【発行号】令和7年9月15日号【掲載面】市政特集面【カテゴリー】お知らせ

FaN Week2025

9月13日(土曜日)から28日(日曜日)「ファンウイーク」開催

 市は、9月13日(土曜日)から16日間、アートイベント「ファンウイーク」を開催します。今年は、メイン会場に天神一丁目のワン・フクオカ・ビルディング(通称ワンビル)が加わりました。街中がアートであふれるこの機会に、ぜひ心豊かな時間をお過ごしください。

メイン会場地図

 市は、暮らしにアートが溶け込み、彩りにあふれるまちを目指し、「フクオカアートネクスト」事業を推進しています。そのメインイベントとして始まった「ファンウイーク」も今年で4回目となりました。
 福岡アジア美術館や市美術館はもちろん、アーティストカフェフクオカやマリンメッセ福岡B館などで多彩な催しが行われます。
 期間中は、百貨店などの商業施設やホテル、ギャラリーなど、さまざまな場所でも個性豊かな展示が行われます。

ワンビル展示のために描き起こさ れたウサギの原画

■ファンウイークに関する問い合わせ/アートのまちづくり推進課
電話 092-707-3779 FAX 092-711-4354
 

■1 ワン・フクオカ・ビルディング
「福岡現代作家ファイル」牛島智子 空間芸術展示
【日時】 9月13日(土曜日)から28日(日曜日) 

【開館時間】 午前11時から午後8時(土日祝日は午前10時から)

「ワンビル」の1階グランドロビーで、八女市在住の造形作家・牛島智子氏による空間芸術作品(インスタレーション)を展示します。
 1980年代初めに制作活動を本格的にスタートした牛島氏は、初期の頃から現在まで、平面、半立体、立体による空間芸術を追求してきました。エネルギッシュでおおらかな色彩や独特な世界観が、多くの人を魅了しています。
 ワンビルには、高さ6メートルのウサギを中心に、牛島氏がこれまでたびたび扱ってきた、人や物の根源ともいえる「元素記号」をモチーフにした作品や正多面体などが展示されます。入り込んで身を置いてみたくなるような作品です。

 

ワンビル展示タイトル
《くちなしパンを食(は)み スピンするウサギ》

作者の牛島智子氏に展示への思いを聞きました。

福岡アートアワード 市長賞を受賞した 牛島氏
 人が行き交うストリートであり、公園のような休める場所であり、宇宙を感じられるような空間にしたい―そんな思いを作品に込めました。たくさんの色が塗られたコマが回ると新たな色彩を放つように、スピンする(躍動する)ウサギによって、あらゆるモノが混ざり合い、共鳴し合うことで、新たな化学反応が生まれる様子をイメージしました。
 本作品のタイトルは、「街をスピンするウサギ」として今年のファンウイークのテーマにもなりました。「ウサギ」のように街中を駆け回り、いろいろな作品との出会いを楽しんでください。

 

2 福岡アジア美術館
■ベストコレクション3 変革の時代、新たなる自画像
【日時】 開催中から11月30日(日曜日) 

【場所】 アジアギャラリー 

【料金】 一般200円、高大生150円、中学生以下と市内に住む65歳以上は無料

アジア美術館は、1999年の開館以来、アジアの近現代美術作品の収集に取り組み、世界でも類を見ないユニークなコレクションを形成してきました。
 本展は、当館が所蔵する約5700点の中から、アジアのスター作家の傑作を厳選して紹介する「ベストコレクション」の第3弾です。

ハン・ティ・ファム《自画像・ロングヘア・パイ プ》1985年
 1980年から1990年代、アジアの美術は大きな変革の時代を迎えました。作家たちは、自身のバックグラウンドを見つめ直しながら、これまでにない形で独自の表現をつくり上げていきました。この時期に頭角を現した作家の作品を中心に、約40点を展示します。

 

■特別展 ベトナム、記憶の風景
【日時】 9月13日(土曜日)から11月9日(日曜日) 

【場所】 企画ギャラリー 

【料金】 一般1200円、高大生1000円、中学生以下無料
 
ベトナム戦争が終結した1975年から50年となる節目の年に、近代から現代までの多彩なベトナムの美術作品を紹介する展覧会を開催します。
 本展では、植民地支配と独立への闘い、難民の発生やグローバル化など、ベトナムの激動の100年をベトナム近現代の美術作品110点からたどります。会期中は、出品アーティストによるトークイベントや、国際交流イベントを行います。
 詳細は、ホームページ(「アジア美術館」で検索)で確認を。

ルオン・スアン・ニー《読書する若い娘》 1940年「ベトナム、記憶の風景」から

 

福岡アジア美術館

【場所】 博多区下川端町 リバレインセンタービル7・8階

【電話】 092-263-1100

【FAX】 092-263-1105

【開館時間】 午前9時30分から午後6時(金・土曜日は8時まで) ※入室は閉室の30分前まで 

【休館日】 水曜日(祝休日の場合は翌平日)

 

3 アーティストカフェフクオカ

■特別展示 光電獣(エレクトロニック・モンスターズ)
【日時】 9月13日(土曜日)から28日(日曜日)

台湾・台北市を拠点に、メディア・アーティストとして国際的に活躍するヤオ・ジョンハン(姚仲涵/1981年生まれ)の特別展示を行います。

ヤオ・ジョンハン(姚仲涵)《光電獣# 41 ― 混沌》2 0 2 5 年 p h o t o : J u t A r t Museum
 光と音を使った実験的な作品で知られるヤオ氏は、2009年に「第4回福岡トリエンナーレ」で紹介されるなど、早くから注目を集めてきました。2017年からは、より大掛かりなプロジェクトも展開しています。
 今回の展示は、舞鶴中学校の体育館として2014年まで使用された大きな空間で行われます。「光電獣」と名付けられた照明装置が生み出す光と闇、そして無数の音から成るインスタレーションにご期待ください。

