「歩・歩・歩(さんぽ)・会」 山田 次男
東区三苫にある綿津見(わだつみ)神社の境内には土俵があり、毎年7月28日に「風止め奉納相撲大会」が開催されます。昨年の奉納相撲は猛暑の中で行われ、まわしを締めた30人の小さな力士たちが元気いっぱいに土俵に上がりました。また、赤ちゃん力士による土俵入りも披露され、会場は温かな雰囲気に包まれました。

三苫地区は海に近く強風の日が多いため、農作物への被害を少しでも抑えようと、およそ250年前にこの神事が始まったと伝えられています。さらに、神功(じんぐう)皇后が渡韓の際、荒れた海を鎮めるために海へ投じた苫(とま)(注)の内、三枚がこの地に流れ着き、「三苫」の地名の由来になったという伝承もあり、この行事との関わりを感じさせます。

かつてはどの村にも土俵があり、相撲は地域に根ざした身近な行事でした。若者たちが力比べに熱中していた時代もありましたが、時の流れとともにスポーツへの関心も変わり、地域行事としての相撲は次第に姿を消していきました。
そのような中でも、三苫の風止め奉納相撲大会は、地域の人々によって大切に守られ、今も変わらず受け継がれています。
注)苫とは藁や草などで編んだむしろのこと。