【発行号】令和7年11月1日号【掲載面】市政特集面【カテゴリー】お知らせ

11月3日から9日は「みんなで参画ウィーク」自分らしい生き方・働き方

11月3日(月・祝)から9日(日曜日)は市男女共同参画週間「みんなで参画ウィーク」です。性別にかかわらず、個性と能力を十分に発揮し、「自分らしい生き方・働き方」ができる社会について考えます。

男女共同参画社会とは、性別に関係なく一人一人が尊重され、自分らしく生きられる社会のことです。家庭・地域・学校・職場など、あらゆる場面で男女が平等に責任を分かち合い、多様な生き方が尊重される社会を意味します。


男女共同参画について、福岡女子大学国際文理学部の野依智子教授に話を聞きました。

野依智 子教授
「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分担意識は、減少傾向にあります。しかし、高齢者層を中心に男女の意識の差はいまだに大きく、世界的にみると意思決定できるリーダー層の女性はまだまだ少ないと感じています。
育児や介護など家庭内での役割を優先せざるを得ない女性が多いのが現状です。男だからこうあるべき、女だからこうしなければいけないという固定観念に縛られている人も多く、そのままでは、自分らしく生きることはできません。
東日本大震災では、避難所での性的被害や生理用品の不備など、課題が浮き彫りになりました。その結果、災害現場には女性リーダーが必要だということが明確になり、地域における女性リーダーや女性防災士の育成が求められています。
社会の仕組みを変えていくことが大切で、そのためにも一人一人が現状を知り、考えることが大きな一歩となります。家庭や職場で意見を共有し、互いの気持ちを確認し合うことから始めてみてください。性別にかかわりなく、一人一人が自分らしく生きられる社会をみんなでつくっていきましょう。

自分らしい生き方・働き方
■地域のリーダーとして
長年地域のリーダーとして活躍する、奈多校区自治協議会の石井秀子会長(82歳)に話を聞きました。

石井秀子会長
公民館で長く働いていたこともあり、「地域のことをよく知っているあなたにリーダーを任せたい」と、自治協議会会長への打診がありました。子どもたちもこの奈多で成長させてもらいましたし、人の世話をするのが好きなので、地域への恩返しのつもりで引き受けました。
15年間、地域のさまざまな仕事に関わってきましたが、なかなか女性のリーダーが増えません。声が掛かったら、どんなささいなことでもいいので引き受けてみませんか。皆さんの経験や知識が、いろいろな場面で役立てられるはずです。みんなで協力して行事などをやり遂げる地域活動は、とてもやりがいがあります。多くの人に積極的に参加してほしいと思います。
わが家では、夫が家事をやってくれるので、とても助かっています。お互いができることを率先してやっていますよ。
今の小・中学生は、生徒会でも運動会・体育大会の応援団でも、男女関係なく活躍しています。学校で男女共同参画についても学んでいて、違和感なく男女一緒に活動している姿を見ると、とても頼もしいですし、未来は明るいと感じます。意識が古いままの大人が、彼らの芽を摘まないようにしないといけませんね。

 

■問い合わせ先/男女共同参画課
電話 092-406-7510
FAX 092-526-3766


地域に女性リーダーが少ない理由は?

地域に女性リーダーが少ない理由は?
(令和5年度 市政に関する意識調査)
慣習に従い男性が就任してきた 36.2%
女性は家事や仕事で忙しい 34.6%
男性中心の組織運営になっている 27.3%
責任のある役を引き受けたがらない 17.8%
女性リーダーに反発する雰囲気がある 9.9%
家族の理解や協力が得られない 9.4%
組織をまとめるのは男性が適している 7.3%
(2個まで解答可)
市では、地域における諸団体(自治協議会など)の女性リーダーの割合は、現在約25%となっています。


性別で決めつけていませんか?

性別で決めつけていませんか
女の子なんだから手伝いなさい
男の子は泣いちゃダメ
人が気付かないうちに持つようになった、偏ったものの見方や考え方(無意識の思い込み)を「アンコンシャス・バイアス」といいます。

 

【地域での男女共同参画の取り組み】
各地域では、男女共同参画協議会等が主体となって、男性のための料理教室やファミリーサロン「お父さんと遊ぼう」など、工夫を凝らした取り組みが行われています。

料理教室で魚をさばく参加者
料理教室の参加者からは、「魚のさばき方が分かり、台所に立つのが楽しみになりました」「包丁を購入します」などの声が聞かれました。

 

性別にとらわれない職業選択
西日本鉄道に2006年に入社し、バス運転士として働く定道博子さん(48)にインタビューしました。

元気いっぱいの定道さん。 笑顔がはじけます
―なぜバス運転士に
学生時代を福岡で過ごし、その頃から西鉄バスの運転士に憧れていました。30歳の時、運転士になろうと決心しました。


