
- 西区生活環境課 092-895-7050
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