【発行号】令和7年8月15日号【掲載面】市政記事面【カテゴリー】お知らせ

福岡市美術館市美術館・近現代美術の新たなコレクション展示

市美術館(中央区大濠公園)2階の近現代美術室(A・C)の展示「コレクションハイライト」が新しくなりました。

ダリやウォーホルなど「市美の顔」として知られる作品を主に紹介する展示室Aのテーマは、「作品と語ろう」。印象が全く異なっていても、並んだ作品にはどこか共通点があります。これは、作品同士の「語らい」を感じてもらうことが狙いです。壁には鑑賞のヒントになる言葉がピクトグラムとともに配置されています。また、学芸員らの「ここだけの話」も音声ガイドで聞けるようになりました。

展示室A。ウォーホルの《エルヴィス》と松本 竣介の《彫刻と女》は、どちらも人物が真っ すぐに立っています。並べてみると、何だか 「おしゃべり」が聞こえてきそう

展示室Cは
▽広がる絵画の地平
▽移動、ひらめき
▽仮想の風景を眺める
▽創造の翼
―の「4つの視点」でエリアを分け、作品を紹介しています。

市美術館では、年に数回展示替えを行っています。見たことのある作品も、また新たな違った見方ができるかもしれません。

草間彌生の《夏(1)(2)》が 漫才コンビのようにも見えま す
また、私的使用に限り、原則全ての展示室で作品の写真撮影が可能になりました。

美術館では静かに、という固定観念は取り払って、時には「おしゃべり」しながら作品をお楽しみください。
 
●コレクション展示室(古美術含む)
【開館時間】午前9時30分から午後5時30分
7月から10月の金・土曜日は8時まで開館。いずれも入館は閉館の30分前まで 

【料金】一般200円、高大生150円、中学生以下と市内に住む65歳以上は無料 

【休館日】月曜日(祝休日の場合は翌平日)
 
■問い合わせ先/市美術館
電話 092-714-6051
FAX 092-714-6071
 

学芸員のイチオシ
私がお薦めするのは、福岡を拠点に活動する鈴木淳さんのインスタレーション(空間芸術)です。曾祖父母の時代から現代まで、約100点の家族写真が「ちかちか」と点滅しています。

展示室C。画面中央が鈴木淳の《IE4・ 家族の森》(1998年/2012年再制作)
作品の第一印象は、単純に「美しい…」ですが、実は家族の歴史や時間というテーマについて俯瞰(ふかん)で捉えることのできる、魅力的な作品です。
 (近現代美術係 忠あゆみ)