 

■アーティスト・イン・レジデンスの成果展「いとなみを照らし出す」
【日時】 9月13日(土曜日)から28日(日曜日)

アーティスト・イン・レジデンスでは、アジア美術館の開館以来、アーティストを国内外から招き、作品制作や地域の人々との交流など、滞在中の活動を支援してきました。世界で活躍する多くのアーティストが、この取り組みに参加しています。
 今年度第1期は、モハメド・フォズレ・ラッビ・フォティック氏(バングラデシュ)、ウィリー・サイウッド氏(ラオス)、馬場さおり氏(福岡市)の3人が参加しています。
 彼らは、旧舞鶴中学校を活用したアーティスト支援・交流施設「アーティストカフェフクオカ」を拠点に福岡のさまざまな場所を訪れ、着想を得て新作を制作しています。その成果を、施設内のスタジオやギャラリーで発表します。

 

アーティストカフェフクオカ

【場所】 中央区城内 三の丸スクエア内 

【電話】 070-4195-0289 

【メール】 contact@ artistcafe.jp 

【開館時間】 午前11時から午後7時 

【休館日】 月曜日(祝休日の場合は翌平日) 

【料金】 無料

 

4 福岡市美術館
■コレクターズ4(フォー) ―トリガーと鏡―
【日時】 9月13日(土曜日)から28日(日曜日) 

【場所】 2階特別展示室 

【料金】 一般200円、高大生150円、中学生以下と市内に住む65歳以上は無料
 
コレクターズ展では、さまざまな業界で活躍しながらアートに関心を持つコレクターに焦点を当て、普段は見られない個人所有の作品を展示します。今年は、事業家の遠山正道氏と吉田浩一郎氏の所蔵品から46点を展示。アートに興味を持ったきっかけや作品を通して得た考え方などを作品と共に紹介します。
 遠山氏は、「アートは見えないトリガー(引き金)」であり、ビジネスや生活の中で気付きやヒントを与えてくれると語ります。絵画や写真、映像等さまざまなジャンルで構成される彼のコレクションには、たくさんの「トリガー」が潜んでいます。

友沢こたお《slime XCIX》 2022年 遠山正道氏蔵 ©Kotao Tomozawa奥山帆夏《curtain》 2021年 吉田浩一郎氏蔵
 吉田氏のコレクションには、線や絵の具の集積からイメージが生まれる絵画や、人のいない風景を主題とした写真などが多く含まれます。彼は、線や色の表現の中に哲学的な問いを見いだします。アートは、彼自身の心を映し出す「鏡」の役割を持ち、新たな気付きを与えてくれます。

 

常設展示もお楽しみください
 近現代美術室A
「コレクターズ4」を鑑賞した後は、市美の代表作であるバスキア、ウォーホル、草間彌生などの近現代美術や古美術を展示するコレクション展示室もお楽しみください(同じ観覧券で入場可)。
 9月13日(土曜日)から、展示室の二次元コードを読み込むと市長と学芸員が作品について語り合う音声ガイドを聞くことができます。

 

福岡市美術館

【場所】中央区大濠公園 

【電話】092-714-6051 

【FAX】092-714-6071 

【開館時間】午前9時30分から午後5時30分(10月まで金・土曜日の閉館は8時) ※入館は閉館30分前まで 

【休館日】月曜日(祝休日の場合は翌平日)

 

Fukuoka(フクオカ) Wall(ウォール) Art(アート) Project(プロジェクト)工事現場に掲出されたウォールアート(昨年)
 市は、アーティストの活躍の場にしてもらおうと、建設工事現場を覆う仮囲いを活用してアート作品を掲出するフクオカウォールアートプロジェクトを実施しています。
 今年もファンウイーク開催に合わせ、市が募集した「Fukuoka Wall Art賞」の受賞作品の一部を、天神や博多駅周辺の仮囲いに掲出します。詳しくは、ホームページ(「福岡 ウォールアート」で検索)で確認を。
 また、受賞作品は「アートフェアアジア福岡」(下記事参照)で展示・販売するほか、9月13日(土曜日)から21日(日曜日)、市美術館2階ロビーに展示します。
■問い合わせ先/文化振興課 電話 711- 4969 FAX 092-711-4354

 

5 マリンメッセ福岡B館
■アートフェアアジア福岡(AFAF)
【日時】 9月26日(金曜日)から28日(日曜日)午前11時から午後7時(28日は6時まで) 

【場所】 マリンメッセ福岡B館(博多区沖浜町) 

【料金】 3日間通し券3000円(前売り券2500円)
 アートフェアアジア福岡の会場(昨年)
 AFAFは、アジアのアーティストを紹介するギャラリーが集結する展示・販売会です。より多くの人々にアジアのアートに触れてもらおうと始まりました。今年で10回目を迎え、アジアを代表するアートフェアに成長しています。
 今年は、海外を含め93のギャラリーが集結し、新進気鋭の作家から著名作家まで、さまざまなアート作品が並びます。また、大型空間芸術作品や音・光などを使ったライブパフォーマンスなど「身体ごと感じるアート」も登場します。さまざまなアート体験をお楽しみください。
 問い合わせは、アートフェアアジア福岡事務局(電話 050-5896-3126 メール info@artfair.asia)へ。