「歩・歩・歩(さんぽ)・会」 奥永 茂晴
地下鉄箱崎九大前駅近くの箱崎三丁目には、かつて九州大学の学生や地域の人々に長く親しまれた銭湯「大學湯」があります。

地域の歴史的景観に寄与していると評価され、昨年、国の登録有形文化財に指定されました。昭和7(1932)年に建てられ、築94年を迎えます。平成24(2012)年に廃業しましたが、銭湯が登録有形文化財となったのは福岡市で初めてです。
建物は木造平屋建てで、半切妻造(はんきりづまづく)りの玄関ポーチとピンク色の外観が特徴です。創業当時から掲げられている「大學湯」の看板は、今も存在感を放ち、内部には板床の靴箱や衣類箱、番台が残っています。浴室には、床・壁・浴槽のタイルが当時のまま残され、大切に使われてきた歴史を感じることができます。

現在は「創造の湯で心を洗う」をコンセプトに、アートや音楽を楽しめるレンタル企画スペースとして活用されています。箱崎育ちのアーティスト・銀ソーダさんらが集い、文化を創造し交流する拠点として、地域に新たな魅力をもたらしています。
