熱中症とは、室温や気温が高い環境で、体温の調節機能が働かなくなることで生じる体の不調です。重症化すると命に関わる場合もあります。
例年、7月に熱中症による救急搬送者が急増します。そのうち約半数が室内で発生しているため、室内だから大丈夫といった油断は禁物です。
特に、体温調節機能が未発達の小さな子どもや体内の水分が不足しがちな高齢者、高血糖によって脱水症状が起きやすい糖尿病などの持病がある人は注意が必要です。
正しい知識を身に付け、予防と早めの対処で暑い夏を乗り越えましょう。
■熱中症の事例と予防法
発症例を参考に予防法を紹介します。
【ケース 1】
Aさん(80代)は、食欲が落ち、体のだるさを感じていた。室内にいて暑さを感じておらずエアコンは使用しなかったが、症状が悪化し動けなくなった。
〈予防〉
年齢を重ねると感覚機能が衰え、暑さを感じにくくなります。感覚に頼らず、エアコンなどを使用して室温が高くならないよう調節しましょう。また、食欲不振により食事から取れる水分が減ると、脱水状態になるリスクが高まります。小まめに水分を補給しましょう。
【ケース 2】
Bさん(20代)は起床後、身支度中にめまいを感じ、その後意識を失った。
〈予防〉
寝ている間は症状を自覚しにくいため、知らないうちに熱中症が進行する場合もあります。寝る前の水分補給に加え、就寝中の室温管理も行いましょう。
また、室温が高くなくても湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり熱中症のリスクが高まります。湿度にも気を配りましょう。
■夏を元気に過ごすために
「体がだるい」「足がつる」などの症状は、熱中症でも見られます。日頃から体調の変化に気を付け、異変を感じたら涼しい場所で首や脇などを冷やし、水分・塩分を補給しましょう。また、自力で水分摂取ができない場合は医療機関を受診する必要があります。声を掛けても意識がない場合は、直ちに救急車を要請してください。
福岡県救急医療情報センター(年中無休・24時間対応)に電話すると、救急車を呼ぶべきかどうかや、最寄りの医療機関について案内します。
【問い合わせ】
中央区健康課
電話 092-761-7340
FAX 092-734-1690
救急車?病院?迷ったら ♯7119
飲酒をする際にも注意
ビールなどのアルコールには強い利尿作用があり、脱水のリスクが高まります。夜に飲酒をされる場合は寝る前に麦茶や水を飲み、水分補給を心掛けましょう。
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