福岡市は、食べ物のおいしいまちとして知られ、国内外から多くの人が訪れます。福岡の食文化を支える食材と、それを作る人々を紹介します。
■ブランド力を高め 多くの人に届けたい
海と山に囲まれた福岡市では、各所でさまざまな農作物や畜産物が育てられています。
例えば、大根は県内一の生産量を誇り、西区や早良区などで栽培が盛んです。海外でも人気のイチゴ「あまおう」は、東区や西区などで栽培されています。
また、「ヒノヒカリ」「夢つくし」「元気つくし」など、多彩な品種の米も作られ、畜産業では、「博多和牛」や「はかた地どり」等のブランドも生まれています。
■青ネギ「箱崎小町」×川嶋正信さん

箱崎地区(東区)で水耕栽培されている青ネギは、「箱崎小町」の名前で出荷されています。
水耕栽培とは、土を使わず、ネギの根元に水を循環させて育てる方法です。土で育てたネギに比べ、根から吸収する水分量が多く、えぐみや辛みが少ないのが特徴です。ビニールハウスで栽培するため、天候に左右されることなく、夏は60日前後、冬は100~120日程度で収穫でき、出荷量は年間で10~15トンに及びます。

祖父の代から箱崎で農業を続ける川嶋正信さんは、「ここはかつて、春菊や小松菜などの葉物野菜の産地でした。市街化が進み、農地が減る中、次世代につなぐために、青ネギの水耕栽培に切り替えました。種まきの時期をずらして計画的に育て、水質を常に細かくチェックし、病害虫が発生しないよう、気を配っています。青ネギは料理を引き立てる名脇役です。細かく刻んで薬味にしてもよし。ざく切りにしたネギと豚バラ肉でしゃぶしゃぶにしてもよし。おいしいですよ」と話しています。
■「博多和牛」×毛利公俊さん

安全・安心でおいしい肉を届けたいと、県内の畜産農家が平成17(2005)年に博多和牛のブランドを立ち上げ、今年で20周年を迎えました。令和4年には、和牛のオリンピックといわれる大会で博多和牛が優等賞を受賞するなど、今では他のブランド牛と肩を並べるほどになりました。

農場を営む毛利公俊さんは、「飼料は県産の稲わらにこだわっています。トウモロコシや大麦なども配合し、牛の状態に合わせて与える量を変えるなどしています。生き物が相手なので、食欲はあるか、風邪はひいていないかなど、牛からの小さなサインも見逃さないよう、細心の注意を払います」と話します。
丹精込めて育てた牛肉は、赤身と脂のバランスが取れ、口当たりが滑らかでジューシーな味わい。濃厚なのに、くどさがなく、幅広い世代に好まれています。
「私のお薦めの調理法はすき焼きです。脂のうまみを逃さず、野菜と一緒に食べられるのがいいですよ」と毛利さんは教えてくれました。
■イチジク×内野地区

石積みの棚田など、美しい里山の風景が残る内野地区(早良区)は、脊振山麓の中腹にあり、米などが栽培されています。農家の高齢化や後継者不足で使われなくなった畑や田んぼを活用し、地域の人々が3年前にイチジクの栽培・収穫を始めました。
米農家でもある平川和孝さんは、「8月~9月に収穫の最盛を迎えるイチジクは、米作の農閑期を利用して栽培するのに適していました。澄んだ空気の下で、脊振山系から流れてくる地下水で育てたイチジクは、みずみずしく、ほのかな甘みがあります。これまで直売所などで個人向けに販売していましたが、今後は飲食店などでも使ってもらえるよう計画しています」と話しています。

市は、市内で生産された食材やそれらを使った加工品を「ふくおかさん家(ち)のうまかもん」と名付け、PRしています。詳細は、ホームページ(「ふくおかさん家のうまかもん」で検索)でご確認ください。
■問い合わせ先/農林水産局政策企画課 電話 092-711-4841 FAX 092-733-5583
市内産の主な農畜産物と直売所
市内では
▽アスパラガス
▽甘夏
▽イチゴ
▽枝豆
▽カツオ菜
▽カブ
▽カリフラワー
▽キャベツ
▽小松菜
▽春菊
▽スイカ
▽大根
▽トマト
▽青ネギ
▽白ネギ
▽ブドウ
▽ブロッコリー
▽ホウレンソウ
▽水菜
▽博多和牛
▽花
―などが主に栽培・生産されています。
市内産の野菜や果物、花、加工品などは、下記のJAが運営する直売所などで購入できます。
●JA福岡市東部直売所 愛菜市場(東区和白三丁目)
電話 092-606-2082 FAX 092-606-9277
●博多じょうもんさん市場
▽日佐(南区的場一丁目)電話 092-581-0166
▽花畑(南区柏原一丁目) 電話 092-565-2900
▽入部(早良区東入部六丁目) 電話 092-872-8558
▽福重(西区福重一丁目) 電話 092-884-3344
▽周船寺(西区周船寺一丁目) 電話 092-807-3566
FAX 092-711-2071(各店共通)
料理人向け産地見学ツアー
市は市内のホテルやレストランで働く料理人の皆さんに、市内産の農畜産物のおいしさを伝え、飲食店のメニューに取り入れてもらおうと、産地に案内するツアーを実施しています。これまで34回にわたり、延べ41店舗の料理人が、トマトや春菊、大根、ブドウなどの産地を見学し、生産者から栽培方法や食材の特徴などを聞きました。

