
第23回 あめ買い幽霊
天神三丁目にある安国寺には、「あめ買い幽霊伝説」が残っています。
『ふくおか歴史散歩』(市広報課編)には、次のような言い伝えが記されています。
昔、安国寺の近くに一軒の飴屋がありました。毎夜決まった時刻になると、若い女がその店に現れ、わずか三文の銭で飴を買っていきました。
毎夜欠かさず訪れるため、不思議に思った飴屋の主人はある夜こっそり後をつけました。
すると若い女は安国寺の墓地へと入っていき、そこで姿を消してしまいました。主人が辺りを見回していると、どこからともなく赤子の泣き声が聞こえてきます。驚いた飴屋の主人は寺へ知らせ、お坊さんと一緒に泣き声のする新しい墓を掘り起こしました。
すると、墓の中には、亡くなった母親と生まれたばかりの可愛らしい立派な赤ちゃんがいたのです。
この女の子をお寺で育てましたが、ほどなくして亡くなりました。
この出来事から、亡くなった母親がわが子を思う一心で夜ごと飴を買いに来ていた「あめ買い幽霊伝説」として語り継がれるようになりました。
安国寺の門を入って本堂の左側には、「岩松院殿禅室妙悦大姉(がんしょういんでんぜんしつみょうえつたいし)」と刻まれた女の墓が立っています。また、その傍らには、「夢参童女(むさんどうじょ)」と刻まれた墓が寄り添うように立っています。

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