―印象に残っていることは
踏切で渋滞して20分ほど遅れたことがあり、お客様に「これだから女の運転士は」と言われました。悔しくて泣いたことを、今でも鮮明に覚えています。「経験はどれくらい?」「大丈夫なの?」と心配されることもありました。
これはやってみせるしかないと、運転技術を磨きました。ギアチェンジやブレーキ操作も細心の注意を払い、丁寧な車内案内を心掛けました。「運転が優しい」「安心する」と言ってもらえた時は、うれしかったです。

西鉄のバス運転士3376人のうち女 性は148人(2025年2月現在)
―伝えたいことは
15年間無事故で務め、2021年からバス研修センターで指導員として新人運転士を指導しています。バス運転士の仕事は天職だと思っています。価値観は人それぞれ。周りに振り回されず、自分の気持ちに正直に、前を向いて進んでください。

 

初の男性保健師として市役所に入庁し、現在中央区地域保健福祉課で働く西川春輔さん(37)にインタビューしました。

「社会全体で子どもたちを 育んでいきたい」と西川さん
―なぜ保健師に
病気になると家族との大切な時間が失われてしまいます。健康を守るためのお手伝いがしたいと思い保健師になりました。人と関わることが好きなので、やりがいを感じています。


―印象に残っていることは
保健師として関わった人に「西川さんに出会えてよかった」と言ってもらったことです。産後指導の際にお父さんと話をする機会もあり、気持ちを共有できるので喜んでもらえます。見過ごされがちなお父さんの「産後うつ」にも、注意を払っています。

地域の育児サロンでは、育児相談を担 当。優しく語り掛けながら体重を測りま す
―伝えたいことは
現在、市役所内の男性保健師は4人に増えました。男性だから大変ということは特にありません。なりたかった保健師になり、充実した毎日を過ごしています。赤ちゃんから高齢者まで、たくさんの人の力になれたらうれしいです。

 

工学部への女子入学者は年々増加し ています。「女子は理系より文系が向い ている」という固定観念にとらわれてい ませんか。
建築に興味があるから、工学部に進学したいな。
女の子が働ける職場が少ないんじゃない?将来のことを考えて、選んだ方がいいよ。
工学部への女子入学者は年々増加しています。「女子は理系より文系が向いている」という固定観念にとらわれていませんか。


男女共同参画セミナーを全中学校で実施

10 月 10 日に香椎第2中学 校で同セミナーが行われ 中学1年生が、定道さん の話に聞き入りました
市は、市内の全中学校で「私らしく生きる」と題し、男女共同参画セミナーを実施しています。
●セミナーを受講した中学生の感想(昨年)
▽中学校の制服にスラックスを選んだら、父から「女の子なのだからスカートにしなさい」と言われ、もやもやしていました。これからは、堂々とはいていこうと思います。
▽私は、料理が好きでよく作るのですが、「男の子らしく運動しなさい」と言われたことがあります。この講演を聞いて、好きなことを続けていいんだと安心しました。
▽私は将来、警察官になりたいと思っています。「女の子だから……」という迷いもありましたが、これからは自分の思いをはっきり伝えたいと思います。

 

市男女共同参画推進センター「アミカス」

アミカス
アミカスでは、男女が自立しそれぞれが自分らしく生きられるよう各種イベントを行うほか、さまざまな相談にも応じています。
【アミカス相談室】 ※面接は要予約
●総合相談 電話 092-526-3788 開館時間 閉館日を除く毎日午前10時から午後4時30分(第2・第4月曜日は8時まで。ただし祝休日の場合は4時30分まで)
●法律相談(面接) 電話 092-526-3788 開館時間 第1から4水曜日(祝休日を除く)午後1時から4時
●お仕事帰りの法律相談(面接) 電話 092-526-3788 開館時間 第4月曜日(祝休日を除く)午後6時から8時
●男性のための相談ホットライン 電話 092-526-1718 開館時間 第1から3月曜日(祝休日を除く)午後7時から9時 ※第4月曜日は面接も可
●アミカスDV相談ダイヤル 電話 092-526-6070 開館時間 水・木曜日(祝休日を含む)午前10時から午後4時

 

アミカス
【場所】 南区高宮三丁目3-1
【連絡先】電話 092-526-3755 FAX 092-526-3766
【開館時間】 午前9時30分から午後9時30分(日曜祝休日は5時まで) 
【休館日】 第2・最終火曜日(祝休日の場合は翌平日)、年末年始

 

家事・育児シェアシート「家族事(かぞくごと)」始めよう

中面に家事・育児チェックシート
 市は、家族でお互いの考えや価値観を共有して、家事・育児を一緒に取り組めるよう「家事・育児シェアシート」を作成しました。項目をチェックするだけで理想のシェアを見える化できます。市役所1階情報プラザや各区情報コーナー、アミカス等で配布しています。

家事・育児シェアシート