また、試食の場も設けられ、春菊や大根などは新鮮さを生かせる生食で、熱を入れるとうまみが増す青ネギやアスパラガスなどは湯通しして提供されました。
料理人からは、旬の時期やお薦めの食べ方、生産量などについての質問が次々と飛び出しました。また、「市内でこんなにおいしい食材が育てられていたんですね」「生産者の皆さんと直接話せる機会はとても貴重で、食材への愛着がいっそう深まります」「農家の人々の熱い思いに触れ感動しました。生産者の思いも伝えていきたい」などの感想が聞かれました。

産地見学ツアーがきっかけで販売が決まったメニューもあります=下記事参照。
生産者は「愛情かけて育てた野菜をおいしい料理にしてもらえるのはうれしいですし、励みにもなります」「市民の皆さんにも、市内産の野菜をたくさん食べてほしいですね」などと、話していました。
■問い合わせ先/農林水産局政策企画課 電話 092-711-4841 FAX 092-733-5583
市内産農畜産物×飲食店フェアを開催
1月4日(日曜日)から31日(土曜日)、産地見学ツアーに参加した飲食店が、市内産の農畜産物を使った料理を提供します。メニューや参加店舗の情報などの詳細は、インスタグラムでご確認ください。
【ホテル日航福岡 鴻臚(こうろ)】(博多区)福岡市内産野菜の蒸し点心・焼き揚げ点心

【膾炙(かいしゃ)】(中央区)博多和牛の肩ロースと博多かぶの生姜(しょうが)あんかけ

【ザ キッチン ワンフクオカホテル】(中央区)博多しゅんぎくを巻いたはかた地どりのインボルティーニ

【ビストロマツシマ】(博多区)旬の福岡市内産野菜と牡蠣(かき)のドリア

【グランド ハイアット 福岡 ザ マーケット エフ】(博多区)長浜市場直送サワラのグリル 博多しゅんぎくのソース 博多かぶのピューレ

【レストラン花の木】(中央区)牛ロースのステーキ ソース・ジュ・ド・ブッフ 福岡市内産の冬野菜を添えて

【市民向け】西洋野菜の産地見学と料理教室
西洋野菜の産地(西区姪浜)を見学した後、JA福岡市旬菜キッチン(西区福重)で赤紫色の葉野菜「トレビス」を使った料理を作ります。
【日時】 1月14日(水曜日)午前9時から午後3時
【場所】 集合・解散は市役所
【対象】 市内に住むか、通勤・通学する18歳以上
【定員】 20人(抽選)
【料金】 1,000円
【申し込み】 郵便番号、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号、イベント名を書いて、往復はがき(〒810-8620住所不要)かファクス、メール( seisakuki kaku.AFFB@city.fukuoka.lg.jp )で、12月9日から23日(必着)に問い合わせ先へ。
■問い合わせ先/農林水産局政策企画課
電話 092-711-4841 FAX 092-733-5583
料理人監修 大根のソテーとキャベツのラグー
ホテル日航福岡の安部智一さんに、市内産の旬の野菜を使って家庭で作れるラグー(煮込み料理)を教えてもらいました。

【材料2人分】キャベツ4分の1、ベーコン1枚、トマト2個、トマトソース(市販)100cc、ニンニク1片、鷹の爪適量、オリーブオイル適量、コンソメキューブ1個、バジル2枚、塩・コショウ適量、大根のいちょう切り(5ミリ~8ミリ)6枚、顆粒だし適量、粉チーズ適量

【作り方】
<1>キャベツとトマトをざく切りにする。
<2>ベーコンは適当な大きさに切り、ニンニクはみじん切りにする。鷹の爪はへたを切り落とし、種とわたを取り出しておく。鍋にオリーブオイルを引き、これらを入れて香りを出す。
<3><2>に<1>とトマトソース、コンソメキューブを入れてふたをして煮込み、やわらかくなったら細かく刻んだバジルを入れ、塩とコショウで味を調整する。
<4>別の鍋に水を沸かし、顆粒だしを入れ、大根を煮る。やわらかくなったら大根を取り出し、水気を切り、オリーブオイルで軽く焼き目を付ける。
<5><3>に<4>をのせ、粉チーズをかける。
食にまつわる福岡検定クイズ
福岡市の魅力をより広く、より深く知ることで、「福岡通」になってもらうための検定試験「福岡検定」が1月25日(日曜日)に実施されます。検定を前に、食にまつわるクイズで力試しをしてみませんか。
Q 博多の祭りや行事、祝い事の際に、大切な来客を迎えるために出される伝統的な食事はどれか。
<1>ぽっぽ膳 <2>卓袱(しっぽく)料理 <3>須古ずし <4>吸い物膳
<解説>博多では、かしわ飯に吸い物、がめ煮、ぬたえ(酢みそあえ)の一汁二菜を、おもてなし料理として出していました。<1>は子どもの3歳の祝いに使用される、松竹梅と鶴亀の絵が描かれた白木の曲物(まげもの)。<2>は長崎が発祥の和・洋・中折衷の宴会料理。<3>は佐賀県白石町須古地区に伝わる押し寿司。

答え.<4>吸い物膳
●申し込みは1月19日まで
受験の申し込みを1月19日(月曜日)まで受け付けています。スマートフォンやパソコンを使ったオンライン検定で、初級、中・上級、子ども区分があります。詳細はホームページ(「福岡検定」で検索)で確認を。
■問い合わせ先/「福岡検定」実行委員会(観光産業課内)
電話 092-711-4353 FAX 092-733-5901
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