玄界灘に面した奈多漁港の西側には、海の中道の長い砂浜が続いています。かつて「鳴き砂の浜」として知られていた奈多の浜を歩くと、四本の石積みの堤防「奈多の波止」が崩れかけながらも荒波に抗(あらが)うように、海へと延びています。漁港ができる前は、漁船は砂丘に引き揚げられ、係留されていました。

さらに西へ進むと、切り立った砂の断崖が眼前に迫ります。海面の変化や波と風による浸食と堆積が、長い年月をかけて繰り返され、形づくられたと考えられ、異世界を思わせるその景観は人々を惹(ひ)きつけます。天気の良い日には、パラグライダーが頭上を飛び交うこともあります。

断崖のさらに西の平坦な場所が、奈多砂丘B遺跡です。遺跡からは、弥生時代から古墳時代の甕(かめ)や鉢などの生活土器が出土し、タコツボやオモリなどの漁具も見つかりました。農業に適さない砂地で、人々は漁業を生業としていたと考えられています。発掘調査は完了し、現在、遺跡は埋め戻されています。

波が穏やかな日に、奈多海岸を散策してみませんか。